中目黒は山手エリアにおけるやきとん激戦区です。中目黒発祥の老舗もつ焼き店を筆頭に、都心の有名店の支店などが何軒も登場。おしゃれタウン中目黒のイメージの隙間に挟まる赤ちょうちんは、連日大変な賑わいです。
そのうちの一軒、東急中目黒駅から目黒川を渡った先の路地にある「まるや」をご紹介します。ここは酒場好きの間でおなじみの野方に本店を持つやきとん人気店「秋元屋」の系譜にあるお店。やきとんの味付けは、通常の甘い醤油タレと塩に加え、にんにく風味の味噌ダレがあり、特にかしらの味噌タレが特にクセになる美味しさです。
コの字カウンターが囲む厨房で、中央では次々とやきとんが焼かれています。お店は2014年創業、マンションの一階という立地ながらすでに長く続く店のような風格があります。
ビールは樽生(500円以下税抜)がキリンハートランド。ビンでサッポロラガー(大ビン600円)。どちらも飲みたいですが、まずは瓶ビール。焼台の前に通されたので、焼ける様子を眺めつつビヤタンをすっと傾けます。この時間のわくわくする感じは、やきとん屋の醍醐味のひとつ。
甲類はキンミヤなど。ホッピーセットは白・黒が420円。めずらしいホッピー赤こと、ホッピー発売55周年を記念した「55ホッピー」も選べます。酎ハイ類は400円から。日本酒は菊正宗。ハイボールはキリン富士山麓ともうひとつ、城東エリアで昔から飲まれてきた甲類ベースのボールこと「特製ハイボール」(390円)もあります。
おつまみは串焼きが全体の60%ほどと多く、それを補完するように煮込み(450円)、キャベツ味噌(160円)、マカロニサラダ(350円)と並んでいます。マカロニサラダが常連さんの間で人気の様子。
やきとんが焼けるまでの間につまみたい、まるやの煮込み。シロなどに加え、スジ肉がごろごろ。これに大根、こんにゃくを合わせ、トロトロになるまで煮込まれています。とろっとしているのに、意外とあっさりしています。
やきとんは160円から。定番のかしら、レバ、たん、しろ、てっぽうなどに加え、ホワイトボードでハラミスジなど今日のおすすめが加わります。数量限定の上タンをオーダー。塩がきれいに万遍なく振りかけられ、絶妙な味です。柚子胡椒を風味づけ程度にのせていただきます。
なんといっても目的は味噌味のかしら。甘くコクがあり、舌に広がるねっとりとした旨味がたまりません。
野菜焼きはねぎ、玉ねぎ、しいたけ、あすぱらなど。肉巻きトマト(200円)とにんにくの芽(160円)。炭火で焼く野菜は自宅では真似のできない美味しさです。
ビールもよいですが、飲み物はやっぱり特製ハイボールが好き。キンキンに冷えた風味付き甲類焼酎のソーダ割り。氷がはいっていないので薄まらず、氷でガスが逃げないため炭酸の硬さもしっかり。
焼台の様子を眺めて美味しいやきとんと焼酎ハイボールを飲んでいると、ここがどこの街にいるのか一瞬わからなくなりそう。
平常時はスーツ姿のお客さんだけでなく、20代のカップルや友人同士で飲みに来ている若いお客さんも多い、街に根付いたお店。ピーク時は満席になりますのでご注意を。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材日/2020年2月6日)
焼きとん まるや
03-6452-3995
東京都目黒区上目黒1-5-10 中目黒マンション 114
18:00~24:00(土祝は17:00~・日定休)
予算2,600円