京都市役所前「京の酒処1038」 待ち合わせ、時間つぶし、洛中巡りの一軒に

京都市役所前「京の酒処1038」 待ち合わせ、時間つぶし、洛中巡りの一軒に

突然ですが、皆さま、京都はお好きですか。私、塩見は京都が大好きです。寺社仏閣巡りを楽しんでいたのははじめのうち。いまは、ただひたすらに町歩きと飲食店めぐりだけを目的に京都へいきます。

なんといっても魅力は、その独特な食文化。にんにくを使わない町中華だったり、よこわのお造りに鯖棒鮨。酒場の主役は伏見の女酒、優しくマイルドな日本酒で溢れています。

京都は大阪ほどではないにしろお昼酒処は充実していまして、有名店を挙げればきりがない程です。とはいえ、やはりお昼酒から夕方までの時間は空いてしまうもので、その時間を埋める角打ちをもう少し知っておきたいな…なんて考えました。

そうしてたどり着いたのが、京都市役所前駅に直結した地下街「ゼスト御池」にある2019年1月開業の「京の酒処1038」です。

 

店名の読み方は「トミヤ」。寺町二条で1932年(昭和7年)から営業する酒販店「富屋」の姉妹店という位置づけ。地下鉄駅直結の地下街に新しく角打ちがオープンするのは珍しいことですし、応援したいと思っています。

 

待ち合わせ、時間つぶり、おひとりさま歓迎というありがたいスタンス。前途のように、京都はなにかと小一時間を持て余すことがあります。少なくとも筆者は。そんなときに、京極にも近く、京都めぐりの中心的な位置にある市役所近くで角打ちを楽しめるのは非常にありがたいことです。

 

缶詰は国分系が一通り。お願いすれば温めてくれます。お酒は、まずは樽生ビール(300円)がアサヒスーパードライ。京都式酎ハイ「ばくだん」(360円)もあります。角ハイ290円、一部で話題のクラフトジンも400円と大変にリーズナブルな価格設定です。

 

ここはやはりばくだん(360円)からスタートでしょう。京都のお好み焼き屋さんなどでは「赤」の名で親しまれている京都ならではの飲み物。サントリーの赤玉スイートワインと、京都の酒類企業・宝酒造がつくる「純」、そしてちょっぴり甘めなサイダーなどでビルドするのがレシピです。赤玉に宝酒造、このレシピが京都の土地柄を感じられて楽しい一杯です。

では乾杯!

 

日本酒の品揃えも充実。とくに京都伏見の蔵を中心とした品揃えで、60mlで180円からとリーズナブルな価格設定が魅力です。元となる酒販店が有力なお店ということもあり品揃えはなかなかに良く、軽く立ち寄って飲むには十分ではないかと思います。

例えば、招徳酒造の純米にごり、北川本家の吟の司純米大吟醸、城陽酒造のたれくちに酒盗をあわせて税込み1,000円。大変に魅力的ではないでしょうか。

 

季節銘柄もあるのでぜひ。招徳純米にごり(180円)をもらってもう少し時間調整。甘口ではありますが余韻がなめらかで次を誘う味、おかわりしそう。目的の鴨川沿いのお店が開くのは17時。ここで30分程度の時間調整ができるのは助かります。

 

角打ちスタッフのお姉さんは酒屋の情報通。伏見などで開かれる蔵開きや、宝酒造の推しチューハイなどに非常に詳しく、お話を聞くのが楽しいです。つぎのお店に行く時間がそろそろ近づいてきているけれど、もう一杯、飲んじゃおうかな。

そう感じさせてくれる、洛中のとまり木です。お近くお立ち寄りの際は覗いてみて。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

京の酒処 1038
075-222-1038
京都府京都市中京区下本能寺前町
10:30~21:00(基本無休)
予算1,000円