行徳「大ちゃん」 ご近所さんが羨ましい。美味しく安く心地いい酒場。

行徳「大ちゃん」 ご近所さんが羨ましい。美味しく安く心地いい酒場。

塩田とアオヤギで栄えた江戸の勝手口「行徳」。埋め立てが進みベッドタウン化が進んだ現在でも、かすかに漂う潮の香りに漁師町の名残を感じます。

この街で20年以上続く地元密着の酒場といえば「大ちゃん」。短冊の品書きが壁一面を覆い、カウンターでは早い時間から地元のご隠居さんたちがお酒を楽しむ素敵なお店です。

魅力はなんといっても、美味しくて安いこと。一人で訪ねても丁度いいミニサイズの料理が充実しているのも特長です。家族経営ならではのあったかな雰囲気に癒やされます。

 

最寄り駅は東京メトロ東西線の行徳駅。大手町(東京都)駅から25分ほど。1969年(昭和44年)に開業して以来、街は大きく発展しました。その頃に形成された商店街が、街に下町風情を添えています。

 

リーズナブルな飲み屋さんや立ち飲み、大衆食堂もあります。最近は在留外国人向けの外国料理のレストランも増え、エスニック好きも注目していると聞きます。

 

駅から3分ほど歩いて「大ちゃん」に到着。時刻は16時ぴったり。口開けでお邪魔いたします。なにせこちらのお店、早い時間からカウンターは常連さんで賑やかになるので、確実に尋ねるならばオンタイムがよいです。

 

厨房に向いたL字カウンターと小上がりの配置。飴色の空間と漂う炭と出汁の香りがお酒を誘います。

 

短冊がずらりと貼られているのが素敵です。品目ごとに整理されておらず、まぜこぜで書かれているのでよく見渡さなければ、「あ、アオヤギ刺しあったんだ!」と、あとで気づいて後悔しかねません。

 

悩む前に、まずは生ビール(500円)。行徳からも近いサッポロビール千葉工場で醸造された黒ラベルです。さぁ乾杯!

短冊を見ながらよそ見しつつビールに口をつけるのですが、この瞬間がたまらなく好きです。細かくて伝わらないと思っていますが、品書きの文字自体がおつまみに感じます。

 

お通しのポテトサラダをちびちびつまみながら、お願いした料理を待ちます。この時間もまたいいですよね。

 

特製牛みそ煮込が名物料理。こちらのお店を開く前からのご主人の定番で、味噌ちゃんこ鍋のテイストです。キムチのトッピングもあり、小サイズ(450円)から、中、大とサイズが選べます。角切りの牛肉がごろごろ入っています。

 

炭火の焼台で丁寧に焼き上げていく焼鳥。ピーマン肉づめ(200円)とねぎま(140円)をお願いしました。とりひも、ぼんじり、むね、タン、カシラなど串は1本120円から。盛り合わせ6本(880円)などのセットもあります。人気店ゆえ、回転がよくて鮮度のいいものが次々とでてきます。

 

レモンハイ(320円)は氷少なめ、たっぷりはいる酎ハイタンブラーなのも嬉しいです。

このほか、サッポロ中瓶(520円)、ギネススタウト(550円)、ホッピー(白/黒・450円、中250円)、電気ブラン(380円)、チューハイ(320円)、ベジタブルハイ(420円)など。

 

さてさて、好物のシャコ(380円)を短冊の森から発見したので、いただきましょう。

 

お腹にたまらず、お酒のおつまみにぴったりの濃厚なシャコで、思わず声がこぼれます。

仕入れ次第でかわるお刺身ですが、しめさば(320円)、アオヤギ/バカガイ、アカガイ(380円)、天然ぶり、鯛刺し(480円)など。まぐろはミニ(380円)、小(430円)、中(480円)、大(530円)と量毎に4段階で用意されています。

鯵は1尾450円で、たたき、刺身、なめろう、さんが焼き、フライに塩焼きと、同じ値段で6種類の食べ方が選べ、ワクワクしちゃいます。なめろうもいいなぁ。

 

続いて、下町でお馴染み、色付き風味ありの焼酎ハイボール(350円)をいただきましょう。ノーマルな酎ハイ、いわゆる白ハイと別にあります。

 

ボールには揚げ物がよく合います。大ちゃん風ハムカツ3枚(280円)。

 

分厚くもっちり食感のハムをサクサクの衣で包んでいます。気持ちソースを多めにかけて、ハフハフしながら頬張れば、ボールがますます美味しくなること間違いありません。

自宅から歩いてぶらり飲みにいらっしゃる人も多く、とっても羨ましく思います。ベッドタウンにある良い酒場。皆さまも東西線を利用の際は途中下車されて、素敵なカウンターを体験されてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

大ちゃん
047-396-1971
千葉県市川市行徳駅前2-12-15
16:00~24:00(日祝は~23:00・水定休)
予算2,000円