サッポロビールからこの春あらたなクラフトビールが発売されます。”SORACHI1984″と名付けられたビールは、その不思議な名前が北海道産のホップからきています。
2019年4月8日、サッポロビール本社がある恵比寿ガーデンプレイスでブランド発表会が開催されたので、その様子をご紹介します。
昨今のクラフトビールブームの中、ナショナルメーカーも続々と参入し、「ナショナルクラフト」という言葉も使われてきました。今回「SORACHI1984」を発売するサッポロビールも数年前より個性的なビールを次々と登場させてきました。サッポロといえば、サッポロ黒ラベル、サッポロヱビスの2ブランドを筆頭に、エーデルピルスや白穂乃香など個性豊かな定番ビールを発売しています。
それらとは全く別の同社クラフトビール「Innovative Brewer」ラインの中の「SORACHI1984」として誕生しました。
プレス発表会にはサッポロビール株式会社社長の高島英也氏が登壇し、熱い想いを語りました。
「Innovative Brewer」は個性を尖らせたクラフトビールではなく、世界標準で好まれている味わい、王道の路線を進めていくのがサッポロの方向とのこと。サッポロビールは創業の地、北海道で創業まもないころから原料の研究を続けてて、そこでうまれた原料を使うなど、チャレンジをするとのこと。
一般の方からの応募で結成されたアンバサダーとともに、マス広告ではないカタチでのブランド露出を行う方針だそう。
「Innovative Brewer」の銘柄の軸として考えられている「SORACHI1984」。その個性的なネーミングは使用するホップからきていると話す、サッポロビール株式会社クラフト事業部ブリューイングデザイナーの新井健司氏(写真右)。
北海道空知郡上富良野町にあるサッポロビール原料センターで品種開発された社内コード「75K-B6-5」ホップが、1984年に「ソラチエース」という名で品種登録されました。今回は、そんなサッポロビールゆかりのホップの品種「ソラチエース」を100%使用することから、「SORACHI1984」となったそう。
サッポロビールが開発したホップながら、長らく同社では使用せず、北米のビールで採用され、その後日本国内にあるクラフトビール企業が採用していましたが、35年の歳月を経て、こうして生みの親のサッポロビールの商品として戻ってきたことはとても感慨深いものです。
そんな「SORACHI1984」が楽しめるイベントが、2019年4月9日の16時から20時まで、東京渋谷区・目黒区の恵比寿ガーデンプレイスにて開催。
初日の8日はメディア関係者に加え、多くのサッポロファン・クラフトビール好きの皆さんで賑わいました。
会場では、500円で購入できるビヤガーデンセットが用意されています。同じ恵比寿ガーデンプレイスで開催される恵比寿麦酒祭りと同じように事前にチケットを購入し、キッチンで交換する流れです。
500円で「SORACHI1984」1本に加え、不二製油グループ本社が開発する大豆原料のおつまみプレートがついてきます。ミニトマト、いちじくのドライフルーツ、生ハムとともにチーズのようなクリーミーな大豆舞珠(まめまーじゅ)をつかったピンチョスや、大豆ミートのハンバーガーなど、イノベーティブなブランドのビヤガーデンらしい挑戦心あるフードが用意されます。
「SORACHI1984」はエールビール。レモングラスのような香りがあり、余韻にしっかり苦味が残りますが、後味すっきりです。
(「SORACHI1984」の裏面)
北海道空知産のソラチエースと北米産のソラチエースをあわせ、100%サッポロビールが開発した”ソラチエース”ホップを使用した「SORACHI1984」。サッポロのブランディングメッセージには「このビールは、世界を変えるかもしれない。」とありますが、筆者は150年近い同社の歴史の中で、今も変わらず北海道生まれにこだわる姿が、「サッポロの軸はかわらない。」と感じられる商品・イベントに感じました。
サッポロビールがお好きの皆さん、黒ラベル・赤星・ヱビス・エーデルピルス・白穂乃香・ホワイトベルクもよいですが、新たな挑戦の芽、いっしょに応援しませんか。
恵比寿でのイベントは今日だけ。全国では今日から「SORACHI1984」が発売です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)