下北沢といえば、古着屋やおしゃれ雑貨がならぶクリエイティブな街。さらに、演劇や音楽関係者も多いことで知られ、個性派揃いの京王井の頭線の中でも一際個性があります。
最近は、小田急線の地下化工事も完成し、今後ますますの発展が予想されます。
オシャレな街、といえば吉祥寺もそうですが、不思議とカレー屋と酒場が豊富。壁に演劇や音楽イベントのポスターが貼られているのがシモキタ飲み屋らしさです。
賑わう南口商店街で正統派の酒場といえば41年続く「雷や」です。
個人系ではなく、複数の飲食店を手がける会社の経営ですが、雰囲気がよくて酒場好きにもおすすめできます。
古い喫茶店風のつくり、オープンキッチンの割烹型のつくりで、カウンター席に座れば調理風景を肴にお酒が進みます。店先も野菜が並ぶように、野菜が豊富。三鷹の契約農家から仕入れる有機野菜とのこと。
ビールは樽生が二種類。サッポロ黒ラベル(中ジョッキ510円)とヱビス(中ジョッキ560円)が用意され、瓶では赤星もあります。ホッピーセット(430円)、そういえば下北沢はホッピーファンが多いかも?
和洋折衷60種類の料理は、旬の食材を使い注文を受けてから手作りするものが多く、料理好きでしたらカウンターが特等席です。
サッポロの中ジョッキををもらって、では乾杯!
土日はお昼から通しで営業されていて、取材時は日曜のお昼間。外の日差しに照らされ、一層ビールが美味しくみえます。
それではお料理をみていきましょう。定番は牛すじ煮込み(680円)です。結構ボリュームがあるので一人ならばこれとあと軽い肴一品で十分なほど。
きりたんぽや炒飯、アヒージョにビビンバとジャンルに括りがなく、あえて言うならば居酒屋らしい内容です。
日本酒が充実しており、1合600円ほどから。神亀や十四代、七田などお酒好きに好まれる銘柄が揃っています。
ホタルイカの沖漬け(480円)などの酒の肴が豊富で、本腰をいれて飲むときだけでなく、このようにちょいと一献というのにも向いています。手作りの野菜惣菜を4種類揃えたおばんざい盛り合わせ(780円)も人気です。
日替わりメニューには海鮮や野菜類で旬のものがはいります。取材時はイワシやヒラマサ、舞茸など。刺身もあれば天ぷらもあります。美味しそうな舞茸が目に入り、天ぷらでいただくことに。サクサクとして揚げ具合がちょうどよく、美味しいです。
美味しい天ぷらには日本酒と決まっています。新潟は越後曽根の地酒「笹祝」。きりっとした味で新潟らしい淡麗さと米の甘さのバランスがいい定番酒です。
大きい蛇の目猪口に注いでもらって、きゅっと飲めば心がほっこり。
名物の牛すじ煮込みがやってきました。トロトロになったすじ肉に飴色の豆腐。たっぷりのネギが甘いタレを吸って、ここに七味をふりかければ最高です。
レモンサワーでちびりちびり過ごしつつ、下北沢の定番酒場の時間がゆっくり流れていきます。
土日の昼酒に、平日は賑やか過ぎない大人の酒場として使いやすい一軒です。お近くで飲む機会がありましたら、覗いてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
雷や
050-3184-1430
東京都世田谷区北沢2-19-13 斉藤ビル 1F
17:00~23:00(土日は13:00~・祝は15:00~)
予算2,800円