池袋は24時間やっている居酒屋が多く、午前中から開ているお店もポツリポツリとあって、明るい時間から飲みたい人には実にうれしい街。もしかしたら山手線のターミナル駅の中で一番昼酒に優しい街かもしれません。
とはいえ明るい時間からやっているお店はなかなかの個性派揃い。あんまりコテコテ過ぎるお店だとちょっと居づらいと感じる方もいらっしゃるはず。え、朝から飲んでいるんだからどこでも大丈夫って?
まぁまぁ、そうかもしれませんが(笑)
でも、例えばカップルで映画を見る前にちょっと飲みたいとか、女子グループでマルイでショッピングを楽しんだあとに喉を潤したいとか、早上がりできたサラリーマンで、まだ少し時間があるから飲んでいこうとか、そういうのってあるじゃないですか。
そんなときにオススメなのがここ「かめや」。炭火焼き焼鳥を看板メニューにしたお店で、通りにに面した看板には「昼から飲める店」というストレート過ぎるキャッチフレーズまでついています。飲食店ビルの二階でなかなか硬派に感じるかもしれませんが、ここはかなり明るい感じの酒場。一見さんでも最初に勇気さえだして入ってしまえば後はきっと快適だと思います。
まずは瓶ビールを一本もらって、それから今日の献立を考えましょう。焼鳥メインでサイドメニューは少なめ。今日は串焼きを食べるぞ!という気分になってきます。
瓶ビール(大びん・550円)にアサヒスーパードライがありますが、樽詰めふくめキリンがメイン。フローズンが飲める貴重なお店です。
それでは乾杯!
チューハイ類が320円と、オリジナルのかめハイボールも気になるところ。
食べ物のメニューは壁にぴたっと貼られています。名物がアスパラ巻き(3本・470円)で品書きの一番ポジションをとっていますが、アスパラ巻きが名物というお店、私はここくらいしか知りません。焼とりやつくね、タンなどの定番があるにも関わらず。
ここに来たら必ず頼む牛すじ煮込み(500円)。塩味ですが牛の旨味がこれでもかと溢れていてビールとの相性はそれはもう抜群。お豆腐や根菜も牛の旨味が染み込んでいます。
こちらがかめハイボール。ウィスキーと梅エキスを混ぜたかめやオリジナルのドリンクです。色ほど度数が濃くもなく、さほど酸っぱくもありません。下町の梅エキスと違ってこちらはしっかり梅風味。
名物のアスパラ巻き、焼とり、砂肝を。注文すると毎回大皿に盛られて登場します。テーブルに置かれた東松山風の辛味噌をつけていただきます。味付けは塩しかなく、この辛味噌で味に違いをつけて楽しみましょう。
界隈の焼鳥店と比べると1ランク上の価格帯ですがお肉がしっかり大きめで丁寧な仕上がりなので十分満足。アスパラ巻きはこの通り、極薄の豚バラで巻かれているのですが、食べだすと止まらない後を引く感じがあります。周囲の常連さんも、まずはこれを一人3本頼んで食べるという人が多く、さすが店のウリだけあります。
焼鳥とかいていますが、豚や牛、エビの串も混ざっています。
かめハイボールに飲み飽きてきたら、抹茶ハイにするのがいつもの流れ。結構度数が濃いお店なので、一般的な酔い方をされる方は3杯でほろ酔いになりそう。お店はゆったりとした席配置なのでデートとか仕事関係の人とふらっと立ち寄っても”退かれない”チェーン店とコテコテ酒場の中間的な雰囲気です。
明るい時間にふらりと立ち寄り、軽く1時間飲んでいくという使い方が一番オススメ。カウンター席でしっぽり文庫本を読みながら飲むのもいいかもです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
かめや
03-3982-9458
東京都豊島区西池袋1-20-3 2F
12:00~24:00(日は22:00まで・無休)
予算2,200円