浅草や吉原に近く江戸下町風情が残る台東区竜泉。国際通り沿いに暖簾を掲げる『竜泉 大和田』は、創業約80年を数える家族経営の老舗鰻店です。何気なく入りましたが、手頃な価格ながら実に好みの味でした。二階へ上がれば老舗料理旅館のような和室が広がり、窓からは鷲神社の鳥居前町を望めるロケーションが魅力。今回は地元常連客に愛される下町価格の鰻重をご紹介します。
目次
吉原・浅草・入谷の歴史が交差する竜泉の老舗鰻店

東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅から歩いて10分弱、国際通り沿いの「竜泉」バス停の正面に店を構えています。周辺は寺社仏閣が多く、吉原や浅草、入谷の歴史が交差する独特の情緒を持つエリア。

鷲神社も近く、こういう地域の鰻屋さんや寿司屋さんは冠婚葬祭や祭り関係で地域の皆さんに愛用されていることが多いんです。

鰻屋さんに多い「大和田」という店名は、実は暖簾分け。こちらも江戸時代の番付表にも名を連ねる「大和田」の系譜を持ち、現在は三代目になるそうです。
一階は年季の入ったテーブルが数卓並ぶ昭和レトロな大衆食堂の造り。靴を脱いで二階へ上がると雰囲気は一変し、老舗料理旅館を思わせる畳敷きの和室が広がります。

調度品が飾られた空間は非日常感のある設えで、窓からは「おとりさま」で知られる鷲神社の鳥居前町を望めます。
家族経営ならではの人情味あふれる接客が心地よく、ご近所の常連客が中心の落ち着いた客層。それでいて、ここはやはり浅草の奥。パリッとした粋と伝統文化を継承する芯も感じられます。
袴付きの徳利で味わう燗酒と絶品うな重
徳利袴のお燗酒

まずは熱燗(500円)を注文しました。袴付きの徳利で用意され、老舗ならではの風情を感じさせます。嬉しいことに、お酒の肴にとサービスの小鉢がついてきました。

丁寧な味付けが、焼き物までの時間を魅力的なものにしてくれます。
香ばしい焼き鳥でうな重を待つ

鰻の焼き上がりを待つ間、焼き鳥を追加。専門店にも引けを取らない味わいで、鰻屋特有のコク深いタレを纏って香ばしく焼き上げられた焼き鳥は絶品です。

身が大きく満足感は非常に高い。しっかり弾力があり噛むほどに旨味が溢れ出す。焼鳥屋さんの焼き鳥とはまち違った焼き方で、これがたまらなく好き。

1本には七味を、もう一本には山椒をかけてみました。焼き鳥のタレは山椒も合うんです。
下町価格で堪能する国産鰻のうな重

注文から30分ほどで、真打ちのうな重が登場。

今回は「うな重 竹(3,700円)」を選びました。「梅」は2,600円と、下町らしい良心的な価格設定が嬉しいポイントです。愛知県産など国産の鰻を使用し、関東風の蒸しを入れてから焼き上げての提供。

お重の蓋を開けると、肉厚な蒲焼が艶やかなタレを纏って姿を現します。

皮側は浅く、身側をしっかり焼いており、表面はパリッと香ばしく中はトロトロの柔らかさ。

脂とうなぎ特有のクセを微妙な塩梅で残しており、長年継ぎ足しているであろう、醤油が引き立つ甘さ控えめのタレと見事に調和しています。

底の深いお重にはご飯がたっぷりと盛られ、一人飲みながら思わず声を出して頷くほどの満足感に包まれます。

江戸から続く町の情緒とともに味わう大衆鰻に大満足

長年守り続けるタレと確かな焼きの技術で仕上げる『竜泉 大和田』。日常の延長で楽しめる手頃な価格帯を維持している点に、下町の老舗の心意気を感じます。
浅草寺周辺の喧騒から離れ、浅草っ子が下駄で訪れるような地域密着店で、時間を忘れてゆっくりと食事に向き合える貴重なひとときでした。休日の散策の締めくくりにふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょう。
店舗詳細



| 店名 | 竜泉 大和田 |
| 住所 | 東京都台東区竜泉3-13-3 |
| 営業時間 | 11:30 – 14:00 17:00 – 21:00 月定休 |
| 創業 | 1940年頃 |
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