大阪の酒場のソウルフードが串カツならば、東京はもつ焼き。実は戦前から続く歴史を持つ店は極めて貴重です。浜松町駅近くに構える『秋田屋』は、なんと昭和4年創業の正統派もつ焼き店。ビル群の合間、東京タワーを仰ぎ見る好立地にあって、もつ焼きのレベルも極めて高い。東京旅行の際はぜひ立ち寄ってほしい名店をご紹介します。
東京タワーを仰ぐ特等席で味わう正統派もつ焼き

JR浜松町駅から徒歩2分、都営大江戸線の大門駅からもすぐの第一京浜交差点そばに店を構えます。創業は1929年(昭和4年)。
東京では、故郷の地名を店名に掲げ、同郷の人にアピールした店がかつては多くありました。ここ秋田屋もそのひとつ。秋田県横手市から上京した初代が麻布十番周辺で串揚げ店を開いたのが始まりです。
秋田の地酒「高清水」を東京で広めたい目的もあって、戦後は新橋のヤミ市を経て1946年頃に現在の場所へ移転しました。それから80年、ずっと港区の山手線駅前という圧倒的な好立地で商売をされています。

現在の建物は建て替えを経ているものの、店先に広がる屋外の立ち飲みスペースには昔ながらの熱気が満ちています。
P函(ビールケース)を机代わりにして、仕事帰りの会社員に加えて、ここは空港を利用する遠方からの旅行者の姿も多く、どこか特別感があるのがまた楽しいです。
雰囲気だけでなく串もレベルが高い。豚芝浦の食肉市場が近い土地柄を活かし、冷凍しない新鮮な生モツを毎日仕込んでその日のうちに売り切るスタイルを貫いてきました。大衆店ながら紀州備長炭で焼いているのも嬉しいポイント。
鮮度抜群のもつ焼きと受け継がれる伝統のタレ

まずはよく冷えた「キリンラガービール大瓶(850円)」を注文。すっきりとした苦味が心地いい。こういういぶし銀の酒場にはやっぱり大瓶ですね!

すぐに出る肴として最適なのが、自家製の一夜漬け「お新香(440円)」。きゅうり、大根、人参が盛られており、みずみずしくて旨味も濃厚です。

壁に貼られた短冊を眺めながら、気になる串を頼みましょう。看板メニューのもつ焼きは2本一皿で484円。

紀州備長炭で職人が絶妙な火入れをしたレバーは、外が香ばしく中はしっとり。さらりとしてコクのある秘伝の甘辛いタレが、大ぶりなモツの旨味を一層引き立てます。
昔からカラシがついてきますが、これが豚の余韻をすっと流してくれてとてもいい。

ハツとシロ。どうですか、これ艶、ハリの良さ。肉がキレイに短冊形になるよう形を整えて丁寧に串打ちしているのも秋田屋のこだわり。焼きむらがなく、肉の鮮度の良さを実感できる肉汁タプタプなんです。

合わせるお酒は、初代の念願であった秋田の銘酒「清酒 高清水(748円)」。オリジナルの徳利で供される一杯は、口の中の脂をすっきりと流してくれ、次の一串へと自然に手が伸びます。
お一人様1本限定の「特製たたき(250円)」も外せません。豚軟骨がたっぷりと練り込まれた肉だんごで、コリコリとした歯ごたえとジューシーな肉汁のバランスが秀逸。こちらも売り切れていなければぜひ。
東京の夜を彩る歴史ある酒場情緒
歴史を重ねた店ならではのどっしりとした安定感があり、初めて訪れる人でも不思議と温かく迎え入れてくれるあったかさがある店。ひと昔前の東京都心部も情緒が奇跡的に残っています。
東京タワーを眺めながら、開放的な屋外で冷えたビールともつ焼きを頬張る体験はきっといい思い出になるはず。東京出張やご旅行の際はぜひ覗いてみてください。もちろん首都圏にお住まいの方にもオススメ!
| 店名 | 秋田屋 |
| 住所 | 東京都港区浜松町2丁目1−2 |
| 営業時間 | 15時30分~20時30分 |
| 創業 | 1929年 |
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