池袋東口で老舗焼鳥といえば、1975年創業の『炭火焼鳥 母家』でしょう。名物の紀州備長炭で焼き上げる串焼きはもちろん、実は鶏から揚げの名店としても知られる存在。今回は、近隣で働く会社員や買い物帰りのご夫婦が静かにグラスを傾ける、居心地の良い正統派酒場をご紹介します。
変わらぬ味を守る、蔵のような落ち着きの空間

池袋駅東口から明治通りを目白方面へ歩くこと約7分。次々と新しいビルが建つ賑やかなエリアを抜けると、立派な提灯の老舗らしい風格の焼鳥屋さんが見えてきます。営業中を表す「合戦中」の札がおもしろい。
16時開店と早いオープンが嬉しいです。口開けと同時に店内へと入ると、そこはまるで藏のよう。1975年の創業当時から変わらない土壁に酒場としての歴史の長さを感じます。

年代物の椅子とテーブルが並び、長い歴史を刻んだセピア色の空間が広がる世界。炭の香りもあって、ここで飲むだけでいろんな思い出が蘇ってきそうです。

メニューも店内の雰囲気も、奇をてらった感じは皆無。焼鳥、煮込み、鶏スープと王道の顔ぶれです。焼鳥の味は自由に選べる店が多いですが、こちらは部位ごとに塩かタレか決まっています。なんでも、先代からのこだわりなのだそう。美味しい味で焼いてもらいたいだけですから、私はこういうスタイルもいいと思います。
17時前にもかかわらず、テーブルは7割ほど埋まりました。やってくる人は、近隣企業にお勤め風のグループや、買い物帰りのご夫婦が中心。飲み慣れた大人たちが集い、静かに杯を傾ける落ち着いた雰囲気が漂います。
ピリ辛煮込みと名物から揚げ、そして大ぶり焼鳥

まずは、サッポロ生ビール黒ラベルの大ジョッキから。昔ながらのどっしりとした重みのある巨大なジョッキが運ばれてくると、自然と気分が高まります。
サッポロビール関係者の覆面調査でも品質確認が入る「パーフェクト黒ラベル」制度の認定店なので、この通り提供品質はかなり高い!

おつまみは、まずはすぐ提供されそうな鳥モツの煮込み(880円)から。うずら入りです!
予想していたものよりだいぶ赤い!といっても、見た目ほど辛いわけではなく、ほんのりピリ辛。鶏の旨味を吸った大根や豆腐がトロトロで、これはたまりません。あとを引く個性的な味わいで、新鮮な鳥モツの旨味が冷えたビールによく合います。

そして、お目当てのから揚げの登場です。しっかりとした下味がついたもも肉。千円超えとちょっぴり高級ですが、握りこぶし大のものが4個も盛られています。シェアしたいボリュームです。

衣はバリッと香ばしく揚がっていますが、中は噛むほどに肉汁が染み出る素晴らしいジューシーさ。

噛み応えがありながらスジっぽさを一切感じさせない仕上がりは、一度食べたら癖になる美味しさ。この店をよく知る友人によると、売り切れてしまうこともあるみたい。

日本酒は刈穂と出羽桜のみ。鶏肉文化の秋田の酒は焼鳥とよくあいますもんね!
定番は、オリジナルラベル「刈穂 母家」。お店の料理に合わせて醸されたものだそう。一升瓶から1合は入りそうな大きなお猪口にたっぷりと注いでもらえばテンション上がること間違いなし。

続いて、いよいよ焼鳥です!正肉は肉質の良さがわかる塩というのが店のこだわり。しっかり炭火の力で表面はパリパリ、中はちょうどいい熱の入り加減。

砂肝にはカラシを少しつけて一口。これまたみずみずしい!

つくねはゴワゴワとした粗挽き感があり、噛むほどにジューシーな肉汁が溢れてくる。タレのコクが肉汁の旨味を一層引き立てています。
世代を超えて愛される池袋のオアシス
産地にこだわらず、その日一番状態の良い鶏を仕入れ、最高級の紀州備長炭で丁寧に焼き上げる。ごまかしのないシンプルな炭火焼鳥と、名物のから揚げに、職人技と店のこだわりをしっかり感じました。
美味しい焼鳥をつまみに静かにお酒を飲みつつ語らい合いたいときにぴったりの酒場です。
| 店名 | 炭火焼鳥 母家 |
| 住所 | 東京都豊島区南池袋1丁目12−6 1F |
| 営業時間 | 11時30分~13時30分 17時00分~23時00分 |
| 創業 | 1975年 |
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