町寿司のちらし寿司は、お昼飲みの強い味方です。夜なら値が張る寿司屋さんの刺身も、ランチなら手頃な酒の肴に早変わり。
やってきたのは中央線、武蔵小金井。再開発が進む駅前で、昭和の空気を守り続ける「幸寿司」を目指します。評判は聞いていましたが、地下にこれほど「安くて旨い」が潜んでいたとは――正直驚きました。
再開発の隙間に残る、昭和の面影と赤星大瓶
武蔵小金井駅北口。かつては今よりも規模の大きな飲み屋街が広がっていましたが、駅前の風景は一変しました。現在はタワーマンションや商業施設が立ち並び、きれいに整備されています。
ですが、この街にはまだ昭和の「隙間」が残っているんです。

今回ご紹介する「幸寿司」があるのは、ディスカウントストア(長崎屋時代が懐かしい)とパチンコ店に挟まれた路地の先。雑居ビルの地下1階にあります。以前は路面店でしたが、開発など様々な事情で現在の場所へ移ったのだそう。

地階なのでどうしても一見さんは入りにくい雰囲気があるものの、暖簾をくぐれば活気ある寿司屋の光景が広がります。

カウンターに、テーブル席、そしてお座敷。平日の13時過ぎでも地元の常連さんや近隣の会社員でほぼ満席です。

入れないか心配しましたが、一人なのでつけ場前のカウンターに滑り込みました。正面には寿司を握ぎるご主人と息子さん。家族経営ならではの温かい空気が流れています。

さあ飲みたくなってきました。なにはともあれ、寿司屋のカウンターの一口目はビールでしょう。
サッポロラガー(赤星)の大瓶(880円)を注文。中瓶が増える昨今、633mlの大瓶がある!お酒好きの常連さんが多いのかなーと嬉しくなります。
掘っても掘っても具が出てくる「おまかせ丼」

お目当ては、ランチ限定の「おまかせ丼」(1,980円)。昼食代で考えたら予算オーバーかもしれませんが、運ばれてきた丼を見れば、その価格がいかに良心的か分かるはずです。

どうですか、この盛りの良さ。酢飯が見えません。寿司種が重なりあっています。

丼のまん真ん中には分厚い本マグロの中トロ。それを囲むように、極厚のブリ、本物のねぎとろ(すきみ)、ヒゲがピンと立った甘エビ、カニ爪、イカ、白魚、エンガワ、煮帆立、北寄貝、白みる貝、サーモン、数の子、きゅうり、そして自家製の甘い玉子焼き。その数、15品以上。

職人技が楽しめるのも町寿司のチラシ寿司が食べたくなる理由のひとつ。


甘エビや白魚など鮮度が重要なものは、もちろんピカピカでプリッとしています。さすが人気店!

それでも、さすがは寿司職人さん。全体的に調和が取れていて上品。観光食堂の海鮮丼的な「これでもか!」な印象はありません。

しばらくは「つまみ」として刺身を楽しまないと酢飯にたどり着きません。これは日本酒が必要です。選んだのは兵庫・明石の「神鷹」。お燗でもらいました。

キリッとした灘の辛口は、マグロと本当に相性いいですよね。分厚い中トロを頬張り、脂の甘みが口いっぱいに広がったところへ、温かい神鷹を流し込む。口の中の脂をさらりと切ってくれる潔さが心地いい。
煮帆立やねっとりとした甘エビの美味しさも、この辛口の燗酒が引き立てます。

店でつくる玉子焼きが美味しいお寿司屋さんにハズレなし!
ベッドタウンで出会う、良心的な価格と確かな仕事

大瓶と徳利を空にして、満腹で店を出る頃には、すっかりいい気分。お会計は3,410円です。
夜にこれだけの質の刺身盛り合わせを頼み、さらに寿司まで食べれば、倍以上の金額になるはずです。そう考えれば、この「おまかせ丼」は破格ではないでしょうか。
にぎり10貫(1,320円)など、手頃なメニューも健在で、日常使いする常連さんが多いのも納得です。きれいに整備された駅ナカ商業施設も便利ですが、一歩路地に入り地下へ潜れば、そこには変わらない町寿司の良心が残っていました。
品書き



| 店名 | 幸寿司 駅前店 |
| 住所 | 東京都小金井市本町5丁目12−12 オークビル B1F |
| 営業時間 | 11時00分~14時30分 17時00分~21時00分 |
| 創業 | 半世紀前に創業 その後移転 |
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