三鷹駅南口、バス通りに面した平屋の佇まい。『味多香庵』は昭和9年から続く町の蕎麦屋です。通し営業の店内で、昼から地酒や蕎麦前を楽しむ人の姿も。今回はあえて蕎麦ではなく、この店ならではの丼物を楽しんでみました。
昭和9年から続く町の蕎麦屋

JR三鷹駅南口から少し歩いたバス通り沿いに、昔懐かしい平屋の店構えが見えてきます。藍色の暖簾が目印の『味多香庵』です。

昭和9年(1934年)の創業。店内は18席ほどのこぢんまりとした空間で、店主さんとお母さんが切り盛りされています。

11時から20時半までの通し営業は、地元の人々にとって日常の食堂であり、また、酒場好きにとっては昼から飲める貴重な一軒となっています。
蕎麦前とキリンラガー

壁には地酒の短冊も並び、つまみの品書きも充実しています。 最近はあまり見かけなくなった蕎麦屋のつまみ「小田巻蒸し」や、こだわりの「そば味噌」、「厚焼き玉子」などで「蕎麦前」を楽しむ常連さんもいらっしゃる様子。

まずは瓶ビール(キリンラガー)をもらいます。 ビアタンに注いで、それでは乾杯!
2種のカレー、その違いとは

蕎麦を手繰るのも良いですが、今回はあえて「カレー丼」(750円)を注文しました。

品書きには「カレーライス」(750円)と「カレー丼」(850円)の2種類が並んでいます。老舗の蕎麦屋でたまにみかける、ライスと丼の違い。皆さんは何だと思います?

実はある程度決まりがあり、カレーライスは黄色いカレーライス専用につくったもの。カレー丼は、カレー南蛮用のとろみがあり出汁が聞いたつゆをかけたもの。明確に違うのです。

ふたつあるなら、蕎麦屋ならではのカレー丼を試したくなります。 運ばれてきたのは、期待通りの姿。具はシンプルに豚肉と玉ねぎだけ。

とろみの強いカレーつゆは、コクが深くカツオ出汁の風味がしっかりと感じられます。これぞ「町の老舗蕎麦ならではの味」です。 この和風のカレー丼に、キリンラガーの苦味が実によく合います。
三鷹の「日常」にある昼飲み

創業から92年になる老舗蕎麦屋が、今も三鷹の日常に溶け込んでいます。 自家製麺の蕎麦はもちろん、出汁の効いた丼物や「蕎麦前」で昼から一息つくのも一興です。地酒も豊富なので沿線の蕎麦前好きの方はぜひ一度訪ねてみてください。
店舗詳細






| 店名 | 味多香庵 |
| 住所 | 東京都三鷹市下連雀3丁目16−11 |
| 営業時間 | 11時00分~21時00分 火曜日定休 |
| 創業 | 1934年 |
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