【閉業】大森「大衆酒場 富士川」 この雰囲気、入らずには居られません

【閉業】大森「大衆酒場 富士川」 この雰囲気、入らずには居られません

2014年4月3日
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大森、大田区は広いのにJRの駅はここと蒲田の2つしかありません。
JR京浜東北線が停車するだけのターミナルでもない駅。東急池上線・多摩川線との乗り換えがあり、京急線の駅にも徒歩で移動できる好立地のお隣蒲田と比べると大変地味な存在といえるこの駅。

ですが、なぜだか不思議な酒場文化が育ち酒場の量は隣の蒲田にも負けないほど。
今も昭和のあのころを色濃く残す下町タイプの街が残っています。

西口は通称地獄谷と言われるすり鉢状の高低差がある場所の、低い部分にスナックやパブなどが密集した場所があります。ここは、私のような飲み屋ライターより、スナック系に強い人が紹介するほうが良さそう。ここにもいい酒場があるのでいつか紹介するとして…

大森第一回はやはり東口の商店街にあるランドマーク的存在、大衆酒場富士川を紹介せねばならないでしょう。

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16時オープンとともに、空腹と肝臓の乾きを訴える地元のお酒飲みが集中します。
とはいっても、客層は至って普通。都心に近く、閑静な住宅街としての表情を強く持つ大森においては、こういう酒場だってお客さんは上品なもの。

ですが、皆さん飲むは飲むは(笑)
17時までは酎ハイ類が一杯100円ということもあり、真のお酒飲みは開店からの一時間一本勝負を狙っています。

私はまぁ、そんなことはせず瓶ビールから始めましょう。
アサヒスーパードライ、よーく冷えていて一杯目が美味しい。乾杯です。

お通しのガンモをつまみつつ、本日のおすすめボードから献立を考えましょう。

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大森は有名な貝塚があったり、海苔の大森としても有名な港町でした。今も漁師さんはいらっしゃると思いますが、その頃の名残をもった富士川は魚料理の種類がとてつもなく多いです。

カツオのお刺身(300円くらい)は、こんなに厚切り。もっちり、ねっとり、余韻にお酒がよく合います。

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また、大田区大森・羽田といえば穴子ですね。
400円ほどですし、地元のものではないと思いますが、こういう料理がごく一般的な酒場のオススメボードにかかれているのはいかにも大森らしいじゃないですか。

わさびをのせて、くーっと辛さを感じつつ、旨味を楽しみましょう。

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お刺身は20種類ほどあり、どれも~500円ほどと大変リーズナブル。
ほうぼ刺し、真鯛刺し、ヒラメにホタテ、鯨なんてのもあります。

そして、なぜだかしっかりと揃うにぎり寿司。10貫盛り合わせで680円。なんとまぁ。
ちょうど小腹がすいていたところ。頂いちゃいましょう。

シャリか大きめなのはご愛嬌。単品も一貫単位で頼めますので、リーズナブルに寿司で飲みたいなんて需要にも応えますね。

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客層は100%地元の人。
家族連れが座敷で宴会をやっていたり、近くの会社の人たちが親睦会をしていたり、
奥では「池上も変わっちまったよ、昔の祭りんときなんて」と、いかにも地元トークの40代男性三人。

そんな会話を聞きながら、名物のイワシのつみれ揚げをおつまみに、お酒(尾張男山・徳利550円)はまたたくまに乾いていくのでした。

お姉さん、おかわりね。ぬる燗がいいな。

ごちそうさま。

大衆酒場 富士川
03-3765-4957
東京都大田区大森北1-9-8