銘店の多い阿佐ヶ谷の飲み屋街。個店の魅力が強すぎて大手資本の居酒屋が参入するのが難しいとまで言われるこの街は酒場の質がいい。店の質もいいし、お客さんの質もいい。騒がずしっぽり飲んでいる酒場上級者が客層の中心にいるし、お店も商売っけを出しすぎずに地域に根づいてゆくりと成長している感じがあります。ここで飲んでいると、心の底から飲み屋っていいなぁという気持ちに浸れます。
そんな阿佐ヶ谷スターロードにわずか10席のこじんまりとした焼鳥飲み屋があります。そこは串が大ぶりで、ふっからほくほくに焼き上げてくれる絶品の焼鳥をだしています。これがとにかく美味しくてハマってしまうお店「よし丸」をご紹介しましょう。
カウンターとほんの少しのテーブル席という配置。二人の店の方が息のあった接客と厨房を切り盛りしています。メニューは多くありません。焼鳥は名物のレバーが180円、変り種系が200円台、定番も150円ちょいと大衆焼鳥と比べると僅かに高い。でも、そんな気持ちも串がでてきたらすぐに吹き飛びますよ!
ドリンク樽生がスーパードライ、瓶ビールにサッポロラガーが入っているのは常連さんのこだわり。酎ハイ、ワイン、ウィスキーなども定番の顔ぶれ。
日替わりのおすすめ、焼売がある!一品はこちらの黒板メニューでバリエーションを構成していますね。
お通しは生ハムのサラダ。サラダ系は必ず頼むという人も多いでしょう。お通しでトマトなどがちょこっとでてくればメインのおつまみに集中してオーダーできるのでサラダがお通しというのはよいと思います。
それでは赤星をもらって、はじめましょうか。乾杯!
串は1本から注文可能。まずはレバと皮焼をタレで。串はすべて大山鶏を使用しているとのこと。レバーは表面がほんのりパリっとしていて中はふっくらプリプリ、これは鶏レバーの概念を覆す美味しさ!口の中いっぱいの鳥の旨味にほっぺが落ちそう。タレの味は控えめで鶏肉の旨味を味わえるようなバランスの良さもポイント高いです。
皮焼はちょっと焦げたくらいのパリパリなのが好物。飴色になるまで丁寧に重ね焼した串は見て美味しく、食べて美味しい。
普通の焼鳥の1.5倍くらいあるので食べごたえ十分。これが170円で食べられるのだから素敵。阿佐ヶ谷の居酒屋は地元の酒場好きを相手にしているので他の中央線の駅周辺よりも一回り価格設定が低い。このお店もそんなお値打ち店のひとつです。
焼きトマトで口直し。温かいトマトって焼き鳥屋で食べるとほっとします。
ビールを何本か飲んだ後はレモンサワーにシフト。酸味がきいたレモンサワーは口の中をリセットしてくれるから、また焼鳥が食べられちゃう。
続いて塩。塩気控えめで鶏のねっとりとした肉汁を十二分に味わえます。鶏ハツのぷりぷりとした食感は大ぶりだとより楽しめます。
ぼんじりも大きい!
もも正肉を最後の一本に。どの串も大きいので普通の焼鳥店の感覚で最初から5本とか頼むと大変なことになるので要注意。ちゃんとまとめて頼んでも少しずつだしてくれるので、ドンと盛られてゆっくり飲んでいたら冷えちゃったなんてこともないのでご安心を。
お店の方の雰囲気がいいし、お客さんも8割くらいが常連さんですが、初めての方と常連さんの区別なくほどよい距離感でせっしてくれるので一見でもぜひチャレンジしてみてください。一番のネックは、美味しいからいつも人気で10席がすぐに埋まってしまうということでしょうか。
幅広い層のお客さんが慣れた感じで楽しんでいる阿佐ヶ谷の飲み屋街。よい街ですので梯子酒に繰り出してみてはいかがでしょうか。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
よし丸
03-3337-0460
東京都杉並区阿佐ヶ谷北2-13-5
17:00~23:00(日祝定休)
予算2,200円