(タイアップ/キリンシティ株式会社)
キリンシティのビールは、ただ喉を潤すだけの一杯ではありません。特筆すべきは、オーダーしてからグラスが手元に届くまで「約4分」という、他にはない特別な時間。その間、ビアマイスターが3回に分けて炭酸ガスと泡を巧みに操り、丁寧にビールを注いでいます。
今回は、キリンシティのビールが普段私たちが飲むビールとどう違うのか、その秘密を探ります。

目次
いつものビールが「ご馳走」に変わる場所、キリンシティへ
ビールは、私たちの日常の様々な場面に、ごく自然に寄り添ってくれる飲み物です。自宅の冷蔵庫にはお気に入りの缶ビールが冷え、仕事帰りには馴染みの居酒屋で仲間と一杯。パーティーや記念日を祝うレストランでは、乾杯の音頭とともに華やかなグラスが交わされます。中でもキリンビールは、日本の暮らしの中で最も身近なブランドの一つと言えるでしょう。
ですが、同じキリンビールでも、「どこで飲んでも同じ」とは限らないのが不思議。
「今日は美味しいビールが飲みたい!」――そう強く願う日が、誰しもあるのではないでしょうか。そんな“とびきり”の一杯を体験できるビアレストランが『キリンシティ』です。

首都圏を中心に全国に店舗を展開し(※取材時27店舗)、ビールメーカー直営ならではの品質へのこだわりと、熟練した職人の技によって、「ご馳走ビール」を私たちに届けてくれます。
キリンシティの歴史は、1983年に六本木にオープンした1号店から始まります。本場ドイツ・デュイスブルクの名門「ケーニッヒ・ブルワリー」の流儀を手本とし、現地の伝統的な「3回注ぎ」の技法を導入しました。
今や「3回注ぎ」といえばキリンシティの代名詞ともいえるほど、日本のビール好きの間で広く知られています。しかし、その約4分間で行われる「3回注ぎ」に、具体的にどのような技術が隠されているのか、気になりませんか? 私自身もキリンシティをよく利用する一人。あの脚付きグラスに注がれた、こんもりと美しい泡のビールを飲むたびに、その理由をもっと深く知りたいと思っていました。

そんな折、キリンシティさんから「注ぎの技術を広めていきたい」という願ってもないお話をいただき、早速取材へ向かうことに。
今回訪れたのは、キリンシティ新宿東口店。普段は見ることのできないカウンターの裏側から、注ぎの舞台裏をじっくりと観察し、ビアマイスター渾身の一杯を体験させていただきました。なぜこの店のビールが「ご馳走」と呼ばれるのか、そのこだわりを現場での体験をもとに深掘りしていきます。


これがキリンシティでしか飲めない特別な生ビール

「今日も一日お疲れ様でした」と目の前に置かれた一杯。まずはその美しい佇まいに目を奪われます。グラスに描かれた聖獣(キリン)のエンブレム、その後ろ脚の先あたりに液体と泡の境界線が来るのが、完璧な注ぎの証だそう。まさに寸分の狂いもない、お手本のような仕上がりです。
この「3回注ぎ」は、単に見た目が華やかなだけのパフォーマンスではありません。
ビールの豊かな香り、炭酸のきめ細かさ、そして飲み終わるまで美味しさが持続する。そのすべてに明確な理由があり、理論と経験に裏打ちされた数滴単位の工程があるのだそう。早速教えてもらいましょう!
3回注ぎ、その手順と意味を徹底解説
実際にどのように注いでいるのか、特別に間近で見せていただきました。
1回目:豊かな泡で香りを閉じ込める

グラスの内側で回転させるように勢いよくビールを注ぎ、豊かな泡を一気に作り上げます。右利きならば、左手にグラスを45度に傾けしっかりと持ち、右手でタップのコックを握る。
コックを一気に全開にし、すぐに閉じる。この間、わずか数秒。想像以上の流速なので、決してのんびりとは注げません。

この最初に作る泡が、いわばビールの「蓋」。ビールが持つ本来の香りや味わいを逃さず、同時に空気との接触による酸化を防ぐ重要な役割を果たします。ここでできる泡は、粗く大きなものではなく、きめ細やかで均一な粒であることが理想とされています。
泡が落ち着くまで、しばし待つ

1回目の注ぎでできた泡が、グラスの中で落ち着くのを静かに待ちます。この「間」が非常に重要で、泡の粒子がより小さく、そして泡の層が安定するのを促します。ビアマイスターは、泡の沈み具合、泡の厚みなどを、長年の経験と鋭い目で細かくチェックしています。この間に、「ビールのうま味と香りを包み込む、最高の保護膜」が形成されるのです。
2回目:泡の下にビールをそっと滑り込ませる

1回目で作った泡を壊さないよう、タップの先端を泡に近づけ、グラスの縁からそっとビールを注ぎ足していきます。泡と液体の層の絶妙なバランスが求められる、まさに職人技。たった数ミリの泡の厚みが味わいを左右するため、ビールをこぼしたり泡を崩したりしないよう、非常に繊細な手さばきが必要です。
また、この2回目の注ぎは、泡の質をさらに高める意味合いも。口に含んだときに、よりクリーミーで滑らかな泡になるように、丁寧に注ぎます。
3回目:美味しさの王冠を完成させる

仕上げとして、グラスの表面にふっくらとした贅沢感のある泡を作ります。この泡は、まるで王冠のようにグラスのロゴがある方向にやや盛り上がり、反対側は少し窪んだ形になるのが特徴。
常連さんの中には、あえてこの窪みがある側からビールを飲むという方もいるそうです。確かに、そうすることでビールを飲むときに泡が直接鼻に当たりにくくなり、より一層ビールの香りを感じやすくなる気がします。

この最終工程で、泡のきめ細かさ、滑らかな口当たり、そして香りの立体感が最高潮に達し、一杯の「ご馳走ビール」が完成します。

この一連の「3回注ぎ」には、一杯あたり約4分もの時間がかけられています。まさに日本らしい職人気質が生み出した技と言えるでしょう。泡の状態、樽から送られてくるビールの液温、グラスの温度など、その時々の状況に応じて細やかな調整が加えられ、約4分後、私たちの手元に届いたときに温度も含めて最高の状態で味わえるよう、細心の注意が払われているのです。
ちなみに、キリンシティで提供されるすべてのドラフトビールの銘柄が「3回注ぎ」というわけではありません。例えば人気の「キリン一番搾り」は、その特徴を最大限に引き出すために2回注ぎで提供するなど、銘柄ごとに最適な注ぎ方を追求している点も、さすがのこだわりです。

余談ですが、普段私がキリンシティで飲むときは、まずスピーディーに提供される2回注ぎの「一番搾り」で喉を潤し、それからじっくりと「ラガー」や「一番搾りプレミアム」、あるいは「ハートランド」などを「3回注ぎ」で楽しむことが多いです。
【体験】マイスターの技に挑戦!その難しさとは?
今回、特別に3回注ぎを体験させていただく機会を得ましたが、これが想像を絶する難しさ!
教えてくださったビアマイスターの方は、「昔は通勤電車のつり革をタップのコックに見立てて、手首の動きを練習していましたよ」と笑いながら話してくれましたが、まさに修行が必要な世界です。コックの開閉具合とタイミングが完璧でないと、あっという間にグラスの中が泡だらけに…。美味しい泡を安定して、しかも理想的なバランスで作るには、本当に細やかな調整と豊富な経験が不可欠なのだと痛感しました。
プロの技術を目の当たりにし、ビール一杯にかける彼らの情熱の深さを改めて実感。
「ご馳走ビール」を支える、見えざるこだわり

この感動的な「3回注ぎ」の美味しさを陰で支えているのが、専用に設計されたオリジナルタワーとサーバー設備、そして日々の徹底した品質管理です。
仕入れたビールの樽は一晩冷蔵庫で必ず冷却されます。サーバーも樽自体を冷やす「樽冷式」を採用しており、ビールが通るホースや、カウンターに設置されたタワーの内部まで、冷水が循環することで徹底的に冷却されているという特別仕様。

この冷却回路の「ホース径(現在は6mmを使用)」「冷却システムの配管設計」「ガス圧の微調整」など、美味しさに関わるあらゆる要素が、細部に至るまでこだわり抜かれています。例えば、店舗ごとにサーバーからタワーまでのホースの長さや、設置場所による冷却効率も異なるため、ガス圧や冷却温度を都度調整しているとのこと。

また、ビールのブランド(液種)によっても泡立ちやすさが異なるため、それぞれに最適な調整が必要不可欠。理想の美味しさを安定して提供するためには、こうした目に見えない部分での職人技が生きているのです。

キリンブラウマイスターやキリン一番搾りプレミアムなど、キリンのプレミアム銘柄が揃っているのも嬉しいポイント!
特に印象的だったのが、初めて耳にした「暖ビール抜き(だんビールぬき)」という工程です。 「タワーの先端部分には、どうしてもごくわずかながら“ぬるく”なってしまったビールが溜まります。営業開始前や、お客様への提供の合間には、この部分のビールを15ml程度抜き捨てる『暖ビール抜き』を必ず行います。これによって、常に本来の温度と炭酸が整った、完璧な状態のビールをお届けできるのです」とビアマイスターは語ります。

このわずかな“ロス”を惜しまない姿勢も、キリンシティならではの品質への執念と言えるでしょう。
また、全店舗統一のマニュアルにより定期的な配管の分解・洗浄・メンテナンスも徹底して行われています。
環境が異なる冷蔵庫の位置、ホースの長さ、カウンター設備に合わせた対応、「店舗ごとの最適化」も重要とのこと。
一つ一つが積み重ねによって、どのキリンシティの店舗でも、“均質かつ美味しい”一杯が提供されているのです。

プロの技を磨き続ける「ビアマイスター制度」

キリンシティでは、こうしたプロの技術と現場力を確固たるものにするため、1993年より「ビアマイスター制度」を設けています。これは単なる社内資格にとどまらず、店舗ごとの味や品質のバラつきを防ぎ、全スタッフの技能向上を目的とした本格的な育成・認定システムです。その試験内容は多岐にわたります。
- 筆記試験: ビールの醸造に関する基礎理論、ガス圧・温度管理の知識、衛生管理、さらには接客マナーに至るまで、幅広い分野から設問が出題されます。単に知識を記憶しているだけでなく、「なぜこの管理が必要なのか」「それがビールの味わいにどう結びつくのか」といった、実務に即した深い理解と思考力が問われます。
- 実技試験: 実際にカウンターに立ち、ビールを注ぐ技術が厳しく審査されます。泡立ちの質、提供温度、立ち上る香り、そしてお客様の前に出された際の見た目の美しさなど、審査員による厳しいチェックが入ります。注ぐスピード、動作の滑らかさや無駄のなさ、サーバーの洗浄状態など、ありとあらゆる項目が審査対象となるのです。
- ランク制: 資格は「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」のランクに分かれており、最上位のゴールドビアマイスターには、“どんなに混雑した状況でも決して動揺せず、最高の一杯を常に安定して提供できること”が求められます。さらに、キリンシティでは「ピークタイムはシルバーランク以上の資格を持つスタッフがいなければ営業できない」という厳しい社内ルールがあるとのこと。この徹底ぶりには驚かされます。
この「ビアマイスター制度」があるからこそ、注ぎの手順や美しい所作、設備の適切な管理、そして日々の洗浄作業の徹底が、全店舗で「均質かつ最適化」されたレベルで維持されているのですね。
ちなみに、このビアマイスター制度育ての親であり勤続30年の役員の方も取材時に立ち会われており、実際にビールを注いでいただきましたが、その一杯はまさに完璧でした。

五感で味わう、キリンシティだけの感動体験

キリンシティの「ご馳走ビール」は、ドイツから受け継いだ伝統、科学的な理論、磨き上げられた職人技、そして現場スタッフ一人ひとりの誇り――そのすべてが、一切の妥協なく重なり合って生まれる奇跡の一杯です。

「ビールなんて、どこで飲んでも大して変わらないよ」そう思っている方もいるかもしれません。しかし、キリンシティこだわりの「3回注ぎ」や専用設備、そしてビアマイスターたちの洗練された技術と情熱を知れば、その一杯に込められた価値と、味わいの違いにきっと驚くはずです。

きめ細やかで持ちの良いクリーミーな泡、グラスから立ち上る豊かなホップの香り、そして最後の一滴まで続く“美味しさの余韻”。 カウンター越しにプロの美しい所作を眺め、店舗ごとの工夫や品質への誇りに触れる時間は、あなたの「ビールを飲む楽しみ」を、きっと新しい次元へと引き上げてくれるでしょう。

ぜひ一度、お近くのキリンシティで、こだわりの「3回注ぎ」を体験してみてください。そして、“ビールって、ここまで違うものなのか!”という感動を、ご自身の五感でじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
