美久仁小路に店を構える『酒場ずぼら』は、池袋で約70年続いてきた家族経営の老舗酒場です。屋台の飲み屋のような距離感が魅力的。大将が直接仕入れる魚介類をメインに、ハムカツなどの酒場料理も充実しています。
目次
美久仁小路を代表する老舗酒場「ずぼら」
外観
終戦直後の池袋駅東口にできたバラック造りのヤミ市を移転するために、1950年代前半つくられた美久仁小路。現在進行系で再開発が進む池袋において、いまや貴重な昭和の横丁です。16軒の飲食店が軒を連ねていますが、店の入れ替わりも多々あり、老舗酒場はそれほど残っていません。
横丁の入口に店を構える『酒場ずぼら』は、1950年代にバラック屋台で創業した店で、美久仁小路で最古の大衆酒場です。店を切り盛りする大将や店長、女将さんは皆さんご家族で、70年以上代々家業として酒場の暖簾を守り続けています。
内観
『ずぼら』は4つのスペースにわかれています。ひとつは横丁の角に建つ自社ビルで、一階は店長が立つ板場を囲むL字カウンターを配した屋台風の席。二階は大将の調理場に向いた直線カウンターとちょっとしたテーブル席。三階は畳敷きの入れ込み座敷となっています。さらに美久仁小路の対面に旧店舗を再利用した離れもあります。
大将ご家族は皆さんフレンドリー。大都会の真ん中で飲んでいるとは思えない人情味たっぷりの接客が楽しめます。
品書き
お酒
- 樽生ビール キリン一番搾り:700円
- 瓶ビール キリンラガー大瓶:700円
- ホッピーセット:650円
- サワー(レモン・青りんご)・抹茶ハイ・ウーロンハイ:400円
- ハイボール:500円
- 日本酒 沢の鶴:350円~
- 日本酒 浦霞:450円~
料理
- いんどまぐろ刺:800円
- まだい刺・いか刺・まごち刺・甘えび刺・いわし刺・かつお刺・しまあじ刺・たこ刺・あいなめ刺・あじなめろう・つぶ貝刺:各700円
- 生かき:550円
- はも天:650円
- すみいか天:650円
- あじフライ:700円
- いわしフライ:600円
- ハムかつ:450円
- ホルモンいため:500円
- カニクリームコロッケ:450円
- ホタテアスパラバター:600円
- かじきバター:650円
- マカロニサラダ:450円
- 桜えびかき揚げ:450円
- ちくわ天ぷら:400円
- メンチカツ:450円
- 豚の生姜焼き:450円
- 肉野菜炒め:550円
- 鶏のから揚げ:550円
あったかい雰囲気だからお酒が進む
キリンラガービール大瓶(700円)
ご盛業店なのでピークタイムの18時頃は満席になることは当たり前。少し時間をずらして、大将の前に滑り込み、ホッと一安心。さぁ、キリンラガーの大瓶をもらってはじめましょう、乾杯!
お通し
お通しは日々かわり、チゲやシチュー、煮魚、煮込みなどの煮物がでることもあれば、今日のように牛たたきがでることもあります。ずぼらのこだわりは、可能な限り手作りすること。この牛たたきももちろん大将のお手製です。
いんどまぐろ刺(800円)
魚介類は配送に頼らず「自分でものを見て買う」というスタンス。池袋の大衆酒場としては魚種が多く、刺身だけでも常時10品以上揃えています。その中でも王道の名物は、インドマグロの赤身刺し。スキ身のおまけ付きで800円は良心的でしょう。
ねっとりとしてコクがある美味しいマグロでした。
生野菜サラダ(500円)
魚料理だけではなく、一品料理も魅力的なものが多いです。「手作り&豪快な盛り付け」が『ずぼら』の人気を支えてきたのだと思います。
いわしフライ(600円)
筆者のオススメは、アジフライまたはイワシフライ。刺身に使うものと同じ丸魚を手際よく開いて揚げるため、身はホクホクでジューシー。大将が目の前で調理するカウンター席ならば、タイムロス皆無で揚げてが提供されます。衣にサラサラのソースをかければ、「ジュッ」と音がするくらい熱々。
沢の鶴 大(700円)
青魚のフライには、むしろ普通酒のほうが合うと思いませんか。横丁の酒場で飲むこの時間が好きでたまりません。
はも天(650円)
夏になるとハモも仕入れられていることが多く、夏の風物詩・ハモ天を東京にいながら手頃な値段で楽しめます。
ごちそうさま
美久仁小路『ずぼら』の雰囲気を最大限楽しむならは、1階・2階のカウンター席に座れる1~2人での利用がおすすめ。大人数では入れ込み座敷や離れに通されることが多いです。
池袋東口で家族経営の酒場は本当に貴重になってきました。昭和の池袋にタイムスリップするような感覚をぜひお楽しみください。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 酒場 ずぼら |
住所 | 東京都豊島区東池袋1-23-11小野ビル |
営業時間 | 営業時間 11:00~14:00(L.O.13:40) 17:00~23:00(L.O.22:30) 定休日 日曜日 |
開業時期 | 1951頃から1954年頃 屋台で創業 1964年に店舗化 |