大阪で6店舗を展開する立ち飲みの『赤垣屋』は、今年、創業百年を迎えました。大阪はいろんな低価格チェーンができましたが、一周回ってみれば、やっぱり赤垣屋はすごいなー!と思うことも。今回はそんな赤垣屋を本店に相当する『なんば店』でご紹介します。
酒販店として創業し、大正時代から立ち飲み開始
赤垣屋はもともと酒販店として創業しており、「角打ち」として店頭の一杯売りを始めたことがはじまり。大正時代から新世界などで立ち飲み屋を営み、昭和のはじめには大阪市内に10軒以上を構えるまで拡大しました。
戦災で縮小するも、終戦後の1948年になんばで居酒屋営業を再開。長くなんばに本店ビルがありましたが、2023年5月に惜しまれつつも閉店。現在は赤垣屋なんば店と同店二階の別業態が本店の系譜を引き継ぐ店になりました。
梅田地下街やなんばウォークなどにも店があり、大阪で「ちょっと一杯飲みたいな」というときに、安心して利用できる身近な立ち飲み店です。「美味しくて安いが当たり前」の競争が厳しい大阪で100年続いてきた立ち飲みチェーンの実力、久しぶりに体験してきました。
品書き
お酒
- 生ビール キリン一番搾り:360円
- 発泡酒淡麗生中:300円
- 瓶ビール大瓶:550円
- 日本酒 歓喜光(澤田酒造):330円
- 樽酒吉乃川:400円
- レモンハイ:320円
- メガラッキーハイボール:500円
- ホッピーセット:450円
- 紅茶ハイ:320円
料理
- お造り二種盛り:430円
- だしまき玉子:190円
- 自家製ポテサラ:160円
- どて焼き2本:300円
- なんばビーフカツ:300円
- 新世界ホルモン炒め:280円
安い、早い、しかも親切!
紅茶ハイ(320円)
安い酒場(いわゆるせんべろ)では、ハードでぶっきらぼうな接客が当たり前。ですが赤垣屋は違います。ある程度居酒屋を利用している人ならば、初めてでも安心して利用できる雰囲気です。
また、狭い空間にビールサーバーや品書きなどが所狭しと配置されていますが、しっかり清掃がされているようで清潔感があるのも嬉しいポイント。
近年の仕入れ値高騰で価格改定が続いたものの、まだまだお得感がある値段設定を続けていました。発泡酒の淡麗樽生はジョッキ一杯300円の安さ。酎ハイ類も300円ほどと、なんばの一等地にありながらも大変良心的です。
たこぶつ
定番のおつまみは伝統の「どて焼き」以外は割りと入れ替わりが多く、季節によってメニューの顔ぶれは大きく変わります。お造りはだいたい一皿300円台でしっかりとした盛り付けですし、その他の料理もボリュームしっかり。
うざく(390円)
うざくや鱧など、ちょっとした高級食材が入ることも。
トマトハイ(350円)
口の中がすっきりして、もう何品か料理を注文したくなるトマトハイ。
ごちそうさま
突き出し、チャージなどはもちろんなし。2品・2杯飲んで1,000円ちょっと。終始お客さんが入れ替わりながら、午前中から賑わいが続く店なので、長居する雰囲気ではありません。クイックに30分立ち飲みしてしっかり満足。ゼロ軒目にさくっと飲むか、もしくは飲み会の帰りに〆の一杯に立ち寄るような利用がおすすめです。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 赤垣屋 なんば店 |
住所 | 大阪府大阪市中央区難波3-1-32 1F・2F |
営業時間 | 営業時間 [平日] 10:00~23:00(L.O) 22:45 [土・日] 9:00~22:30(L.O) 22:15 [祝日] 10:00~22:30(L.O) 22:15 日曜営業 定休日 無休 |
開業時期 | 1923年 |