宮崎県主催の焼酎カクテルフェア「宮崎SHOCHU Mix Up Week 2022」が2022年3月1日(火)~3月20日(日)で開催中。主催はなんと宮崎県。宮崎に限らず、東京をはじめ全国のバー234店が参加する大規模イベントです。
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宮崎県が日本有数の焼酎県、伸び悩む焼酎に新たな切り口を
宮崎は、人口10万人あたりのスナックの軒数が日本一(2010年のNTTタウンページ集計)。スナックも居酒屋も、宮崎の中心街「ニシタチ」では、焼酎は首都圏の人よりもはるかに身近な存在です。
宮崎は焼酎の生産量も多く、7年連続本格焼酎出荷量日本一(2021年までの数字)に輝いていています。とはいえ焼酎は輸出での伸び悩みや、昨今の酒類提供の規制を含む各種対策により焼酎の売上は減少傾向にありました。その打開策のひとつとして、メーカーではなく宮崎県として焼酎のPRをはじめたのが本企画で、焼酎プロモーションの柱のひとつだと聞きます。
その内容は、なんと「焼酎カクテル」という提案です。2020年に銀座でスタートし、3年目を迎える今年は全国234軒のバーが参加するまでに拡大。各店では、宮崎の焼酎をつかったオリジナルカクテルが提供されています。
プロデューサーは、南雲主于三さん。日本を代表するミクソロジスト。
参加する蔵は24社。各蔵から3種類の焼酎が用意され、それをもとに全国のバーテンダーがオリジナルカクテルを開発し、生み出されたカクテルの数は約400種類。
宮崎県の焼酎蔵とバーテンダーをつなぐことで、新たな化学反応が起きるというのも今回の取り組みで見えたといいます。
実際に宮崎焼酎のカクテルを飲んでみた
カクテルウィークに参加する3名のバーテンダーがカクテルを提供する場に参加しましたので、実際に飲んでみました。
寿海酒造「人生悠々」をつかった”ブレイクブレッド”
『SPIRITS BAR Sunface SHINJUKU』のオーナーバーテンダー・江刺幸治さんがつくるブレイクブレッドというカクテル。なんとあんこを使用し、マスカルポーネチーズ、エスプレッソなどを入れ、ハンドブレンダーからのシェイクで仕上げた一杯。
人生悠々という焼酎は度数が42度あり、カクテルのベースとしてぼやけにくい。その風味を活かしつつ、あんこなど、カクテルのレシピにあまりみかけないものを入れているのに、不思議なほど調和がとれた味になっています。
佐藤焼酎製造場「贅沢なくりリキュール」をつかった”スワリングチェスナツ”
池袋『Bar Libre』のオーナーバーテンダー・清崎雄二郎さんは、延岡の栗をつかったリキュールにカカオニブコアントロー、ココナッツオイルをつかったカクテルを披露。
ひと塗りのココナッツオイルの香りが芳醇でフルーティーな栗の特徴とマッチしています。
松の露酒造「松の露 黒麹」をつかった”松の露 黒麹スイートポテト”
日南の焼酎を使い、バニラアイス、はちみつ、はちみつ、黒豆茶などをいれたカクテルをつくるのは、赤坂見附の『Algernon Sinfoni』のオーナーバーテンダー・小栗絵里加さん。
スイーツのような味で、焼酎の新しい飲み方の可能性を感じるような一杯です。
参加店
参加店は宮崎県の本格焼酎応援サイト内にて掲載されています。
全国の店舗が参加していますが、その中に通っているバーの名前がありましたので、飲めるお店のひとつとして「bar Cacoi」をご紹介します。
bar Cacoi
東銀座の松屋通りを曲がった場所の地階にあるカクテルバー「bar Cacoi」。オーナーバーテンダーの大場健志さんは、海外までリキュールを買い付けに行くほど、探究心の強い方。茶道を取り入れたカクテルなど、独創的なカクテルはどれも魅力的。ニュアンスを伝えると、期待以上のものを出してくれる、筆者とっておきのバーです。
時短等の関係で休業中ではありますが、解除後は、銀座で焼酎カクテルをふらっと飲みたくなった際は、「bar Cacoi」を訪ねてみるのもよいかもしれません。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)