上野駅徒歩1分の場所に、ほていちゃん系列でこの街5店舗目となる酒場『さんたろう上野店』が誕生。立ち飲みならば、サッポロラガー大瓶とステーキを食べてもなんと1,000円でお釣りがきます!
ほていちゃんの兄弟店『さんたろう』は2店舗目
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新小岩を1号店に、首都圏に22店舗(掲載時)を展開『ほていちゃん』(運営元:株式会社フォートッフス)は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで店舗を増やすチェーン居酒屋です。飲み方次第では1,000円で利用できることから「センベロ」愛好家の間ではお馴染みの存在となっています。
兄弟店(同社では姉妹店とは表記していない)として、『ほていちゃん』のスピンオフ業態に『さんたろう』という店があり、一号店は成城学園前駅前に出店しています。
『さんたろう一号店』についての記事はこちら
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『ほていちゃん』と『さんたろう』の関係
『ほていちゃん』は、主にJRのターミナル駅前の通行量が多い路面に出店する業態で、千円台でちょい飲みするニーズに応えています。
対して、『さんたろう』はベッドタウンなど、ターミナル以外にも出店する屋号です。『さんたろう』のほうが、料理が個性的で付加価値がより高いものが多い印象です。
なお、店名の由来は、桃太郎(里の幸)、金太郎(山の幸)、浦島太郎(海の幸)から『さんたろう』です。
『さんたろう』の2店舗目は上野
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上野は『ほていちゃん』の本店(上野1号店)をはじめ、4店舗が狭いエリアにひしめき合っています。そんな上野に、さらに出店したのが今回ご紹介する店舗です。
「5店舗目はほていちゃんとは別業態にするという判断があったのでは…」というのは筆者の想像ですが、『さんたろう』の2店舗目はJR上野駅 浅草口・昭和通り沿いに開店。2021年12月29日のオープン時は、数分でテーブルが埋まるほどの盛況ぶりでした。
店のコンセプトは、煮込みやステーキ、生パスタ、スパークリングワインを主役に欧風テイストを取り込んだもの。ビストロやタベルナ要素と低価格酒場が融合したメニュー構成です。
内観
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『さんたろう上野店』の内装をみていきましょう。
施工は近年携わっているチームによるもので、壁にはポップにアレンジされた日本風のデザインが施されています。内装のコンセプトは、従来の「銭湯モチーフ」からシフトし、華やかさや明るさ、居心地のバランスをとった絵柄としたといいます。
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ステーキとスパークリングワインを掲げつつも、店内のつくりは『ほていちゃん』とほぼ同じ。テーブル席で数人と賑やかに飲むか、カウンターの立ち飲みで手軽に一人の時間を楽しむか、シチュエーションにあわせて使い分けができます。
天羽からシャンパンまで
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天羽飲料製造(台東区)がつくる、見慣れないエキスを発見。
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「スパークリングワインが主役の店」と聞くと、自然とテンションが上がってくるのは筆者だけでしょうか。シャンパンに限らず、スパークリングワインはやっぱり特別なお酒のイメージがあります。
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冷蔵庫で冷やされた「泡」。立ち飲みでスプマンテやランブルスコなんて、最高じゃないですか。
それでも、やっぱり乾杯はいつものビール「サッポロラガー」
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スパークリングワインもあるし、赤星もある。ご自由にどうぞ。そんなスタンスが同店の魅力でしょう。
立ち飲み限定で提供されるサッポロラガー大瓶は410円ととってもリーズナブルです。それでは乾杯!
品書き
お酒のメニュー
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『ほていちゃん』シリーズはじまって以来、最大の新メニューラッシュです。
定番の生ビールはサッポロ黒ラベル中ジョッキ:473円、ハイボールはデュワーズ:363円。
泡ワイン(スパークリングワイン)は429円均一。基本の泡ワインはイタリアのスプマンテ・サンテロブラックブリュット。肉専用赤泡ワインはイタリアのランブルスコ・メディチ・エルメーテです。
スプマンテにフルーツビネガーをブレンドした6つのフルーツビネガーin泡ワインや、なんと天羽飲料製造(台東区)の天羽の梅A、レッドボール、ミントを入れたものも登場。台東区つながりで驚きの挑戦です。
国産ワインをソーダで割った、赤ワインサワー:363円、白ワインサワー:363円。宝酒造の甲類焼酎を使用したプレーンハイ:319円、ポッカサッポロのパンチレモンを隠し味にした生レモンサワー:396円、一部のファンが愛飲している豆乳ハイ:396円など。
甲類が宝酒造になったことも関係し、日本酒は同社の上撰松竹梅焙炒造り:429円が用意されています。
ほていちゃん系列最高値更新、スパークリングワインのボトル売り
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ボトルワインは、かなり本格的です。とくに、フランス シャンパーニュ地方のヴーヴ・ド・ノーザックは、泡ワインの王様・シャンパンですから、お値段も8,800円となかなか本格的。ほていちゃん系列最高値更新です。
スパークリングワインに限らず、白ワインの山梨 シャトー勝沼イマムラ甲州:2,500円や、赤ワインはアメリカ カリフォルニア ランチ32 カベルネソーヴィニヨン: 3,850円など、幅広い品ぞろえです。
料理のメニュー
ビーフステーキ登場、鉄板料理
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『さんたろう』1号店の成城学園前店とは異なるメニューが多数。特筆すべきは、税込550円からのビーフステーキの存在です。
チャックアイロールS(約100g):550円、W(約200g):990円、ゲタカルビS(約100g):715円、W(約200g):1,375円、ミスジS(約100g):869円、W(約200g):1,705円。
鉄板料理は、チキンステーキ:495円、ソーセージ焼4本:210円、鉄板にんにくバター炒め:110円など。
生パスタ(550円)は、塩こんぶナポリタン、海老グリーンクリームなど。
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煮込みはビーフシチュー:429円、ラムグリーンカレー:539円、チリコンカン:319円など。煮込みと看板にかかれていても、一般的な居酒屋の煮込みはほていちゃんと違って存在しません。
本まぐろぶつ:495円、ラムの生ハム:363円、白海老の姿盛り:429円、満足コロッケ:143円、白海老から揚げ:363円、ラムもやし炒め:319円などの酒場メニューも。
価格重視の料理と、新たに加わった満足料理が散りばめられた内容です。頼み方次第でお店のイメージはだいぶ異なりそうです。
メリハリつけて、お手頃贅沢気分
天羽のエキス3色!下町の泡ワイン
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天羽飲料製造といえば多くの老舗酒場や、最近はもつ焼きチェーンでもみかける謎のエキスです。本来は、かつて飲みにくいと言われていた甲類焼酎の味を和らげるためのシロップでした。これをスパークリングワインに入れるという判断は、かつて他のお店であったでしょうか。
さて、気になるその味ですが…。酒場に似合う美味しさでびっくり。色もキレイですし、エモい乾杯写真が撮れるかも?
酒場好きの筆者としては、天羽飲料製造の新作第二弾『レッドボール』が飲めたことが嬉しいです。(※新作第一弾はミント)
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日常的に居酒屋を利用しない人と一緒に来ても、この品揃えならカワイイと喜んでもらえそう!
税別ワンコインステーキ!チャックアイロール(550円)
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次々新メニューを追加するほていちゃん系列。毎回密着取材をしていますが、低価格であっても調理に裏技はなく、一品一品、普通の手順で丁寧に調理しているます。今回登場のステーキも同様です。
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熱々の鉄板皿に盛られたステーキ。約100gとはいえ、酒場のつまみとしては十分なボリュームだと思います。
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ソースは醤油オニオン、ガリバタトマト、ピンクペッパーソルト、デミバター、ネギ塩タレ、旨辛だれの6種類。筆者はガリバタトマトの爽やかな味わいが好みでした。※取材用の6種類揃えています。通常は1品1つを選びます。
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うんうん、ステーキです!これに、ランブルスコをぐっとあわせて。※フォークは撮影用。S(約100g)は箸で食べます。
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こちらは、ゲタカルビS(715円)。脂がのっていてビールや酎ハイを誘います。
鉄板アスパラベーコン焼(363円)
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ステーキに限らず、鉄板系料理は時間がたっても温かいですし、嬉しいですね!
たこのカルパッチョ(396円)
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マリネ風でさっぱり。スパークリングワインとの相性の良さをねらったような一品。
ロールキャベツ:286円
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煮込み系の中でもっと安価なロールキャベツ。ですが、ボリュームは他の煮込み料理と同じ。レンゲや箸で切り分けられる柔らかさは、サイドメニューの一品で埋もれてしまうのがもったいないくらいです。
自慢のビーフシチュー(429円)
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商品名に『自慢の』と入るビーフシチュー。食べてみると、なるほど確かに!柔らかくトロトロになた牛肉が、値段で想像する以上にごろごろと入っています。
炙り明太子(286円)
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ステーキやシチューの中にまざる、ほていちゃん的なつまみメニュー。
たこ焼き豆(209円)
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品書きに書かれた料理の説明文には「??? カリカリポリポリ」とだけ書かれた、不思議な豆菓子。
塩こんぶナポリタン
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〆にもおつまみにもなる生パスタ。成城学園前の『さんたろう』に続き、パスタ料理専用の厨房機器が導入されており、酒場ながら本格的なパスタが食べられます。平麺はソースや具をまとってお酒を進ませます。
大衆酒場のカクテルシリーズ
アペロールラズベリーとイタリアンアイスティー(各550円)
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イタリアのカンパリグループが製造するアペロールは、ビター系のアマーロ(リキュール)。アペリティフに由来する「アペロール」という名の通り食前酒です。それをポッカサッポロ社の割材でビルドしたもの。
もうひとつ、不思議なカクテル・イタリアンアイスティーは、ベースにほのかに甘いアーモンドのような印象のリキュール・アマレットを使用。それをキリンビバレッジの紅茶でビルドしたもの。
どちらも不思議なくらい飲み心地がよく、お代わりしすぎないように注意したいものです。※お酒は適量で。
カンパリ・ポン(550円)
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カンパリオレンジではなく、「カンパリ・ポン」の言葉の響きにこだわった!?というカクテル。えひめ飲料のポンジュースが割材になりました。
ジントニックは、なんとボンベイサファイア(550円)
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こちらは正統派。しかも、ベースのジンは、プレミアムなボンベイサファイアを使用しています。ライムもいれた、かなりしっかりとしたカクテル。それでも一杯550円です。
酒場好きは一周して、生レモンサワー(396円)
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いつもの美味しさ、生レモンサワー。
お酒も料理もかなり面白いものが多く、最近のほていちゃん系列とはだいぶ違った楽しみ方ができる『さんたろう上野店』。年末年始も休まず営業だそうで、アメ横の混雑を回避して、『さんたろう』式のスパークリングワインで新年をお祝いするのも楽しそうです。
ごちそうさま。
近くの系列店
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社フォートップス)
店名 | 街かど酒場 さんたろう 上野店 |
住所 | 東京都台東区上野7-3-9 アルベルゴ上野1F |
営業時間 | 14:00~22:30(基本無休) |
開業年 | 2021年12月29日 |