和歌山市『くろしお』市駅前の海鮮居酒屋、シラサエビ天と地酒を満喫

和歌山市『くろしお』市駅前の海鮮居酒屋、シラサエビ天と地酒を満喫

2021年7月23日

和歌山市駅前で地元の人達が集う酒場といえばここ、「くろしお」。イワシ料理が筆頭に、紀伊水道の海の幸を豊富に揃えています。カウンター席の一期一会の会話も楽しみの一つ。酒場に心を溶かす和歌山の夜を満喫しました。

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あえて、市駅まで飲みに行く

和歌山県の県庁所在地、人口35万人の和歌山市。大阪・天王寺駅からJR阪和線の特急列車で50分でアクセス可能と、大阪からかなり近い印象があるものの、街の雰囲気や食文化には大きな違いがみられます。

和歌山城を中心に、街の東西にJRと南海電車のそれぞれターミナル駅があり、この間に繁華街が広がっていました。JR和歌山駅、南海和歌山市駅の両駅の間は直線距離で約2.5kmと歩くにはやや距離があり、そこに飲み屋が点在しているため、ややハシゴ酒は苦労した記憶があります。

それでも、バスやタクシーで向かいたくなるお店があるのです。

市駅前の人気店といえばここ

南海電車のターミナル、和歌山市駅近くで人気の酒場といえば、近隣のお酒好きは口を揃えて「くろしお」と言うらしい。そんな評判を聞いていた上、仕事でお会いした酒造会社の製造部長も仕事帰りによく立ち寄っていると教えてくれました。

和歌山市駅前の「くろしお」は、典型的な地域密着の大衆居酒屋です。周囲のお店は現在はかなり少なくなっており、賑やかな飲み屋街のイメージとはかけ離れていますが、くろしおに近づくと賑やかな飲み屋の喧騒が聞こえてきます。

2020年初頭までは地元の人でも予約して飲みに行くような盛業店でした。いまは再び賑わいを取り戻しつつあります。間口に比べ奥が広く、長いカウンター席には常連さんたちが並んでいました。

程よい距離感でお客さんをもてなしてくれるご主人が立つカウンターへ。わずかな空席に滑り込み、まずは瓶ビール(中瓶530円)で乾杯。

品書き

飲み物

お酒は世界一統長久、ビールは樽生(530円)のアサヒスーパードライのほか、瓶などでキリン一番搾りサッポロ黒ラベルが用意されています。

和歌山県は梅の生産量が全国一位。和歌山のお酒といったらやはり梅酒ですね!

スタンダードな梅酒からカクテル梅酒までバラエティに富んだものまで、10種類以上が揃えられています。

日本酒の長久や梅酒の製造で知られる海南市の中野BC社(旧:中野酒造)は、ご当地チュウハイ(610円)も多数手がけているそうで、「くろしお」にも置いていました。柑橘類の生産地でもあるのでミカンやレモンはわかりますが、パインアメサワーとは驚き!

イワシ料理いろいろ

昨今の状況で多少メニューが縮小気味とのことですが、看板料理のいわし料理はこの通り、刺身、煮付け、塩焼きだけでなく、餃子や香梅揚げまで様々。300円台が中心で、安く美味しいイワシを色々食べ比べたくなります。

ホワイトボード

常連さんを虜にしているのは、きっとホワイトボードの膨大なご当地料理の数々でしょう。

魚介はハモ、ヒラメ、シマアジ、キンメ、カンパチ、タチウオ、アカイカ、とり貝、シロアマダイに真鯛とよりどりみどり。桃山ケンカ地鶏やみかん鳥、岩清水豚など、肉料理も一ひねりあって魅力的です。

ただ、値段がやや高くボリュームもあるので、いろいろ食べるならば数人で利用するのが良さそうです。

気になったら頼んで答え合わせ

突き出し

突き出しは日替わり。この日は山芋でした。

名物は意外にもポテトサラダ

まるでケーキのような形状をしたポテトサラダ。具材はきゅうりや人参ではなく、オリーブなどを入れたスペイン風の仕上がりになっています。

中心には黄身が入っており、パルメザンチーズなどをあわせていただきます。店のシチュエーションからは想像もつかない一品ですが、これはなかなか、アレンジ系ポテトサラダ好きとしては楽しめました。

シラサエビ天(990円)

関東ではあまり馴染みがないシラサエビ(ヨシエビ)。天ぷらやフライとして関西の居酒屋では並んでいます。車海老よりはやや小さいものの、味が濃く、揚げたてのプリプリとした食感も心地よいです。余韻のエビの風味は、お酒を誘います。

地元のお酒やチュウハイを飲みながら、土地の海産物に舌鼓をうつ夜。

お隣は単身赴任で10年近く和歌山にお住まいという方で、県外から見た和歌山の魅力をたくさん教わりました。ご主人の気さくな雰囲気もあって、このあと取材を忘れてすっかり遅くまで飲んでしまったのでした。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名居酒屋くろしお
住所和歌山県和歌山市杉ノ馬場1-42
営業時間営業時間
17:30~23:30
定休日
不定休