湧別町芭露(ばろう)出身の店主がサロマ湖の幸をこれでもかと楽しませてくれる「サロマ湖とばろう村」は、旭川駅から雪道で徒歩7分。メインの繁華街から少し離れて落ち着いた酒場が点在するサンロク街にある赤ちょうちんです。
旭川の飲み屋街は真冬ともなれば吹雪いていることもあり人通りがまばらなのですが、店に入ると驚くほど混んでいることがあります。ここ、「サロマ湖とばろう村」もそのひとつで、地元のノンベエに親しまれている老舗です。
サロマ湖という居酒屋とばろう村という店が一緒になって「サロマ湖とばろう村」というダブルネームになったそうです。サロマ湖といえば北海道オホーツク海岸の北見市、常呂郡佐呂間町、紋別郡湧別町にまたがる湖ですが、東京出身の筆者としてははるばる来たなーという気分。
名物の牡蠣やホタテを肴に旭川の「男山」をきゅっと飲みたい!
60過ぎの名物店主がいらっしゃい!と迎えてくれるカウンター。平日の18時にもかかわらず、テーブルはすでに満卓。奥の座敷も予約が入っているそうです。
ここどうぞ、店主の前のカウンター席に座らせてもらって、まずは生ビール。恵庭でつくられるサッポロ黒ラベル(550円)から始めましょう。乾杯!
お酒の品書きはビールより前に日本酒が書かれています。旭川生まれの上場企業、合同酒精株式会社がつくる焼酎ワリッカが店の焼酎です。ボトル1,800円、水割りは350円。乙類が並ぶ九州の居酒屋とは対称的に旭川は甲類が店の定番焼酎です。
食べものは、ホタテ、カキ、イカの3つが看板。ホタテの刺身や浜焼き、バター焼きは必ず食べたい一品です。ホタテのカレーライスやお茶漬けも気になります。
1900円で10~15個ほどはいった山盛りのガンガン焼きも秋から冬にかけての名物で、これを目当てに飲みに来る常連さんも多いそうです。
ホッケ、ししゃも、ぎんだらにつぼだいとオホーツクの幸がずらり。食べたいものばかりで一人飲みの辛さを噛み締めます(笑)
まずは北海しまえび(時価)から。予めボイルされたもので真っ赤にきれいな色をしています。殻ごと食べられ、甘く優しい味は日本酒を誘います。土地の味、オホーツク周辺の内湾でとれる海のルビーとも言われる贅沢品。
続いてホタテのバター焼き(650円)。お刺身、浜焼き、バター焼き用のホタテは共通で、カウンターの内側に山盛りになって積まれていて、目の前で殻をむいて、「これは美味しそうだ」なんて話をしてくれながら、ちゃちゃっと仕上げてくれます。身が分厚くぷりぷり、食べごたえ十分。
お酒は樽酒を。お酒造りの街・旭川は酒業関係者も多く、樽酒を愛する人も多いと聞きます。升の角に塩を載せ、きゅっと飲んでいい気分。そこへすかさず、イカゲソや自家製塩辛をちゅるりといけば、また次の一口が飲みたくなる。
外はダイヤモンドダストのように吹雪いているけれど、お店の中は別世界。お客さんや店主との会話も盛り上がり、人情にふれあい暖かい気分になりました。さて、もう一軒どこかありますか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ Special Thanks/サッポログループ)
サロマ湖とばろう村
0166-22-6426
北海道旭川市3条通6丁目右1
17:00~24:00(日定休)
予算3,000円