今回ご紹介する「酔っ手羽」は、山手線沿線を中心に十数軒の店舗を展開する手羽先が名物の大衆酒場。特長はなんといっても手軽さ・気軽さです。24時間営業、いつでも飲んでいけるオールタイムモーニングならぬ、いつでもアフター5な飲み屋です。
テイストは明るく遊びネタが満載で、20代・30代が一番しっくりくるような雰囲気。平成の大衆酒場。
老舗酒場の敷居の高さから、赤提灯のお店で飲むのは好きでもちょっと入りづらいという人や、瓶ビールともつ焼がある飲みの空間に憧れはあるけれど、友だちを連れてはいきにくい。かといって、大規模チェーンではいつもと同じ…そんなときにハマるお店ではないでしょうか。
店舗によって少しずつメニューに違いがありますが、せっかくですから恵比寿駅前にオープンしたての「酔っ手羽 恵比寿店」でその特長をみていきたいと思います。恵比寿駅西口から徒歩2分ほど。駅ビル・アトレ西館を経由すればJR恵比寿駅からほとんど屋外を歩かずにたどり着ける立地です。
洗練されすぎてなく、いくぶん属人性が感じられるのが嬉しいところ。テーブル席は4人から8人程度(それ以上も可能)まで幅広く組み合わせができ、一人飲み向けのカウンター席もあります。お通しはなく、ちょいと一杯・一品で済ますことも可能。
ビールは恵比寿だけに「ヱビス」で中ジョッキ490円(以下税抜)。なにはともあれ、美味しい一杯で乾杯です。
酎ハイがメインで、たこハイ(プレーン)が290円。中身はサッポロの氷彩サワーです。ホッピーやバイスなど酒場の基本がありつつも、個性的なレモンサワーも気になるものが用意されています。
日本酒は月替り。吟醸系や個性的な銘柄が並びます。
恵比寿という街は不思議なもので、アパレル業界で働くようなキラキラとした女性たちが当たり前のように毎晩バルや居酒屋に吸い込まれていく街。おしゃれに泡が飲みたい人も多いのではないでしょうか。”とりあえず泡”枠にホッピーが入っているあたり、最近はアイドルが「ホッピー好き」を公言する時代ですもんね。
看板料理は右上の手羽先。5本で390円とリーズナブル。焼鳥、揚げ物、刺身、24時間営業ということで定食も終日用意されています。
店長が築地に仕入れに行くそうで、手羽先のお店でありながらも海鮮がなかなかどうして、しっかりしています。初物のさんまも登場。店内には生け簀があり、ハマチや鯵が元気に泳いでいます。
一杯目は中ジョッキにしましたが、たくさんビールを飲みたい人にオススメは、なんといっても890円の男前ジョッキです。ヱビスビールをまるでバケツのような1L入る巨大ジョッキで飲めるのです。居酒屋さんでは、とにもかくにも最大サイズのビールを飲みたがる筆者ですが、1Lのヱビスがいつでもこの価格はもしかしたら最安かもしれません。
手羽先は肉に厚みのあるものをパリっと揚げて甘辛いタレに潜らせたもの。胡椒の味付けなど愛知の手羽先そのものです。リーズナブルでボリュームもあり、納得の看板料理です。
醤油につけない肉餃子。しっかり味がついています。生地に肉汁が染み込んでいてしっとりとした美味しさ。ビールや酎ハイは言うまでもなく進みます。
煮込みは味噌ベースでしっかり煮込まれたもの。根菜がたっぷり入る大衆酒場の基本形。派手さはないですが、こういうほっとする一皿があると箸休めになっていいんですよね。
老舗だけでなく、若い人が生み出した平成の大衆酒場でも大活躍の赤星ことサッポロラガー。大瓶で590円。
刺身は築地に買いに行き、焼鳥・やきとんは店内で串打ち。ほぼすべての料理が店内調理と手間を掛けている酔っ手羽。120円でこのサイズのねぎまが食べられるのですから、酒場ブーム万歳です。
せっかくなので最強レモンサワー(左)を頼んでみました。おお、レモンがまるごと一個入ったタイプです。飲み干したら、右のたこハイで注ぎ直してもう一杯。レモンサワー好きにはたまりません。
料理は190円から。手羽先も安くて、ラフに飲むならば昼酒でのんびり二千円でいい気分といった具合。しっかり飲むならば税込3000円で2時間飲み放題のコースがよさそう。色々な用途で気軽に使えるのが魅力です。恵比寿でまたひとつ、ふらっと飲めるレパートリーが増えました。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
大衆酒場 酔っ手羽 恵比寿店
050-3373-3947
東京都渋谷区恵比寿南1-7-3 1F
24時間営業(無休)
予算3,000円