質と盛りがいい。酒場を選ぶときの基準はやはりコレ。美味しい肴が山盛りでてくれば誰だって満足するものです。
今回は、そんな酒場に求める基準を完璧なまでに満たしている銘店を紹介します。武蔵小山にあるドスコイ酒場を名乗る「西海」です。武蔵小山の再開発がはじまるエリアから1ブロック離れたところにあり、変わりゆく武蔵小山にあってこれからも変わらず続いていく一軒です。
地元の人に愛され、界隈に暮らす人はもちろん、近くの企業の利用も多いそうで、「わるならハイサワー」でお馴染みの割り材メーカー博水社も職場の飲み会に毎回利用するお店だそうです。
元力士の大将がはじめた酒場で、やはり冬場はちゃんこ鍋が人気で大変賑わうお店。逆に夏場は落ち着きのある酒場として、ゆったりと飲みたい人に支持されています。
ビールはキリン一番搾りとラガー(中びんは500円)、日本酒の品揃えも豊富で飲んでみたくなる地酒が多い。ラインナップは昨今の話題系の銘柄ではなく、古くからの飲兵衛が愛する老舗ブランドが中心。
乾杯の一杯は、同じ武蔵小山にある老舗企業の博水社に敬意を表してハイサワーハイッピーからスタート。
乾杯!
ハイサワーハイッピーは、レモンやグレープフルーツ、青りんごなどのバリエーションを持つハイサワーブランドのノンアルビールテイスト飲料で、焼酎甲類とあわせてビール感覚で楽しむもの。レモンの酸味とさわやかな果実香があり、爽快感のある飲み物です。
プリン体ゼロなので健康が気になる人にオススメですし、カロリーが低いのでヘルシー志向の女性にも人気。というのは一般的なフレーズで、純粋に飲兵衛の私としてはこの独特な風味が癖になりまして、見つけると必ず飲む銘柄です。
お通しのもつ煮込みは塩味でしっかりとした味が一杯目のビールやサワー類と相性抜群。
すぐ出るメニューでオススメなのが、このドスQ(550円)。ボリューム満点、巨大なきゅうり1本に、ニンニク風味の特製味噌をつけていただきます。
魚にこだわる大将。築地から仕入れる海鮮はなかなかのもの。お刺身盛り合わせ(1,300円)にはトロ、ブリをはじめ7種が登場。切り口が立っているのが美しいです。
こちらは常連さんに支持されている人気メニューのドスコイ唐揚。甘からのタレと荒削りのごまをふりかけたもの。カリカリの皮とジューシーな鶏手羽の旨味が口の中で広がり実にいい気分。これはビールやサワー類(400円~)が進むこと間違いなし。
というわけで、もう一杯。さらにもう一杯と飲みが進みます。
一階は掘りごたつで、二階はお座敷もある。
大衆酒場のわさわさした空間ではなくて、落ち着いてお酒と肴が楽しめるゆとりあるお店。家族連れや仕事関係のちょっとした懇親会、ゆったりと飲みたいときに使うにはこういうお店を選びたいですね!
髷をゆった大将がかっこいい。 店内には名古屋場所の番付が配布されていたり、壁には力士の手形や相撲関係者などのサインも多く相撲好きにはたまらない雰囲気。武蔵川親方も最近飲みに来たそうで。
ゆったりと飲みたいときにオススメのお店です。お相撲を眺めながら夏ちゃんこ鍋なんていうのもおつな感じかも?
さて、場所は変わりましてお店の外へ。店頭では焼鳥・焼きとんをその場で楽しめる立ち飲みコーナーになっています。テイクアウトされる街の人も多く賑わっていまして、個々で飲むのがまた楽しい。
鰻の蒲焼きに使う通常の焼鳥串よりも長いボッカ串を使ったこちらのやきとりは1本140円。串打ちも店内でされているそうで、食べごたえ十分で質も良い串が楽しめます。
お酒は一番搾り缶ビール、缶酎ハイの提供で、アルコールの入ったハイサワー缶(200円)で乾杯!
一度素揚げしてから焼き上げる自家製のつくね。作る過程の手間も考えると、これが1本140円なのは安すぎるのでは?なんて思います。揚げたことで表面にサクっとした層ができて、なかはホクホクとしていて実に美味。
タン、砂肝、カシラなど部位はひと通りそろいます。
1本から飲めてハイサワー缶も200円とかなりの良心価格なので、千円以下でチョイ飲みしたい人はぜひ駅前だけでなくて足を運んでみて欲しいです。
奮発して牛ハラミ(380円)を最後の〆に。焼き鳥屋で修行したそうで、その腕は確か。店頭で立ち飲みで食べられるクオリティを超えている串が多く、近くに住んでいたら必ず立ち寄ってしまいそうです。
外の焼き台を担当するのは大将の息子さん。
店先の焼鳥は店内でも食べることができます。ちゃんこだけでなく、大衆酒場としても利用価値の高いお店「西海」。お近くならば飲みに行ってみてはいかがでしょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力 株式会社博水社)
ドスコイ酒場 西海
03-3781-2162
東京都品川区小山3-12-16
17:00~23:00
予算3,000円