新宿『オイスターバー築地三代』思い出横丁で牡蠣三昧!仲卸直営 プリップリの生牡蠣を堪能

新宿『オイスターバー築地三代』思い出横丁で牡蠣三昧!仲卸直営 プリップリの生牡蠣を堪能

新宿西口、戦後の闇市の名残を色濃く残す「思い出横丁」。もつ焼きの煙が立ち込め、赤提灯が揺れるこのカオスな飲み屋街に、実は知る人ぞ知る牡蠣の聖地があります。豊洲の仲卸直営『オイスターバー築地三代』です。かつての大衆食堂の面影を残すカウンターで、極上の生牡蠣をちゅるっと頬張る。これぞ都会の贅沢。昼下がりの新宿で、至福の時間を過ごしてきました。

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煙たい横丁で、まさかのオイスターバー

新宿駅西口からすぐ。外国人観光客も多く訪れるようになった思い出横丁は、いつ訪れても独特の活気に満ちています。細い路地を歩けば、焼き鳥や中華の香ばしい匂いが漂ってきますが、目指すのはその中にある一軒のオイスターバーです。

ガラガラと引き戸を開けると、そこは昭和の空気がそのまま残る空間。ここはもともと、60年以上続いた「やぶ天食堂」があった場所です。2017年、当時の雰囲気をそのままに、水産仲卸である「築地三代」が店を引き継ぎました。面白いのは、現在の店長さんが食堂時代の娘さん、つまり三代目だということ。築地三代との縁は、食堂時代に魚を仕入れていた取引先だったことから始まったそうです。

開業当初は刺身なども置いていましたが、現在は牡蠣一本勝負。牡蠣とビール、牡蠣と日本酒、そして牡蠣とウイスキーを楽しむ、潔い専門店になりました。

席はカウンターのみで、背中を通るのがやっとという狭さ。ですが、この距離感こそが横丁の醍醐味です。目の前のカウンター上には、かつてはお惣菜が並んでいたであろうスペースに、氷が敷き詰められ、立派な殻付き牡蠣が山のように積まれています。

サッポロ・ザ・パーフェクト黒ラベル:600円

まずは何をおいてもビールでしょう。「サッポロ・ザ・パーフェクト黒ラベル」を注文。サーバーの手入れが行き届いているのがわかる、きめ細やかな泡。丁寧に注がれた黄金色の液体が、乾いた喉を潤します。

ぷりぷりの生牡蠣を食べ比べ

主役の牡蠣は常時7種類ほど。北海道から九州まで、その時々で一番美味しい産地のものが揃います。仲卸直営だけあって、価格も良心的。2個で1,250円、単品なら550円から楽しめます。厚岸の漁協直売店ならいざ知らず、新宿のど真ん中でこれだけの種類を食べ比べられる店はそうありません。タイミングが良ければ、米国産の牡蠣に出会えることもあるそうです。

牡蠣セット:1,250円とお通し(300円程度)

どれにするか迷う時間も楽しいのですが、今回は岩手県産の「赤崎」と、大分県産の「ひがた美人」を選びました。注文が入ると、目の前で手際よく殻を剥いてくれます。剥きたての瑞々しい姿を見るだけで、お酒が進みそうです。

醤油も用意されていますが、まずはそのままで軽くレモンを搾っていただきます。

それでは、岩手の「赤崎」から。口に含むと、三陸の海そのもののような力強い塩味が広がります。身は引き締まっていて、後味はスッキリ。続いて大分の「ひがた美人」。こちらは打って変わって、濃厚な甘みが特徴です。トロトロとクリーミーで、舌の付け根をくすぐるような独特なコク。産地によってこれほど個性が違うのかと、改めて驚かされます。

北海道サロマ湖産生牡蠣:550円

エンジンがかかってきました。追加で北海道サロマ湖産を注文。こちらは汽水湖で育った牡蠣です。運ばれてきたのは、殻からはみ出んばかりの立派な身。口いっぱいに頬張ると、プリップリの弾力がたまりません。満足感がとてつもなくあります。

素焼き:700円

生牡蠣以外のおつまみは極限まで絞り込まれています。「素焼き」(700円)と「西京味噌バター焼き」(750円)の2種類のみ。素焼きをお願いすると、殻のまま焼かれた熱々の牡蠣が登場します。殻の中に溜まった熱々のスープ、これこそ最高の酒の肴。一滴も残さず飲み干せば、磯の香りが鼻腔を抜けていきます。

新宿の真ん中で、港町の気分に浸る

ふと見ると、カウンターの中では女将さんが冷たい水に手を浸し続け、次々と牡蠣を剥いています。真冬でも変わらないその姿には、頭が下がる思いです。

品書きには日本酒だけでなく、牡蠣に合うウイスキーもずらり。アイラモルトの「ボウモア」や、ニッカの「フロム・ザ・バレル」など、スモーキーな香りと潮の香りのマリアージュを楽しむのも乙なものです。

激狭のカウンターゆえ、長居は無用。美味しい牡蠣とお酒をさっと楽しみ、次の客に席を譲るのがこの店の流儀です。仕事帰りのソロ飲みや、飲み会前の0次会利用にもぴったり。牡蠣好きならば、一度は暖簾をくぐってほしい名店でした。

ごちそうさま。

店舗詳細

店名築地三代
住所東京都新宿区西新宿1丁目2−7 思い出横丁中通り
営業時間15時00分~21時00分
月定休
創業1949年創業のやぶ天食堂が由来
2017年に築地三代としてリニューアル