創業は1961年。 笹塚駅、東北沢駅、代々木上原駅が最寄り駅ですが、いずれの駅からも徒歩10分以上かかる住宅街に位置しています。駅前という立地ではないため、常連客の比率が非常に高く、焼鳥店でありながら魚介類から麺類まで幅広い料理を提供しており、飽きさせません。
家族で切り盛りする地元密着の名店
駅前や飲み屋街でもない住宅街にポツンとある老舗居酒屋は、名店であることが多いです。飛び込み客が続く駅前と違い、近隣住民に飽きられてしまうとお客さんが来なくなってしまうからというわかりやすい理由です。
地方都市ではほとんどなくなりましたが、まだ首都圏にはそういう店が残っていて、大変な人気店となっています。
世田谷区北沢の『やきとり井口』は京王線、井の頭線、小田急線と私鉄の大動脈に囲まれているものの、どの駅からもしっかり歩く位置にあります。
それでも開店の17時に合わせてドッと常連さんが集まり、あっという間に席が埋まります。近所に住んでいれば「じゃあ、下北沢か笹塚まで歩いてどこか行こう」となりますが、遠方から電車に乗って訪ねるときは振られたらショックは大きいです。予約を受けてくれますので、事前に問い合わせることをオススメします。
住宅街の細い路地に灯る赤い電照看板と、立派な大暖簾。酒場好きにはたまらない店構えです。入口側に焼鳥台があるので、道路にこうばしい串焼きの香りが漂っています。
店は奥へ細長く、入ってすぐは厨房と直線のカウンターで、店の奥は4人程度で利用できるテーブルが2卓並んだ小上がりという構造です。
店を切り盛りするのは、2代目と3代目。昔ながらの家族経営で、阿吽の呼吸でテキパキと調理・提供をこなしつつお客さんと笑顔で会話しています。これぞ、昭和酒場の光景そのもの。
品書き
お酒
- 樽生 アサヒスーパードライ:580円
- 瓶ビール アサヒスーパードライ大瓶:720円
- ジャンボハイ:700円
- しそハイ・お茶割り・チュウハイ・レモンサワーなど:400円
- お酒:450円
料理
- お刺身盛り合わせ:700円
- なめろう:550円
- 白レバ焼き(名物):380円
- 自家製チャーシュー:480円
- 豚のしょうが焼:550円
- ポテトマカロニサラダ:400円
- タンハツ炙り刺し:550円
- 豚ホホ肉のネギ醤油炒め:400円
- 井口特製醤油ラーメン・塩ラーメン・ざるラーメンほか:750円
定番料理
- 煮込み:480円
- ビーフン:650円
- とり唐みぞれ:600円
- レバ唐揚げ:500円
- ホルモン炒め:550円
- オムライス:700円
初代考案のにんにくタレと二代目による白レバ
ビールは長年アサヒビール。樽生、瓶ともにアサヒスーパードライです。トクトクとタンブラーを満たして、では乾杯!
こちらはお茶割り。常連さんのオーダー率が高い『やきとり井口』で人気のチュウハイです。
しそハイはバイスをイメージするかもしれませんが、水割りに梅干し用のシソをいれたもの。ほんのり甘く感じます。
続いて料理をご紹介します。典型的な焼鳥店よりも品数が多く、長い歴史の中で、世代交代や常連さんの希望を反映しつつ少しずつ追加されてきたのでしょう。刺身もあれば、オムライスや中華丼まであります。
まずは刺身盛り合わせから。2切れずつ4種類、一人でも色々食べられるボリュームに優しさを感じます。
ところで、店名は『やきとり井口』と”焼鳥”をひらがなで書いています。何度かご紹介していますが、老舗の焼鳥店はひらがなで書いている場合は豚モツというパターンが多く、ご多分に漏れず、こちらも豚モツがメインです。
さて、この店の特長はなんといっても「タレ」にあります。初代が考案したという、甘さ控えめでコク強めのニンニクダレは、適度なとろみがあり、肉の旨味を最大限に引き立てています。
こちらは2代目が考えた白レバーです。一般的なレバー串とは違い、台湾料理の腸詰めのようになっています。薄い豚の脂身のような表面を噛むと、中からじゅわっと肉汁とプリプリとしたレバーが口の中へ広がります。これは確かにクセになる!
「自家製」の文字を見つけたら頼まずにはいられません。それがチャーシューならば尚更です。長年、豚の様々な部位を扱ってきた店だからこその、中華店のソレとはまた違ったモツ焼き風です。トロっとしています。
トロっとしているといえば、もっとトロトロなのが茹でタン。シンプルな煮込みもよいですが、黒胡椒とわさびで食べるこのタンもあとひく美味しさです。
ごちそうさま
お店の皆さんも常連さんも世代を超えて守り、通い続けてきた街の”居場所”です。山手側のもつ焼きの老舗、街歩きを楽しみながら訪ねてみてはいかがでしょう。
店名 | 井口 焼鳥店(やきとり井口) |
住所 | 東京都世田谷区北沢5-20-11 メイゾン井口 1F |
営業時間 | 火・水・木・金・土・日 17:00 – 23:00 L.O. 22:50 月 定休日 |
創業 | 1961年 |