【閉業】新橋「羅生門」 飲み屋街ならではの光景は昭和の薫り

【閉業】新橋「羅生門」 飲み屋街ならではの光景は昭和の薫り

2014年10月9日

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おそらく日本の鉄道において最も行き交う列車の本数が高いと思う新橋のガード。
東京のごく一部にしか現存しないレンガアーチの高架橋は、はるか昔、100年前を感じさせてくれるものです。上は鉄道、下は飲み屋として使われ続けて今も現役というのはなんともすごいものです。

関東大震災も戦火も乗り越え、いまもここで多くの人達の憩いの空間として存在する。なんと素敵なことでしょう。

 

え、酒場サイトぽくないですか?
では、乾杯のポータルサイトSyupoらしく、話を戻していきましよう。

新橋にはたくさんのもつ焼屋さんがあり、その多くは戦後の混乱期に闇市と一緒に誕生しました。
闇市は、新宿では思い出横丁として姿を残し、新橋は都主導の再開発が行われ新橋駅前ビルとニュー新橋ビルへと姿を変えました。

変わらず残ったのは国電の高架下でしたが、場所を貸していただけの国鉄から、デベロッパーとしての民間JRへと大家さんも変わっていき、だいぶ整理されてしまいました。今も残るコテコテのもつ焼き・やきとり酒場は数えるほどに。

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ここ羅生門はそんな数少ない酒場のひとつです。昭和22年の創業です。
赤レンガアーチの中にあるため天井は平らではなく、端によるほど低くなっています。

コの字カウンターと一部テーブル席という構造で、いつもお客さんで溢れかえっている賑やかな空間。

焼き台では大ぶりの串が待ったなしに焼かれていきます。それを嬉しそうに眺めるカウンターのお客さん。やきとり屋はこうでなくっちゃ。

日本酒、焼酎、ビールがあり、チューハイは驚きの缶酎ハイがそのままでてきます。
ビールはサッポロ。どっしりとした構えの黒ラベル大びんがとても良く似合うでしょ。

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まずは煮込みやお漬物といって、気分によってはマグロのお刺身なんかを頼むもよし。
枡に入って登場する日本酒を水飲み鳥のようにいただきながら。

そして、メインの焼き鳥への気分を高めていきます。

さて、ここでオススメしたいのはスナギモです。大きい砂肝は固そうだなと思いますが、ここのは柔らかく美味。お酒が進みます。

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定番のねぎまはやはりタレで。脂ののった鶏肉でとてもジューシー。
この旨味がビールととても良くあいます。おおぶりなので食べごたえがありますが、一人で2本はペロリといけるでしょう。

お客さんは場所柄スーツの人がほとんど。OL二人組も結構見かけますが、時代は変わりましたねー。

価格設定は新橋ということでさほど安いということはないのですが、この空間はやはり味わっておいて損はないと思います。
もくもくと狼煙のように上がる煙を眺めつつ、大びんは空っぽになっていきました。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見なゆ)

羅生門
03-3591-7539
東京都港区新橋1-13-8
平日の夜開いています
予算2,500円