西小山駅から徒歩1分の場所にある『八十八』(やそはち)は建物こそ新しいですが、創業から半世紀近い酒場です。看板メニューは全国から集めた地魚たち。一人飲みに嬉しい「刺身ちょい盛り」もあります。
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店は変わっても、アットホームな雰囲気はかわらない
西小山で魚の美味しい居酒屋といえば、1975年から続く『八十八』です。現在の店舗は2022年12月に建て替え再オープンしたもので、パッと見たところいぶし銀の酒場という雰囲気はありません。ですがよく見てくだい。少し色褪せた暖簾を。そう、この暖簾は以前の店頭に掲げられていたものです。
建て替わってもこうした小物やカウンターの板などから以前の面影が感じられるのは素晴らしいこと。週末でもない普通の日に伺いましたが、この日もテーブルひとつを残して満席状態。地元の家族連れで大いに賑わっていました。
そんな空いている1テーブルに滑り込み、ホッと一安心。初代と二代目、2世帯で切り盛りされており、皆さん温かく迎えてくれます。店名の由来は、料理人一筋の初代が修行の後『八十八』を開業する際応援してくれた方のお名前とのこと。
店の売りは、釣り好き親子が仕入れる魚介類。このあたりで魚をつまむなら『八十八』と言われるほど魚種が充実しています。
品書き
お酒
- 生ビール キリン一番搾り:550円
- 瓶ビール キリンラガー大瓶:750円
- レモンハイ・バイス・紅茶ハイ・角ハイボール:各500円
- 高清水 1合:480円
- 高清水 300ml:900円
黒板メニュー
- 刺身4品盛:1,380円
- 刺身ちょい盛:750円
- マグロ青唐醤油漬:850円
- 生本マグロ:中トロ1,000円・赤身900円・ミックス900円
- ブリ刺・ブリなめろう(鹿児島):800円
- 真鯛刺・真鯛なめろう(愛媛):700円
- つぶ貝刺:750円
- カツオ刺・タタキ・なめろう:800円
- 新さんま刺、塩焼、ナメロウ:900円
- 生カキ・焼カキ(岩手):500円
- タコとズッキーニの塩昆布炒:900円
- 豚ヒレカツ串:350円
料理
- チーズオムレツ:500円
- いわし梅肉ささみ揚げ:650円
- 鳥ナンコツの唐揚げ:550円
- 牛ハツ刺:780円
まずは刺身ちょい盛から始めたい!
キリン一番搾り生ビール(550円)
魚好きの筆者は、さっきからあれもこれも食べたいとソワソワ。「秋刀魚のなめろうもいいなー」などと考えつつ、まずは落ち着くために一杯目をいただきましょう。『八十八』のビールは昔からキリン一番搾りです。それでは乾杯!
お通し
お通しは細いもずく。味付けはお店のオリジナルのようで酸味控えめで実にいい味です。
刺身ちょい盛(750円)
『八十八』に来たら、まずはこれ。ちょい盛りは一人でつまむのにちょうどいいボリュームです。お店自慢のマグロ赤身ブツと、鹿児島のブリ、愛媛の真鯛という内容。仕入れ次第で変わりますが、こうしてチョイチョイとつまめるのは嬉しいです。
高清水 生貯蔵酒300ml(900円)
美味しい刺身を前にすると、欲しくなるのが日本酒です。定番酒が秋田酒類の高清水なのは、初代の故郷の関係だそうな。キレのいい生貯蔵酒をちびりと含んで頬を緩ませていると、メインの塩麹焼きが運ばれてきました。
鯛カブト塩こうじ焼(500円)
今日の主役は、真鯛のかぶと焼き。
普通のかぶと塩焼きやかぶと煮も大好物ですが、塩麹と聞けば食べずにはいられません。麹が生み出す旨味、甘味がたまりません。適度に引き締まっているのに口に含むとホロホロと溶け広がるこの美味しさ。あぁ、高清水一本では足りなくなりそうです。
春巻き風ササミチーズ揚(650円)
ちょっとした創作料理も魅力的です。こちらはささみチーズですが、タコとズッキーニの塩昆布炒めやいわし梅肉挟み揚げといったお店オリジナルメニューも常連さんの間で人気です。
ごちそうさま
再開発が続き店の顔ぶれが変化した西小山で、建て替わっても昔のままの酒場が続いているのはとても嬉しいことです。むしろ建て替えもあってお客さんの世代交代が進み、次の半世紀に繋がっていきそうな期待も感じられます。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 八十八(やそはち) |
住所 | 東京都品川区小山6-2-3 コンセール小山 1F |
営業時間 | 営業時間 16:30~24:00 [土・日] 16:00~ 日曜営業 定休日 月曜日 |
創業 | 1975年 |