今日は大田区は石川台の希望が丘商店街にある角打ち「伊勢屋 BAR ISEYA」をご紹介します。
五反田から旗の台、雪が谷、池上を経由し蒲田まで結ぶ東急池上線。JR山手線の駅に接続していながら、3両の小さな電車がコトコトと走ります。石川台駅はそんな池上線のほぼ中間に位置します。
近くには歌川広重の名所江戸百景にも描かれた洗足池や、大田区を東西に流れる呑川があるなど、ベッドタウンの中にありながら街歩きが楽しいエリアです。そして、散歩の合間にはお昼からやっている角打ちが嬉しい存在です。
ナイター設備も完備するグランドをもつ東調布公園や、近くには銭湯ファンが遠方から訪れるというレトロな銭湯があります。
大田区の川といえば多摩川が何より有名ですが、穏やかに流れる呑川も風情があって好きです。暗渠で流れてきた水は大岡山付近で顔をだし、羽田まで続いています。近隣には意外と老舗の酒場が多いです。
さてさて、水の話が続きましたが、眺める水のあとは美味しいお水を。目指す伊勢屋は石川台希望が丘商店街の中にある、老舗の酒販店です。
創業は1世紀前の1917年。建物は新しく、一時期はコンビニエンスストアとして営業されていたこともあり、開放的で入りやすい店構えです。
店頭敷地内にはテラス席が用意されていて、近隣の愛犬家が犬の散歩ついでに夕暮れのワインを楽しまれていました。
立ち飲みではなく、立派なイートインコーナーといったところ。
常連のお父さんはカウンターに座り、湯上がりの生ビール中です。
なにはともあれ、ビールから。よく歩いたあとのビールは格別です。それがアサヒプレミアム生ビール熟撰という特別なビールならなおさら。樽冷サーバーから注がれた一杯(中430円)をもって、では乾杯。
お酒は生ビールだけでなく一杯売りが充実しています。売り切りで変わる日本酒(390円~)や、ワインの専門資格を持ったオーナーさんが提供するこだわりのワイン(350円~)が揃います。酎ハイは340円、大田区羽田うまれのバイスを使った「大田区サワーバイス」(370円)も、ご当地だけに飲んでおきたいところ。
小売のお酒は店内飲み(持ち込み代 ※抜栓料)550円を支払うことで飲めます。
アサヒの熟撰のほかに、キリンのタップマルシェも導入されています。
気軽さ、こだわりの銘柄がお値打ちで種類豊富、この2つの特徴に加え、伊勢屋は食事メニューの充実ぶりも特色でしょう。ピクルスやイカ一夜干しのような角打ちのスタンダードな料理から、ハモンセラーノやチキンナゲット、そして食事メニューにはビーフカレーやパスタ、リゾットまで揃っています。ドリアやピザなども含め、食事メニューは800円前後と手頃です。
もし筆者が近所に暮らしていたならば、お昼は入り浸ってお酒片手にブランチになっていたことでしょう。
小売を利用されていくご近所の方が度々来店されます。ボジョレーヌーボー解禁日はご近所さんが集まってイベントを開くような、地域密着の人気店です。
取材時のグラス売りのお酒はこのとおり。
日本酒はえびす寿純米吟醸(山形・若乃井酒造)、勢正宗 純米(長野・丸世酒造店)、藤娘 純米吟醸(高知・藤娘酒造)など。酒精強化ワイン「マデイラワイン」が4種類も選べることに驚きます。ワインはフルボディ・ミディアムボディ、赤白、国産などバランス良く。
コート・デュ・ローヌ(530円)とチーズ3種類(360円)で、夕涼みののんびりタイムを楽しみます。角打ちですが、バル感覚でフードを頼むもよし、こうして軽くチーズを摘みつつのんびりするもよし。用途様々、自由度の高さも魅力です。
なにか気になるお酒はみつかるでしょうか。家飲み用のお酒も補充して…と。角打ちで、小一時間のリフレッシュでした。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
伊勢屋 BAR ISEYA
03-3729-1484
東京都大田区東雪谷3-27-1
11:00~24:00(水定休)
予算1,500円