烏丸御池「すし善」 遅めの朝ごはんは、三条新町でちらし摘みに桃の滴

烏丸御池「すし善」 遅めの朝ごはんは、三条新町でちらし摘みに桃の滴

京都は美食天国です。料亭、割烹にかぎらず、大衆的な寿司や中華、食堂や酒場も充実しています。お昼から飲む場所にも困らない京都は、毎度お昼酒の場所に悩みます。だって、選び放題、行きたいお店ばかりなのですから。今回は錦糸卵に覆われたちらしが名物の「すし善」で一献を楽しみます。

町家が多い室町三条界隈にある「すし善」は、四条烏丸、烏丸御池といったビジネス・商業エリアからわずかしか離れていないにもかかわらず、昔ながらの町家が多く残り、悠久の京都を感じることができる場所です。ここに暖簾を掲げるすし善。早速暖簾をくぐりましょう。

 

営業時間は朝10時から夜の8時までと、早い時間から通しで暖簾がでるお店。昼食を兼ねた遅めの朝ごはんにも最適です。

 

ご家族経営で家庭的な雰囲気ですが、京都らしい上品さもあり、心地よい空気に包まれます。板場に向いた一枚板のカウンターと半個室の小さな店内。一人、二人での利用がちょうどよく、カウンターに腰掛ければ職人さんの仕事を眺められ退屈することはありません。

まずはビールといきたいところですが寿司の香りに誘われて、一杯目は伏見・松本酒造の特別純米「桃の滴」(1,100円)を注文。伏見桃山を訪ねた松尾芭蕉が詠んだ俳句が由来のお酒で、京都の和食店ではおなじみの銘柄です。

では、乾杯。

 

お酒を頼むと添えられる肴。うにくらげをちびりとなめながら、きゅっとひとくち。

 

しばらくして、ちらし(1,250円)が運ばれました。ふわふわの錦糸卵で全体を覆った美しい盛り付けは、魚が乾くことを防ぐため。

 

1cm以上ある錦糸卵の層をかきわけると、驚くほどたくさんの魚介類が現れます。漬けになったまぐろやタイ、穴子などが酢飯を覆い、卵、具材、酢飯の比率は”1:1:1″ほど。そのため味わいが複雑で、お酒の肴としても素晴らしいバランスです。

 

樽生ビールの取り扱いはなく、ビールはアサヒスーパードライ中びん(600円)のみ。観光で訪れた方はあまり飲まれていませんでしたが、近隣の方はお店の皆さんとちょっとしたお話をしながら、ビールとお寿司を楽しむ日常を過ごされていました。

アクセスが良く、営業時間も長い。そしてなにより手頃な価格でしっかり美味しいものが食べられるのが魅力のすし善です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

すし善
075-221-3848
京都府京都市中京区三条通新町東入ル衣棚町41-2
10:00~20:00(土定休)
予算2,500円