マカオ「マカオソウル」 世界を旅するマダムが提案する完璧なポートワイン

マカオ「マカオソウル」 世界を旅するマダムが提案する完璧なポートワイン

2019年11月29日

CNNが選ぶアジアで最高のポルトガルワインラウンジに選ばれた、マカオのMacauSoul (澳感廊)。最高のポートワインを飲んでみたい!ポルトガルは遠いけどマカオならばなんとか…ということで、香港から船とバスを乗り継いでやってきました。

石畳の小道とパステルカラーの欧風建築が立ち並ぶマカオ旧市街にあり、アジアに居ながら景色はヨーロッパ。そこに漢字をはじめ中国系文化が入り交じり、この光景は歴史、文化、様々な背景を感じさせ非常に魅力があります。

 

東洋一美しい教会と称された聖ポール天主堂。ファサードしか残されていないものの、その美しさは普遍で、町のシンボルとして守られ、世界遺産にも登録されています。目指すマカオソウルはここから徒歩5分ほど。マカオは世田谷区の半分ほどの大きさで、十分に徒歩で名所やレストランを巡れます。

 

マカオソウルは、そんな旧市街に溶け込む素敵なポルトガルワインをメインとしたワインショップ。かつてポルトガル領だったマカオならではのお店です。

 

出迎えてくれるマダムは大変に上品な方で、イギリスの出身。物腰のやわらかな丁寧な英語が印象に残っています。

CNNのインタビューでは、「1960年代に香港に移住して、休日にはマカオの独特な世界に魅了され通ったが、午後にドリンクを楽しむ場所の選択肢が少なかった」と話し、退職を機にご夫婦でポルトガルワインのお店を開いたそうです。

 

開業は2008年のこと。ラウンジで提供されるワインだけでも100種類を越えています。日常的に飲める手頃な価格のワインから、ポルトガルでも選ばれたレストランでしか提供されないような希少な銘柄まで幅広く扱っています。

ちょっとした辞書レベルの分厚い品書きに圧倒されるも、マダムの人柄とマカオという町そのものに流れるゆったりとした時の流れの中で、ゆっくりと丁寧に解説を読みながらページをめくりたくなります。物語を読むように。

 

サイズも様々で、フルボトルにマグナムボトル、飲みきりにも丁度いいハーフボトルと豊富です。一人でふらりと立ち寄りましたが、ハーフボトルは丁度いい量です。

マダムのおすすめから選んだワインは、Niepoortのトウニー ポート10年。ポート&ドウロで1世紀以上続く家族経営のワインブルワリーで作られたポートワインです。

オレンジなどの柑橘系の香りとカラメルや蜂蜜のようなニュアンスの香りが長く余韻となる大変に美味しいワイン。

 

いくつかのキッチン料理もありますが、角打ちのように簡単なおつまみでワインを楽しむのが明るい時間の楽しみ方。フレッシュなオリーブのピクルスなどを用意していただきました。

 

このようなショップは大変高価なイメージがありますが、ふらりと立ち寄って軽くハーフボトルで一杯飲んでいくには無理のない値段です。

観光客の多いマカオ旧市街の賑わいから離れ、穏やかにポルトガルワインを傾けながら、その地の歴史に思いを馳せるのもよいものです。

ご夫婦で営業されている「マカオソウル」。ときどき長い休暇をとられ、世界各地を旅し、その土地土地のお酒や料理、文化にふれるのがお好きなのだそう。このあと京都の話で盛り上がりました。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

MacauSoul – wine lounge (Alma de Macau – Bar de Vinhos)
澳感廊
macausoul.com
31A R. de São Paulo, マカオ
+853 2836 5182
15:00~24:00(日は22:00まで・月火定休)
予算HK$150