住みたい街ランキング上位でお馴染みの吉祥寺。雑貨や古着、アンティークショップが並ぶ南口や、おしゃれなカフェや人情たっぷりの商店が並ぶアーケードが街のイメージですが、実はこの街、お酒がものすごく充実しています。
闇市由来の横丁はもちろん定番で、半世紀続くザ・大衆酒場や、老舗のやきとり・もつ焼き屋、新進気鋭のビストロまで何でもござれ。せんべろからデート飲みまで期待に答えてくれる酒場タウンです。
そんな吉祥寺に、下町の人気低価格チェーン「ほていちゃん」が進出。2017年、新小岩北口から開業し、これまで上野、浜松町で合計5店舗を展開していました。そんな下町のほていちゃんの6店舗目が、ついにベッドタウン・中央線沿線への出店です。
JR・京王吉祥寺駅の南口は、昔からの細い路地に路線バスが行き交う商店街。ほていちゃん吉祥寺店はこの道沿いです。
入口に近い場所にカウンター。奥にテーブル席という配置です。
低価格帯ながら、テーブル同士の距離がほどよく離れていて窮屈感はありません。グループでも利用しやすいボックス席あり。
総席数92。
地階もあって、お店はかなり広めです。居抜きのため他のほていちゃんにはない不思議な装飾がありますが、それも含めて全体的に楽しい印象です。
ほていちゃんは、立ち飲みと着席のハイブリッド型。立ち飲みコーナーは全品10%引き。さらに立ち飲み限定でサッポロラガー(赤星)の、なんと大瓶が410円(以下税別)という衝撃プライス。
立ち飲みの手軽さが際立っていますが、着席しても予算は1,800円ほどで十分に楽しめます。
実はほていちゃん。東京下町を中心で展開している北海道らーめんチェーン「ひむろ」の姉妹店。ビールがサッポロ。そして看板料理に餃子などがあるのも納得です。赤星はドブ漬けで冷やすのがほていちゃんのこだわり。
定番メニューは基本的に他店とほぼ同じ(税別)。
定番メニューに加えて魅力的なのは差し込みの料理たち。旬のものが入ることもあって、頻繁に通う人を飽きさせません。吉祥寺店限定で、若者の胃袋満たすボリューム料理も登場です。
酎ハイのベースは群馬にあるサッポロ群馬工場でつくられる甲類サッポロ焼酎。個性的な酎ハイも研究熱心で、日々飲み歩いている筆者もほていちゃんには気になる飲み物がいっぱいです。
豆乳割りは筆者の好物ですが、ここには夕張メロン(左)とバナナ(右)の2種類のオリジナル豆乳ハイがあります。少し甘めでデザート感覚。夕張メロンは確かにメロン味。バナナも懐かしいバナナジュースの味で、たとえ二軒目でもここれを飲めばピッチ復活かも?
※飲酒は適量で。
ここからはちょっとマニアックな視点でご紹介。酎ハイは、店で炭酸ガスを加えてつくるニットクのマルチディスペンサーからつくります。ウイスキーはバカルディ社が扱う定番スコッチ・デュワーズです。
小鉢系のおつまみは、すぐに提供できるよう冷蔵ショーケースに準備。お通し・チャージのないお店ですから、すぐでる一皿はいかが。
お店は井の頭公園がある反対側のバス通りまで抜けています。裏側からも入り口あり。
楽しいほていちゃんグッズ。スタンプラリーでたまったスタンプに応じて貰えるカードや、来店記念の特別なシールなど、揃っています。
シールに書かれた右上の数字は店舗番号。吉祥寺店は「6」(6番目の店舗)です。全店巡ると「0」と書かれた特別なシールがもらえます。なんだか童心に帰りませんか。セーラームーングッズとかビックリマンとか。あ、歳が…
特別なルートができて実現した超お値打ち品!とほていちゃんの中の人もイチオシ「本マグロぶつ」。こんな脂ののった本マグロが380円とは、恐れ入ります。
黒豚シューマイ5個(280円)もなかなか。餃子焼き用の鉄板で調理する「焼焼売」です。柔らかくてジューシー。
ほていちゃん各店は、唐揚げはチューリップ揚げですが、こちらはバッファローウィング・ソースを使ったピリ辛の「赤カラ鶏からあげ4個」(280円)です。
結構辛めでマヨネーズをつけて味を整えて。
飲食店が多くとも、土曜日曜祝日は多くの観光客や買い物客で賑わう吉祥寺。明るく手ごろで入りやすい、ほていちゃんのようなお店のニーズはまだまだ多そうです。
ほていちゃんの店名の由来はあまり明かされていませんが、姉妹店が「ひむろ」なので、「ほてい」と結びつく…という説明でおわかりいただけますでしょうか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ほていちゃん吉祥寺店
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-5-4 大庄吉祥寺ビル1F
14:00〜24:00(基本無休)
予算1,800円