北松戸「た古八」 競輪と工場の街に灯る大箱赤ちょうちん

北松戸「た古八」 競輪と工場の街に灯る大箱赤ちょうちん

2019年5月24日

松戸競輪場の最寄り駅として知られるJR北松戸駅。おとなり松戸駅が千葉・茨城県内の常磐線において柏の次に乗降客数が巨大駅なのに対し、こちらはだいぶ落ち着いたムードがあります。

周辺には競輪だけでなく、食品会社などの工場が立ち並ぶ工業地帯も隣接していて、酒類大手のオエノン(合同酒精)東京工場も駅からすぐの場所です。

この街は、そんな背景からか宴会利用が中心のチェーン居酒屋が豊富です。対して個人店はすくなく、一人、二人で飲むならば選択肢は限られてしまいます。その中にあって、創業から38年となる「た古八」は実にありがたい存在です。

橋上駅舎でシンプルな構造の北松戸駅。近隣は宅地化が進み、マンションや住宅が建ち並びます。

駅の東側はとくにマンションが多く、夕暮れになると家路を急ぐ人の流れができます。

対する西側は仕事帰りの人々が駅へと向かいます。この通りは、競輪開催日になるとまた違った賑わいがうまれます。

目指す「た古八」は、そんな西側の駅前にあります。赤い看板と提灯は電車からも確認することができます。

個人経営の大箱酒場は、なんといっても、このゆったりとした雰囲気が嬉しいポイント。昭和テイストでどこか懐かしい飲み屋の雰囲気です。いつも仕事帰りに集まるメンバーの皆さんが、日常の乾杯を楽しんでいらっしゃいます。

テーブル席だけでなく、小上がりから一人用のカウンターまで用途色々。

さぁ、さっそく生ビール(サッポロ黒ラベル・520円)創業時から大切に使っているという赤い星印のレトロなジョッキはキンキンに冷やされています。ふわっとした泡が実に美味しそうですね。では乾杯!

今日のお通しはきんぴらと、自家製のお漬物。お通しは2つ揃って200円です。このお漬物が美味しくて、料理ができるまでの間をつないでくれるのに十分。

ご主人が立つ板場に向いたカウンターから眺める品書きの数々。こんな雰囲気ならば、仕事帰りなどにちょっと一杯寄っていこうと思えます。刺身盛り合わせ920円、ブリ(季節もの・480円)、真ごち刺し(500円)など。

やきとん・やきとりは1本から頼めて130円~、串かつ(170円)など揚げ物もあります。

大衆酒場の定番料理が一通り揃いっています。300円から500円ほどの価格帯が中心の料理と、290円からのお酒(松竹梅豪快)や酎ハイ(310円)を合わせればなるほど普段遣いなわけです。

また、月替りで200円のサービスメニューを用意していたり、毎週水曜日の17時から19時は二杯目無料など、良心的なサービスも用意されています。

ポテトサラダ(360円)を追加し、のんびり大箱酒場で自分時間に浸ります。大きいお店でぼーっと何も考えずにお酒を飲むのって、たまにやりたくなりませんか。

ビールをお代わりしつつ、メインに頼んだのはメゴチと野菜の天ぷら(530円)。

かりっと揚がったサクサクの衣でたっぷり盛り付けられた天ぷら。

コチはクセがなく甘く優しい脂の旨味です。

地元にお住まいの皆さんや仕事帰りの人々で賑わう店内。気軽にラフに、ぶらっと立ち寄ってみませんか。個人経営でがんばっていらっしゃる、老舗大箱ならでは安心感があります。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

た古八
047-361-4441
千葉県松戸市上本郷858-2
17:00~23:00(日祝定休)
予算2,000円