浦和と大宮、飲むならどっち?
繁華街の大きさは大宮に軍配があがります。これは地名の由来になった武蔵一宮氷川神社の門前町だったことが大きいでしょう。変わって浦和はご存知、埼玉県庁を始めとした埼玉県の行政機関の中枢が置かれています。昔から、飲み屋は県庁の裏にあると言いますから、浦和も密度は相当濃いです。
私はどっちと言わずに、両方の街をハシゴしたいところ。だって、県庁所在地の雰囲気を感じる街が2つもあるのですから、これはとっても贅沢です。
さて、浦和は昔からの横丁や老舗の酒場が今も地域に根づき賑わっていますが、新進気鋭もなかなか個性的。たとえば「とりあじ」は、2018年10月で4年目を迎えた親子で切り盛りするアットホームな立ち飲みです。
駅近くのイトーヨーカドーと道を挟んでお向かいという場所にあり、お客さんにはスーパーで買い物をした帰りに立ち寄る主婦・主夫の姿もあります。野球帽が似合うベテランさんから会社員風の先輩方に若い人たちと、老若男女が楽しく過ごす場所です。
お客さん同士の会話は、一見さんや常連さん関係なく、隣り合ったら始まるようなラフな雰囲気。「ひとりあじ」という店名ながら、気づけば隣同士で「ふたりあじ」、隣の人と料理のおすそ分けなんかも普通の光景です。
まずはビールでスタート。樽生も瓶(中びん450円)もアサヒスーパードライです。中生(400円・修正しました)をもらって、はい乾杯。
お隣さんも、はい乾杯!
酎ハイ類は350円、ブラックニッカハイボールが350円、メガジョッキも用意されています。数人であればキンミヤ焼酎のボトル(1,500円)を入れて、ホッピーや炭酸で割って飲むのがアルコール単価は安いでしょう。10本キンミヤを空けると1本サービスしてくれる太っ腹なシステムも魅力。
お隣さんからチーズフライのお裾分けをもらって飲んでいたら、あっという間に二杯目。主なメニューは、150円の冷奴、コロッケ、200円の究極の焼きそばにマカロニサラダ、250円で春巻きやニラ玉、300円でおつまみ盛り合わせやウインナー炒めなど。一番高級で500円の生ハムとサラミの盛り合わせという本格的な”シャルキュトリー”です。
チキンカツやローストポークなど、ホワイトボードに日替わりメニューが10種類ほど加わります。
お惣菜を買って飲むよりも、一人できてもみんなと話せる「ひとりあじ」のほうが楽しいよ、というベテランのお姉さんの言葉の通り、明るくワイワイした雰囲気が料理を一層輝かせてくれます。
日替わりのクリームコロッケ(250円)は、なんとホワイトソースから作り始める自慢の手作り料理です。大きくタプタプに詰まっています。
酎ハイから青りんごサワーをお願いしました。懐かしいアメのような味の甘い酎ハイ。ときどき無性に飲みたくなります。
ほぼ毎日通っているよというベテランのお父さんと浦和の酒場トークで盛り上がり、すっかりいい気分。一寸一杯で一期一会の会話がある、酒場の魅力ですね。あ、頻繁に通えば、”ひとあじフレンド”もつくれそう。また会いましょうと約束して、そろそろお暇します。
立ち飲みのお店ですがハイチェアがあり、椅子に余裕があれば座って飲むことも可能です。でも、あえて立って飲んでいる方もいて、皆さんとっても楽しそうです。
さて、200円の究極の焼きそばについては触れませんでしたが、ご興味がありましたらお店で頼んでみてください。お腹いっぱい食べてもらおうという初代の心意気がつまった一品です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ひとりあじ
埼玉県さいたま市浦和区仲町1-1-10 森崎ビル 1F
17:00~24:00(土日祝は15:00~)