東武スカイツリーラインの五反野駅。昔から大衆酒場は数こそ多くなくても今も続くよいお店がある街ですが、最近はニューフェイスの登場が続き、ちょっとしたノンベエ注目エリアとなりつつあります。
もつ焼きの「つみき」もそのひとつ。足立区らしいご近所付き合いな感じの距離感でお客さんやお店の方と盛り上がれる酒場です。一本100円とリーズナブルなもつ焼きと、駅から徒歩30秒の屋内小路という好立地から使いやすく覚えていただいて損はないでしょう。
建物の細い廊下の先にあり、駅前と言っても「知る人ぞ知る」感もあり、ゆったりと飲める雰囲気です。スナックや小箱の酒場がはいる屋内小路は、どこか地方都市っぽい。
小路の突き当りを右に。藍色の暖簾とキンミヤのマークが目印です。
北千住のつみきと同じ経営でスタッフも双方で行き来があるらしく、取材時も北千住から応援のお姉さんがきていました。
こちらのほうが店は一回りコンパクトで、キッチンに向いた直線のカウンターとテーブルが数卓というかたち。店長が立つ焼台の前は常連さんも集まる人気席です。
炭火で燻すように焼き上げるモツ。フレッシュな状態からじっくりと時間をかけて焼いていくもので、鮮度の良さは焼き場をみればよくわかります。
黒板のオススメメニューには、レバテキとハラミユッケの魅力的な並び。定番の煮込みのほかにモツカレーなるメニューもあり人気です。
焼きものは1本から注文可能。タレのほかに「にんにくタレ」が別にあり、ニオイを気にする予定がなければがっつりカシラをニンニクタレで頬張りたい。
名物はハラミ一本焼きで、かなりのボリュームがある人気料理。もつ焼きというと「○○の系譜」などという話がよくでてきますが、つみきはそれを感じない独立系です。
さて、ビールを飲みましょう。生樽が黒ラベル(380円)で瓶でサッポロラガー(赤星大びん500円)。比較的安くてお財布の心配をせずにぐいっと飲めます。では乾杯。
ポイとサラダは黒胡椒とマヨネーズがしっかり効いたねっとり系。もつ焼きをタレで頼んで、その余ったタレをここにたらりとかけると美味しそうでしょ。
うずらと甘めのタレを混ぜて楽しむ380円のハラミユッケ。もちろん加熱調理されていますが、この手のものが好きな人にはたまらないでしょう。
もつ焼きは焼けた順にちょいちょいと供されるので、ゆっくりと焼きたてを楽しめます。串打ちが丁寧で、ぎゅっと引き締まっています。
ベースの甲類はキンミヤ。割り材でホッピーと同社のレモンなどの炭酸系が揃うほか、なぜか時々飲みたくなるバイスも用意されています。豚のワイルドな脂には甲類たっぷりの色付き酎ハイが不思議と相性抜群。
玄米緑茶割りはこちらのオリジナル。お店でだしたお茶をどどーっと注いで完成。一杯300円とこちらもお手頃で、千円ちょっとあれば座ってできたての串をちょいちょい摘んでいい気分になれます。
お店の方との距離も近く、はじめてなのに「いつもの飲み屋」のような気分にさせてくれるのが嬉しい。1人で飲んでもカウンターならばほどよく過ごせそうです。
お近くでもつ焼き店をお探しの方にぜひ。ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
もつ焼き つみき 五反野店
03-5888-7270
東京都足立区弘道1-1-17
17:00~23:00(無休)
予算1,600円