大宮で貴重な角打ちであり、jazzの流れるおしゃれな立ち飲み「石丸商店」が手がける「酒屋の隣」はご存知でしょうか。歴史ある酒販店で、建物も白壁土蔵を併設した立派な店構えです。
石丸商店が始めた角打ちが、オシャレでそれでいて呑兵衛の心をくすぐるラインナップの「いい店」なのです。
県道2号沿い、駅から5分ほど飲食店のあまり多くはない路地を歩いてやってくるお店なのですが、この雰囲気が目に飛び込んでくればテンションは自然と上がります。
店内はカウンターと壁側を向いた立ち飲みコーナーのつくりで、椅子を置かない昔ながらの角打ちです。木製の立派な一枚板のカウンターや、お酒を貯蔵していた蔵をリノベーションした天井の高い空間など、もう店内に入るだけで「飲みたい」という欲求が高まってきます。
ビールは生樽に那須で製造されているサッポロの秘蔵っ子「白穂乃香」があります。埼玉の地酒に力を入れている日本酒中心の角打ちですが、ビールの白穂乃香というチョイスはあっているように思います。
一杯650円と普通の生ビールの値段と比較すると高級ですが、無濾過で酵母がいきた高級ビールなので、これでも安いくらい。クリーミーでまろやか、甘酸っぱさが美味しい白穂乃香で乾杯。
日本酒はさすが大宮の酒販店。「力士」や「神亀」など、埼玉の有名所が揃っています。埼玉県の日本酒の生産量は実は全国6位。兵庫・京都・新潟・秋田・愛知につづいて埼玉なんです。純米酒ブームの筆頭として話題になった神亀をはじめ、埼玉には様々な個性的な名酒が豊富で、それを楽しむことができるのが大宮の「酒屋の隣」です。
いまの季節はひやおろしも取り扱っているなど、日々変わっていく銘柄が貼られているコルクボードを眺めているのは楽しい。
フード類は飲兵衛好みのものがばっちり。もう「あての3種盛」なんて書かれたら飛びついちゃいますね。400円から600円のメニュー。日本酒は300円からでお通しはありませんので、角打ちらしい千円ちょっとの予算でしっかり楽しむことができます。
蓮田でつくられるお酒が大好きで、せっかくならばと神亀のひやおろしに、いぶりがっことクリームチーズを。お燗酒にしたい、こんな味わいのお酒が飲みたいなど、要望に応じて選定してくれるマスターや明るいスタッフがいらっしゃるので、あまり頭を使わなくとも飲みたいお酒にたどり着けるのも嬉しいポイントです。
おしゃれな空間だけどもキラキラしていなくて、しっかりと埼玉の中心街にある酒屋としてほこれる内容がここにはあります。少し足を伸ばして、今宵は味わい深い角打ちで頭をとろけさせてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
2018-08-03読者様のご指摘により誤字修正いたしました。お詫びして訂正いたします。
角打ち 酒屋の隣
048-664-0622
埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-403
17:00~22:00(日祝定休)
予算1,300円