東京の飲み屋街っておもしろいほど、駅や路線によって個性が異なります。「朝から飲めるぞ、朝練・赤羽」、「やきとん大正義・西武線」、「色付き元祖ハイなら京成線」など、キャッチーな言葉はいくらでも作れそう。
JR中央線のキャッチフレーズをつけるとしたらなんでしょうね。中野区・杉並区内の駅前は、昼酒スポットが必ずあって、なぜかお昼から賑わっています。
「昼から飲むのは中央線文化。」
すみません、私も荻窪生まれでこの街で育った一人なのですが、一種独特な雰囲気がありますよね。古い喫茶店兼バーみたいなところでイデオロギーが詰まった討論をする人、ハイボール片手にクリエイティブの塊のようなグループが情熱を持って語り合い、立ち飲みではサブカルトークが爆発していたり。
しかもそれが太陽が出ている時間から行われている。え、仕事いかないの?あぁ、自由業の方なんですね。
すみません。私がそういう環境で育ったから思うだけで、普通の家庭環境とは違うと思います。とはいえ、やっぱり昼酒の障壁は他の沿線と比較すると格段に低いように思います。「仕事がなければちょいと飲みに行けばいいじゃん。」というのりかな。
そんな中央線沿線に晩杯屋の進出が続いています。ついに西荻窪にも登場。北口の細い飲み屋街を進み人気の八百屋さんの隣に開きました。界隈の酒場の主曰く、以前は寿司屋だったとのこと。
メニューは他の晩杯屋とほぼ一緒。少しずつ新商品が増えているのでそちらを中心にご紹介いたします。
まずはビールで乾杯。キリン一番搾りの生ビール、500mlジョッキで410円は酒場の相場低めの西荻にあってもまだ安い。
おつまみは最近はブリ刺しのレベルが高いと晩杯屋通いの人たちから聞きます。たしかに、鮮度もよく脂ののりもちょうどいい旨味たっぷりのものが出てきました。
飲み物の新商品、生青みかんサワー(290円)です。生すだちサワーなどのラインナップのひとつで、9月29日からメニュー入りします。
デコポンのような爽やかな甘味に、かぼすのような苦味。甘さはかなり控えめで、果汁感たっぷりで酔いも覚める勢いです。キリンの「本搾りチューハイ」が好きな方はきっとハマります。
カニグラタンコロッケ(150円)。注文を受けてから揚げるサクサクでほくほくな一品。カニグラタンは新商品でしょうか。以前もグラタンコロッケはあったと覚えていますが、今回はカニの味もあり値段を考えればお得感あり。
いつもの飲み物、宝ゴールデン。宝酒造の甲類に焼酎ハイボール的な風味を加えたもの。晩杯屋の常連さんはだいたい、ゴールデンか緑茶ハイからスタートしていますね。
メニューにはなかったですがサンマの塩焼きも登場。一尾310円です。今年まだサンマが高くて食べていないという方、晩杯屋は安いです。
生姜の苦味、辛味がしっかり効いたジンジャーハイボール。初めて飲みましたが、刺激的な味。ジンジャエールの甘くないものを飲んでいるみたい。ポッカサッポロ社のコンクです。
そういえば5年ほど前、サッポログループってジンジャー推ししていましたよね。甲類のトライアングルもジンジャー味をだしたり。
造作は最近の晩杯屋と同じなので特別ご紹介することもないのですが、比較的小箱でお店の人が面倒を見やすいサイズ感かなと思います。
斜向い、そして駅の南側にも多数の立ち飲みやせんべろ酒場がありますが、晩杯屋が中央線民にどう受け入れられていくのか楽しみです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
立呑み晩杯屋 西荻北口店
03-6913-5438
東京都杉並区西荻北3-20-8第2保谷ビル1階
15:00~23:30(土日祝は13:00から)
予算1,300円