この夏、銀座8丁目に晩杯屋が登場。武蔵小山から始まった立ち飲み晩杯屋は、大井町や大山、大塚と山手線の外側のベッドタウンからじわじわと増えてきて、最近は渋谷や新橋など巨大繁華街も出店。店数が増えても、どのお店もなかなかの人気です。そんな晩杯屋が8月1日についに銀座に進出。
なかなかの大箱で一階は立ち飲み、二階はテーブル席が広がっています。場所は銀座8丁目なので新橋に近いですが、ここは紛れもなく銀座。この場所にせんべろ業態でしかも座って飲める形でオープンするということに、酒場めぐりを趣味、そして仕事としている私もびっくり。正直、もっと小箱かなと思っていたら、新橋店よりも大きいんですよ。こりゃたまげた。
間口が大きく、2箇所あることからも開放感たっぷり。心地よい気候のときなら開け広げて半外飲み気分というのも良さそうです。厨房は広く、造りはどことなく晩杯屋大山店に近い。
銀座にありながらも、おしゃれな感じには一切せずに、晩杯屋の典型的なつくりのままなのも、立ち飲み好きには評価されるところではないでしょうか。へんにオシャレになっても、晩杯屋だしねぇ(笑)なにも変わっていないので安心できるという人も多いかも。
壁にはられた短冊、調味料一式、ドリンクメニューも最近オープンの晩杯屋と違いはない。おそらくカウンターの高さまで同じになっています。
均一化、というと典型的な目がチェーン店的響きですが、置いているメニューはハイスキーにバイス、ホイスに天羽の梅など、いわゆる東京の謎の割り材が一式揃うのはやはりおもしろい。
銀座最安とまではいきませんが、それでも200円台で酎ハイが揃うのはすごいこと。ちなみに、チュートニックや緑茶割り、リンゴ酢サワーなどの酎ハイ類は氷なしというオーダーが裏メニューで可能です。500ジョッキから一回り小さなタンブラーになりますが、墨田区、台東区、江戸川区などの下町酎ハイの形が楽しめます。
二階はゆったりとしたテーブル席。大井町店の二階で袖触れ合いながらこじんまりと飲んでいたあの頃が懐かしい。
それでは恒例の晩杯屋新店ドリンクチェック。直近の新橋、新中野と同じで、ビールはキリン一番搾り、ウィスキーハイボールでは馬の絵柄のホワイトホースを使った馬ハイ、樽詰めのハードシードルなどが初期の頃の店舗との違いかな。
食べ物は日替わりなのですが、オープン日はこれ。Syupoをご覧の立ち飲み・せんべろ好きの皆さんにはお馴染みの商品ばかりでしょうか。新しいのは粗挽きソーセージかな。
一杯目は宝酒造のゴールデン。下町の甲類ハイボールをイメージした色付き・風味つきの酎ハイです。それでは乾杯!
いつもの味、いつもの晩杯屋の感じ。ここ、銀座なのに。
通常のまぐろ刺しより150円高い大間の本まぐろ。ねっとりとした旨味、普通のまぐろと比べれば、そりゃ高いと感じるかもしれませんが、それでも350円ですからねー。お値打ち商品でしょう。
ゴールデンを飲み干して、キリン一番搾りへ。毎回晩杯屋の記事では必ず書いている気がしますが、500mlジョッキで410円、しかも鮮度・管理状態がよく、激安業態とは思えないクオリティを維持しているのはポイント高い。
アジフライが進化したということで、これまた定番のアジフライダブルを注文。アジフライ2個で180円というスーパーのお惣菜売り場のおつとめ品もびっくり価格で、しかも片方をコロッケにした通称「アジコロ」もOK。しかも新・アジフライはギン皿からはみ出すほどのサイズ。昔よりも大きくなって、ますますリピートしたくなるものになりました。
晩杯屋は酎ハイのラインナップが豊富と書きましたが、最近のお気に入りはトニックウォーターで甲類(宝25)を割ったチュートニック。ポッカサッポロ社のトニックウオーターは実は近年登場した新商品でなかなか出回っていませんが、ガス圧が強く甘さ控えめ、ほんのり苦味と酸っぱい味がくせになります。これで290円、試してみてください。
今回は新料理があまり目立たないので、まぐろ、アジフライと定番を再確認。納豆オムレツも定番の商品で注文を受けてからふっくら焼き上げるもの。手間がかかるのに150円。醤油をちょっぴり濃い目にかけて頬張ります。
左が樽詰めのハードシードル。りんごのお酒でビールと並んで飲むような甘さ控えめのすっきりさわやかな味。右は馬ハイです。揚げものとよく合います。おとなりの常連さんは馬ハイとちくわの磯辺揚げという組み合わせが基本だそうな。
古くからの晩杯屋を支えてきた店員さんが、期間限定のヘルプとはいえ入っているので、オペレーションは初日から安心・ほっとします。あぁ、大山店に飲みに行っていた頃を思い出す。
晩杯屋のメニューのお気に入りはなんでしょう。私はビール(410円)から酎ハイ類(300円)へ、おつまみはまぐろ刺し、アジフライなどを3品くらい頼んで、1,500円でお釣りがくるような飲み方がいつもの流れです。
おとなりの新橋店は夜遅くまで混んでいますが、もしかしたら銀座店のほうが箱が大きいのでもっと入りやすいお店かもしれません。お近くの方、ぜひ。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
晩杯屋 銀座店
03-6280-6665
東京都中央区銀座8丁目4-21
15:00~24:00(無休)
予算1,400円