人形町「笹新」 甘酒横丁で100年の歴史。きりっとした正統派

人形町で100年続く酒屋の酒場「笹新」。甘酒横丁にある正統派酒場です。きりっと下あいいろののれんに古くても清潔感のある看板。青に赤い星をあしらった古き良きサッポロビールのロゴが店の歴史を語っています。

ピカピカに磨かれた扉の向こうへの期待が高まります。

これぞ先輩たちが愛し飲み続けていた名酒場です。ではお邪魔いたしましょう。

角に建つお店で、その角に合わせたL字のカウンターが広がります。手入れが行き届いた店内を見渡して、品書きの短冊から飲み物とおつまみをいくつか注文。酒場の規律正しい雰囲気にひたる心地よさがここにはあります。

東京の老舗には星が似合います。サッポロ生ビールの大びん。このカウンターでいったいどれほど飲まれてきたのでしょうか。

ここの名物と聞きますしめ鯖。〆が絶妙で素晴らしい。ビールはもちろん日本酒のお燗も恋しくなる絶品です。ここのお酒は沢の鶴の上選本醸造。

毎日飲み歩いているとしめ鯖を肴に飲む機会も多いですが、これほどのものにはなかなか出会えません。

肉豆腐。しっかりとした味付けの純東京風の味付け。ひとくち食べるてビール。すると間を空けずに自然とまた箸が伸びる。気づいたら完食しています。

たまりません！サッポロをもう一本。腰を据えてじっくり飲みましょう。

琥珀色に染まった葱とお豆腐が美しいねぎま。見た目は濃いのですが実はあっさりとした味わい。でもしっかりと出汁が効いていて旨味があり、主張の強い日本酒にも負けないでしょう。

背筋を伸ばして軽い緊張感があるなかで飲むというのは実はとても心地よいもの。居酒屋はくつろぐ場所、盛り上がる場所というところも多いですが、正統派の老舗で先代から続く大人の飲み方を味わうこともおすすめします。

程よい酔いを楽しみ、いい時間を過ごせました。

ごちそうさま。

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（取材・文・撮影／塩見 なゆ）

笹新
03-3668-2456
東京都中央区日本橋人形町2-20-3
17:00～22:30（日祝定休・第三土定休）
予算2,300円