中野『もつ焼き たっちゃん』秋元屋仕込みの息子と、魚一筋の父。二代で紡ぐ新しい暖簾

中野『もつ焼き たっちゃん』秋元屋仕込みの息子と、魚一筋の父。二代で紡ぐ新しい暖簾

中野駅北口、飲み屋がひしめく昭和新道。この通りで長年愛された立ち飲み酒場「魚屋よ蔵」が、2024年9月に姿を変えました。店主だったお父さんが店を閉め、野方の名店「秋元屋」で修業を積んだ息子さんへとタスキが渡り、親子二代で切り盛りする新しい酒場として生まれ変わったのが「もつ焼き たっちゃん」です。

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明るく清潔、幅広い層にオススメできるもつ焼き店

店内はL字カウンターのみで15席ほど。明るくて居心地のいい空間で、いわゆる昭和然としたもつ焼き屋のイメージとは違います。酒場は昭和のままでいいとついこの前まで思っていましたが、やはり清潔感は大事。

新しい店ということもあり、煙がこもっていないのもうれしい。焼き台前の席に通してもらいましたが、保護板や焼台が昨日オープンしたかのようにピカピカです。

忙しく焼いていてもお客さんに気を配り、すぐに注文を受けてくれました。もつ焼き店のローカルルールにハードルの高さを感じていた人も、ここなら安心でしょう。お酒好き・やきとん好きの方なら、きっと楽しめるはず。

親子二代、それぞれの専門を満喫したい

サイドメニューも主役級

18時頃に訪ねましたが、店内はほぼ満席。なんとかカウンターの隙間に入ることができて一安心。まずはサッポロラガービールで乾杯。なんとロゴ入りの希少なグラスで提供してくれました。

もつ焼き屋の一杯目はやっぱりビールでしょう!

生ビールはサッポロ黒ラベルで、大生ビールでも750円と良心的。

山形のだしやっこ:400円

つまみは、「山形のだしやっこ」から。刻んだきゅうりやなす、みょうが、青じそなどを和えた山形の郷土料理「だし」をたっぷりのせた冷奴で、豆腐屋から仕入れているという冷奴は角がしっかり立つ固さ。

豆の味が濃く、”だし”のこりこり・しゃきしゃきとした食感との相性も抜群です。

そして刺身は、胡麻ぶりを。肉厚な身に胡麻だれと刻み海苔、白髪ねぎがたっぷりのった一皿。あまい醤油の味付けはまさしく、九州で食べるあの味です。

日本酒は珍しい地酒が日替わりで入っているので、ホワイトボードに並ぶ刺身などをつまみに飲むのも良さそう。

シウマイ:385円

もつ焼きが主役の店ですが、もう少しいろいろ食べてみたいとシウマイ(3個350円)も追加。かなり大きい。

肉汁たっぷりで、キャベツの千切りを添えて出てくるのがまた嬉しい一品です。ドレッシングが付いてくるのもポイント。

このお店、面白いのは役割分担です。刺身やだし奴といった酒場の定番料理は、長年この地で刺身を看板に掲げた海鮮酒場を営んできたお父さんの担当。もつ焼きは、中野区の名店で修業を積んだ息子さんの仕事です。

料理のメニュー

もつ焼き専門店は数あれど、刺身などの定番肴までしっかり揃えている店は、実は貴重な存在。しかも決して片手間ではなく、どちらの料理からも修業の裏付けを感じさせる仕事ぶりが光ります。魚で商売をしてきたお父さんと、もつ焼きの名店で腕を磨いた息子さん。それぞれの畑で培った実力が合わさった、この役割分担の強さこそがこの店の魅力です。

いよいよ串焼き

中央が味噌焼き

焼き台では、串がじっくりと炭火で焼かれていきます。煙を上げながら脂が滴り落ち、香ばしい匂いが漂ってくる。眺めているだけでいくらでもビールが進みそう。

串は一部を除き165円/本

さてさて、秋元屋出身者のお店といえば、やはり味噌焼き。一本目はかしらの味噌焼きからスタートです。香ばしい炭の香りとともに、甘辛い自家製味噌がしっかり絡んだかしらは、こってりとした脂の旨みがたまりません。

かしら味噌焼
レバー塩 辛味噌が付いてくる
甘辛くニンニクの風味もある味噌味は、ハラミなどの脂が多い串と相性抜群

串は一本150円(税込165円)と値段も良心的。

レバー、チレ、カシラ、カシラアブラ、ハラミ、タン、ハツ、ナンコツ、シロ、テッポウ、キクアブラ、つくねと部位も豊富に揃っていて、どれを頼もうか目移りしてしまいます。

味付けは、味噌のほか、タレ、塩があり、シロやつくねはタレが合うはずです。

つくね:220円

つくねは3個串で提供。表面はしっかりと焦げ目がついて香ばしく、中はふわっとジューシー。噛むたびに肉汁があふれる、もつ焼き屋の名物らしい一本です。

飲み物も充実

お酒のメニュー

ドリンクは生ビールにハイボール、白・黒ホッピー、酎ハイ各種と一通り揃い、日本酒は東光の純米(山形)をはじめおすすめの銘柄もあり。

下町ボール:440円

そして、やっぱりモツ串にはこれ、下町ボールでしょう。氷なし、しっかり濃いめ!

先代「魚屋よ蔵」の記憶

2015年の「魚屋よ蔵」

実はこのお父さんのお店、私も過去に何度も通っていて、以前「魚屋よ蔵」として記事にしたことがあります。もともと地元の魚屋さんが始めた立ち飲み酒場でした。

鮮魚店版の角打ちといった感じで、冷蔵ショーケースから好きなおつまみを選ぶスタイルだったんです。マグロが人気で、ねぎとろ納豆が名物でした。そんな先代の魚屋魂は、しっかりと「たっちゃん」に受け継がれ、マグロ納豆が日替わりメニューに入ることもあります。

秋元屋仕込みのもつ焼きと、お父さん譲りの魚屋の目利き。ふたつの技が同じカウンターの中で交わる、中野の新しい酒場です。中野で飲み歩くなら、ぜひ訪ねてみてください。

店名もつ焼き たっちゃん
住所東京都中野区中野5丁目48−5 相互アパート
営業時間17時00分~23時00分
水定休
創業2024年