関内『利久庵』再開発により2026年3月末で閉店。絶品卵焼きと菊正宗で名残惜しい蕎麦前を

関内『利久庵』再開発により2026年3月末で閉店。絶品卵焼きと菊正宗で名残惜しい蕎麦前を

横浜関内駅前で昭和22年から愛され続けてきた老舗蕎麦店『利久庵』が、駅前の再開発に伴い2026年3月末で長きにわたる歴史に幕を下ろします。閉店の知らせを聞き、長年親しんできた蕎麦前とお酒を味わいに足を運びました。街の景色が変わっていく寂しさを抱えつつ、名店でのひとときを綴ります。

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関内駅前の再開発と利久庵の歩み

横浜の中心地として発展してきた関内。その駅北口周辺では現在、大規模な再開発プロジェクトが進行しています。古き良きビル群が一新され、高層ビルや新しい商業施設へと生まれ変わる予定です。街が新しくなるのは良い面もあるものの、長年街の顔として存在してきた老舗が姿を消すことには、やはり寂しさを感じずにはいられません。

昭和22年(1947年)の創業以来、手作りにこだわって多くの人のお腹と心を満たしてきた利久庵。関内駅前にありながら、昭和の面影を残す落ち着いた佇まいは、街を歩く人に安心感を与えてくれます。

お店を訪ねると、会長の出川さんがいつも通り優しく迎えてくれました。閉店目前でも変わらない風情が嬉しい反面、このあたたかい空間がなくなる寂しさもこみ上げます。テーブルで相席になった常連さんと、名残惜しい時間を分かち合いました。

当初予定されていた2025年末の閉店から、ファンの声に応えて2026年3月31日まで営業が延長されたことに感謝しつつ、さあ飲みましょう。

菊正宗のお燗と絶品の卵焼きで蕎麦前を嗜む

お店に到着し、落ち着いたテーブル席につきます。まずは、菊正宗純米の樽酒をお燗で注文しました。吉野杉の香りが漂う辛口の日本酒が、冷えた体を温めてくれます。

お酒のお供に選んだのは、評判の卵焼きです。

しっかりとした厚みがあり、出汁の旨味が効いた一品。添えられた大根おろしと一緒に箸でつまみ、口に運ぶと、優しい甘さと醤油の風味が広がります。

さらに、海苔の佃煮も外せない逸品。お酒をお願いするとついてきます。濃厚な磯の香りが菊正宗とよく合い、杯が自然と進みます。

利久庵の魅力は、蕎麦屋でありながら一品料理が充実している点にあります。

串に刺さっていない「くわ焼き」スタイルの焼き鳥は、甘辛いタレがふっくらとした鶏肉に絡み、食べ応え十分。

和牛のローストビーフやお刺身などが盛られた豪華な盛り合わせも、お酒をゆっくり楽しむための格好の引き立て役です。

時代の移り変わりは受け止めるしかないけれど…

関内の街並みが変わっていく中で、77年もの間、人々に愛されてきた利久庵の暖簾が一度下ろされます。再開発による近代化を手放しで喜ぶことは難しく、長年通い詰めた常連客や地元の人々にとって、喪失感は計り知れません。

しかし、これで完全に終わるわけではないとの話も耳にします。出川会長は息子さんとともに、移転復活を検討されている様子。

残りわずかな期間ですが、最後まで変わらぬ味とおもてなしを提供してくれる利久庵。新天地で再びあの味に出会える日を心待ちにしています。

利休庵公式サイト https://osoba-n.com/