三軒茶屋『赤鬼』昭和57年創業 日本酒の聖地へ!幻の銘酒と向き合う、大人の居酒屋時間

三軒茶屋『赤鬼』昭和57年創業 日本酒の聖地へ!幻の銘酒と向き合う、大人の居酒屋時間

東京で日本酒を語るなら外せない一軒、三軒茶屋の『赤鬼』。吟醸酒ブーム以前から生酒の魅力を発信し続けてきた名店です。入手困難な「十四代」をはじめ、常時100種以上の銘酒と季節ごとの肴を求めて、夜毎お酒好きが集います。予約必須の人気店ですが、時間をずらせばふらりと入れることも。今宵は聖地で日本酒三昧といきましょう。

スポンサーリンク

昭和の面影残す三角地帯の路地裏へ

渋谷から東急田園都市線で2駅の三軒茶屋。国道246号線と世田谷通りに挟まれた通称「三角地帯」は、戦後の闇市の名残を感じさせる飲食店街です。迷路のように入り組んだ路地を抜けた先の小路にひっそりと佇むのが、1982年創業の銘酒居酒屋「赤鬼」です。

まだ日本酒といえば大手メーカーの普通酒(経済酒)が主流だった時代から、品質管理の難しい「生酒」に着目し、そのフレッシュな美味しさを広めてきたパイオニア的存在。店内には壁一面に貼られた短冊メニューと、カウンター奥に鎮座する巨大な冷蔵庫が迎えてくれます。そこには常時約100種類もの日本酒が眠っているのです。

特筆すべきは、山形県の名酒「十四代」との深い縁。まだ無名だった頃からその才能を見出し、応援し続けてきた歴史があります。そのため、他店では滅多にお目にかかれない「十四代」の特別な仕込みの酒や、希少な限定酒がここでは日常的に楽しまれています。まさに聖地と呼ぶにふさわしい品揃え。

銘酒と響き合う、発酵の旨味と季節の味

早い時間は予約で埋まっていますが、狙い目は20時以降。一回転した後のタイミングなら、予約なしでも滑り込めるチャンスがあります。今回は20時過ぎに訪問し、運良くカウンター席へ座れました。

ヱビスビール500ジョッキ:770円

まずはビールで喉を潤します。赤鬼のビールは「ヱビスビール」の樽生(770円)。きめ細やかな泡と、黄金色の液体が美しい。三角地帯を歩き疲れた体にコクのある苦味が染み渡ります。

お通しは小皿で2品。これだけでも酒場のレベルの高さが伝わってきます。手抜きのない仕事が施された小鉢をつまみながら、今日の日本酒選びに思いを巡らせます。

ビール・大吟醸・古酒などのメニュー
銘酒リスト

手元のメニューには全国各地の銘酒がずらりとならび、選ぶのに迷います。そんなときはスタッフの方と相談しながら決めるのもこちらの楽しみ方のひとつ。

一杯目に選んだのは、佐賀県の「七田(しちだ)純米 七割五分磨き 春陽」(880円)。低精白ならではの米の旨味がありつつも、「春陽」というお米由来の軽やかでフルーティーな酸が特徴的。口に含むとグレープフルーツのような爽やかな香りが広がります。

温かい白子ポン酢:1,320円

合わせる肴は「温かい白子ポン酢」(1,320円)。冷たいポン酢で食べることが多い白子ですが、温かい状態で提供されることで、とろりとした食感と濃厚なクリーミーさが際立ちます。口の中でふわっと溶け、日本酒の旨味と重なり合う瞬間は至福そのもの。

ぬか漬け入りポテトサラダ へしこソース付き:660円

もう一品、気になった「ぬか漬け入りポテトサラダ へしこソース付き」(660円)を注文。具材に刻んだ古漬けが入っており、ポリポリとした食感がアクセントになっています。さらに、鯖のぬか漬けである「へしこ」を使ったソースの塩気と発酵の旨味が加わり、これ以上ないほどお酒を呼ぶ味に仕上がっています。

発酵食品同士、相性ぴったり。

なすと木の実入り焼き味噌:550円

お酒が進み、追加でお願いしたのは「ナスと木の実入り焼き味噌」。しゃもじに塗って香ばしく焼かれた味噌は、少しずつ舐めながらお酒を飲むのにぴったりです。

鳥海山うすにごり:1,045円

焦げた味噌の香ばしさと胡桃(くるみ)のコクが、日本酒のふくよかさを引き立てます。

予約の壁を越えても訪れたい

「赤鬼」の魅力は、日本酒のラインナップだけではありません。料理に使われる食材にも物語があります。

名物の「こんにゃく刺身」は岐阜県下呂温泉から、「手打ち十割そば」は長野県木島平村にある関連店『健生庵 山愚』から直送(季節限定)されるなど、生産者との繋がりを大事にした食材選びがなされています。都会のまん真ん中にありながら、食で日本の原風景を感じさせる味に出会えるのも、この店が愛され続ける理由でしょう。

日本酒の奥深さと、それを支える肴の力強さ。背筋が伸びるような緊張感と、包み込むような温かさが同居する名店へ、今年こそ訪ねてみませんか。

店舗詳細

名物・珍味メニュー
おつまみメニュー
店名居酒屋 赤鬼
住所東京都世田谷区三軒茶屋2-15-3
営業時間17時30分~23時30分
土日祝は17時開店
祝は23時閉店
創業1982年