【閉業】武蔵小杉「玉や」 街は変われど酒場変わらず60年の焼鳥

【閉業】武蔵小杉「玉や」 街は変われど酒場変わらず60年の焼鳥

2014年12月7日

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武蔵小杉は東京圏において昨今もっとも変化の激しい街ではないでしょうか。
昔は東横線と南武線の乗換駅でそこそこ存在感はあるものの、東急沿線によくあるベッドタウンのひとつでした。そんな武蔵小杉は、平成に入ると東横線の改修や目黒線の直通、さらには横須賀線・湘南新宿ラインもホームが新設され、都心へのアクセスが大幅に改良。

それに合わせて、まるで都市開発ゲームのように”にょきにょき”とビルが建設され、いまや高層マンション群の街へと変貌しました。

 

そんな武蔵小杉、昔は大規模工場が立ち並ぶ工業都市なんていわれていたような場所でもあり、そういう街にはだいたいいい飲み屋があるものです。

戦後すぐにこの街で店を開いて以来ずっと変わらず営業してきたやきとり屋があります。「玉や」は、60年間この街の変化をずっとみてきたお店です。

赤提灯にかかれている通り、うなぎとやきとりのお店。焼き鳥と鰻、両方を置くことは古い飲み屋によくあります。

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いらっしゃい。飲み物は?
それでは、キリン一番搾りでお願いします。
とっとっと、はい乾杯です。一番搾りってなんだかほっとする味だと思いません?大好きです。

さて、ビールは3種類ありまして、瓶はキリンのラガーと一番搾り。生はサントリーのプレミアムモルツです。チューハイ(300円)・緑茶割り・ウーロンハイ・生グレープフルーツサワーなどもあり、日本酒(小300円・大600円)は富貴です。

串を注文して、焼けるまでの間、松前漬けを糸ひきながら、ズズズっと。口開けの5時、夕方の情報番組を見ながら飲むお酒は実に美味しい。

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女将さんに注文を伝えすらすらと伝票にまとめ、それを見ながら大将は焼き始めます。ショーケースに綺麗に並んだ串たちはどれもひと目でいい仕事だとわかります。

まずは豚軟骨。包丁の入り方がよく、硬さがうまくやわらぎ軟骨の旨味・食感が心地いいです。

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こちらは鶏軟骨。やげんといわれている部分ですね。
なんこつを豚と鶏、両方揃えているお店って案外少ないかも。さんしょが予めふられていて、くっきりした旨味があります。

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お酒は酎ハイ(炭酸はカゲツ)に切り替えて、ねぎま・すなぎも・かわ・つくねを。
どの串も、やはり丁寧な仕事がされていて美味しいです。やきとりも、ひとつひとつ丁寧に作るとここまで美味しくなるんだ!なんてちょっとした感動がえられるかも。

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焼鳥がここの定番料理。そしてお刺身や松前漬けのようなちょっとしたおつまみも揃っています。
この時期ですと、じっくりと煮こまれているおでんがまた美味しい。しっとりと染み込んだはんぺんに、日本酒のお燗をあわせれば、梯子酒をしても手足冷えずに済みそうです。

こちらのお店、ポテトサラダ(450円)がものすごい大盛りででてくることでも有名なのですが、あれを食べてしまうと二軒目にいけなくなりそう(笑)

 

硬派な感じだけれどとても優しい大将に素敵な女将さんが笑顔で迎えてくれるお店、武蔵小杉で飲むならばココをお忘れなく。

※人気店なので予約をされることをオススメします。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見なゆ)

玉や
044-722-5680
神奈川県川崎市中原区小杉町3-430
17:00~23:00(日祝定休)
予算2,200円