【閉業】盛岡『平興酒店』おばあちゃんの角打ちで暖かいひとときを

【閉業】盛岡『平興酒店』おばあちゃんの角打ちで暖かいひとときを

2013年12月6日
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こんにちは。

盛岡へいったら一度は飲みに行きたいと思っていた角打ち「平興酒店」。念願の取材ができました。午前9時から開いている角打ちで、朝から飲みたい人の味方です。

創業何十年になるのかしら。ご主人と女将さんのお二人で開いている酒屋さんです。この雰囲気、東北の酒屋さんらしいどっしりとしたいい雰囲気でしょう。
場所は盛岡県庁から更に北西へ進んだ場所。街の中心部からも徒歩で入れる場所で、近くには石川啄木の住んでいた住居がいまも残されています。

盛岡二日目の朝。ホテルをでて朝日を浴びながら気持ちくお散歩がてら歩いて行きました。

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すみませーん。店内で飲めるとうかがったのですが、もうよろしいですか?

女将さんが「いらっしゃーい、どうぞー飲んでいってね」と優しく出迎えてくださいました。
お店の向かいが菊の司酒造という場所にあり、角打ちの日本酒はすべてそこの銘柄です。

1合250円程度ですが、コップ半分で半額でもいいよーということで、すべて飲み比べたい私はそれでお願いしました。

まずは普通酒から。

女将さん「おいしいでしょう?普通酒でも醸造用アルコールしか添加していないから、へんな味がしないの」と。
うん、お化粧っけのない田舎酒なのですが、飲むほどに頷いてしまう味。なるほど、いいですね!

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まるでおばあちゃんの家にお呼ばれしたような感じでテーブルで飲ませて頂いています。
女将さんがお裁縫をしながら、というのがまたいいでしょう。

お子さんのお勤めに持っていくお弁当箱をいれる巾着をつくるの、と素敵な笑顔で話してくださいます。

これ、食べていってーと麹を味見させてくださいました。吟醸酒用のかなり良いものだそうで、お米の甘さがぎゅーっとつまっています。

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火入れを一度もしていない生原酒など、酒造の目の前だから飲める貴重なお酒の数々。
あれこれ、コップ半分ずつ試飲させていただきながら、お店の歴史を聞かせていただきました。

お向かいの菊の司さんとは本家と分家の関係で、こちらが販売店の機能を果たしているのだそうです。地域の飲食店へのお酒の配達をしながら、角打ちで地元の常連さんたちに社交場としてお店で飲んでもらっているとのこと。

私が来たときはさすがに朝が早く常連さんはいらっしゃいませんでしたが、夜は8人くらいで盛り上がると聞きました。

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「夏場は生ビールもやっているのよ、いまは寒いからやっていないの」と女将さん。

ビールはサッポロを好んでいて、生も瓶もほとんどサッポロを売っていると話されていました。冷蔵庫には東北限定の黒ラベル東北ホップがありました。これは一本飲んでおかないと。

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素朴な味の菊の司ですが、女将さんのおっしゃるとおり、へんにお化粧をしていなくて実にシンプルなお酒の旨味を楽しめます。

お店の向かい側は大きな蔵がみえます。こちらが菊の司さんの醸造蔵になります。
シンプルな美味しさにこだわる菊の司、私は気に入りました。平興酒店さんにお願いして、今度いくつか新酒を送ってもらおうと思います。

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中津川沿いの菊の司酒造さん、とっても素敵な場所にありました。

また盛岡に来たら飲みに行かないと。

後を継がれる方がいらっしゃらないそうで、女将さんにいつまでもご無理なく頑張ってほしいと思います。お正月を除く、無休で営業されています。
皆さま、ぜひ盛岡へ訪れた際には、おばあちゃんの家に飲みに行く感覚でお立ち寄りください。

ごちそうさま。

平興酒店
019-622-2753
岩手県盛岡市紺屋町6-2
[月~土]9:00~21:00 日曜・祝日は畑作業のため、お昼すぎから営業