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堀切菖蒲園にあります大衆酒場「もつ焼きのんき」は創業60年をこえる老舗です。名物の「シロたれ」と下町ならではの焼酎ハイボールを目当てに高度経済成長から現代まで、多くの地元のお父さんたちに愛され続けている名店です。
その支店が綾瀬にオープンしていることはご存知でしょうか。堀切菖蒲園の「もつ焼きのんき」の支店はここだけで、最近店舗を増やしている赤羽や神田などに展開中の「のんき」は暖簾分けのお店です。
綾瀬駅の周辺は安くて品数豊富な名物大箱酒場や、駅前にあるコの字が似合う酒場など、庶民派酒場を愛するものとしては頻繁に訪れたい街です。そこに「のんき」があるのだから、選択肢がさらに増えて楽しいことになっています。
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堀切の本店は二の字カウンターですが、こちらは厨房に向いたカウンターにテーブル席をメインに配したつくり。グループで飲みに来るならば、こちらが使いやすい。
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メニュー本店と同じ。看板飲料の焼酎ハイボール(290円)と酎ハイ類、ビールはサッポロで黒ラベルだけでなく赤星も取り扱っています。生樽がないのは興味深い。
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フードメニューはいろいろあれど、ここはシロたれを食べるお店。メニューはかなり絞られています。4本400円という優しい値段。4本単位での注文になります。
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いつもはビールからスタートするのですが、今日は焼酎ハイボール。のんきといえばコレ!氷なし、カットレモンの濃い酎ハイ、謎の色付きが下町の証です。それでは乾杯。
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まずはキャベツで胃の調子を整えてから…
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お待たせしました。「シロたれ」と「シロ塩」で4本400円。4本縛りですが、2本ずつがペアなのでこんな注文も。3時間以上茹でてクタクタ・ホロホロに仕上げたシロは、口に含んだら溶けていくような食感。これぞ「もつ焼きのんき」の味。辛めでサラサラのタレをくぐらせたシロたれは、きっとシロを普段食べない方でも気にいるはず。シロ塩は、もつ焼き好きに試して欲しい味。通常、どうしてもクセの強い部位だけに、シロは塩ではあまり提供しないというお店も多い中、ここのシロは塩でもまったく臭みが感じられない特別な味です。
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もつ焼きは脂が落とされいるとはいえ、途中に挟む冷やしトマトがちょうどいい。
ボール(焼酎ハイボールのことを下町の酒場では愛情を持って「ボール」と呼びます)ともつ焼き。これぞ東京葛飾・墨田の味。
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そして赤星もやっぱり外せません。もつ焼きの人気店にサッポロラガーあり。2017年には140周年を迎える日本最古の銘柄です。
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本店と異なり、日替わりの黒板メニューではより多くのもつ料理が用意されています。こちらは牛ホルモン。ぷりぷりのホルモンは味が濃厚でビールが進みます。
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こちらは豚足刺し。薄くスライスされていまして、かぶりつくまるまるのものと違い食べやすく、さっぱりとしています。酢味噌をつけていただきます。
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人気店でテーブル席もカウンターもなかなかの賑わい。名物のもつ焼きはもちろん、これからの季節は本店にはないモツ鍋などを試してみるのもいいかもしれませんね。
名物のシロとボールは、綾瀬の支店でも変わらぬ美味しさです。ご近所の方はぜひ一度お試しください。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
もつ焼 のんき 綾瀬店
070-6969-1243
東京都葛飾区小菅4-9-2
17:00~23:00(日祝は21:00まで・水定休)
予算1,800円