和田屋といえば東京に7軒あるのれん分けの老舗大衆割烹。どのお店も名店ばかりでぜひ飲み歩いてみてほしいのですが、ここ阿佐ヶ谷の和田屋も素晴らしい。家族経営、暖色照明のカウンター、壁一面の品書き短冊、新鮮な刺身に家庭的なおつまみの数々と聞けば酒場好きならばきっと行きたくなるはず。
阿佐ヶ谷駅からすぐ、スターロードの脇道にはいったところにあります。きれいに掃除されている店先に縄のれんと赤ちょうちん。入る前からもう名店だとわかるすばらしきオーラが漂っているように見えませんか?
大衆酒場の多い阿佐ヶ谷の商店街でもとくににぎわうお店でお客さんの年齢層は他のお店と比べると高め。だからこその落ち着いた雰囲気が楽しめます。
入ってすぐにL字カウンターと右側に数卓のテーブル。優しい女将さんが「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくれます。カウンターの中にいる大将と息子さんもとても笑顔が素敵で、これだけでも癒し効果は抜群。
ほっとしながら席に座り注文はビール。瓶ビール(大瓶600円)は黒ラベルとスーパードライがありますが、ここは生ビールがお得で、なにより質がいいです。ドンと登場の巨大な大生(700円)のクオリティはガス圧、温度、ディスペンサーの状態ともに完璧。ジョッキの内側に泡がついていないキレイなビールです。うれしいなー、女将さんの注ぎ方も上手なのでぜひお試しを。では乾杯!
大衆割烹の名前の通り、素敵な魚料理が普段使いの価格で並んでいます。しめ鯖にぶり大根を注文。定番の料理ですが、これが美味しかったら他もおいしいに決まっています。締め具合がちょうどいい鯖はうま味が口の中いっぱいに広がります。
出汁と味付けが抜群のぶり大根。優しい味で毎日飲んで食べるのにちょうどいい。
いかの丸焼きをおつまみに、ビールから日本酒へ。日本酒の種類も豊富で一合300円台から揃います。どっしりと飲みたいときは樽酒もおすすめ。
千葉県成田のお酒、仁勇のぬる燗でもらって、とっくりとそっと傾けてお猪口へ。おっとおっと。イカをわさび醤油につけて軽くつまみながらお酒をひとくち、またひとくち。
カウンターに座る常連さんも静かに、でもとくとくと飲んでいきます。暖かい照明に雰囲気のいい常連さん、そこで飲むお燗酒、心が安らぎます。
こも樽の菰(こも)が壁紙のように飾られています。
昔ながらの家族経営のほっこり酒場、わいわいとにぎやかなお店の多い阿佐ヶ谷ですが、こんなお店でゆったりとお刺身と日本酒、カキフライとビールなんて組み合わせで自分の時間を過ごされてみてはいかがでしょう。
素敵な酒場は時間がゆっくり流れています。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
和田屋
03-3336-2580
東京都杉並区阿佐谷北2-12-22
17:00~24:00(日定休)
予算2,200円