ここは東武東上線の東武練馬駅から少し離れた怪しい飲み屋街。駅が近いわけでもないのになぜか細い路地がコの字で入り組むようになっていてその両脇にはスナックやら居酒屋などが立ち並ぶ。こんな雰囲気の路地は珍しいなと思いながら、なにより驚くのは駅から離れているにもかかわらずそれなりに人の気配があるということ。東上線沿線は急行の止まらない街にこそ梯子酒の本当の楽しさがあるなーなんて思いながら、今日のお店「あいづ山河」へ向かいます。
店構えはスナックっぽい。店内は焼肉屋っぽい、そんな不思議なお店ですが、実はなかなかの人気店でして地元の方が毎日の酒場通いの一軒として愛用されています。
ホッピーやバイスなどの酎ハイ類の品揃えが豊富ですがここの生ビールは美味しい。ビールは黒ラベルですがその品質は素晴らしいのひとこと。
よくメンテナンスされたサーバーに丁寧に洗ったジョッキ。その質の良さはジョッキ内側の気泡がないことや厚さ1センチほどのフロスティミスト(泡とビールの間のもやもやした層)からもわかります。
老舗の証、赤星マークのジョッキで乾杯!
焼肉屋のような内装のこちら、店のテーブルに焼き台がしこまれていますが別に焼肉や炉端焼きのお店ではありません。
料理は海鮮を中心に家庭的な料理が並びます。料理はどれもおいしく外れなし。尖った個性はないけれど通いたくなる均等のとれた品揃え。
照りが美しいいかげそを肴にくいっと生ビールを。
人気メニューのスパサラは細いスパゲティに千切りのにんじんやきゅうりが混ざり、さらにツナマヨネーズで和えたもの。摘みとして素晴らしいもの。美食家じゃない、飲兵衛だからこそ喜べるこの味です。
大ぶりの餃子をつまみにさらに飲み進めましょう。生ビール黒ラベルから次はホイスにシフト。下町の定番割ものが色々揃いますが、ここは練馬にある下町みたいな場所、こういう組み合わせはいいものです。
家族経営のお店で土地に根付く暖かな雰囲気がお店全体を包み実に心地がいい。飲みに来る常連さんも自分の時間をくつろいでいるようで穏やかな時間が流れています。
料理もお酒もリーズナブルですしご近所ならば通いたくなること間違いなしです。
特出した個性がなくとも温かいお店は長く続くものです。目的とされるお店でなくともそこにある安心感が酒場のいいところ。
ごちそうさま。
この記事はあなたのお役に立てましたか?
この記事が少しでもあなたのお役に立てましたら、
ブログランキングへ応援ボタンからの投票を1日一回いただけると嬉しいです。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
あいづ山河
03-3931-8976
東京都練馬区北町2-36-11
17:00~24:00(不定休)
予算2,000円