阿佐ヶ谷の駅から徒歩10分。商店街を抜けるので歩いていて楽しいからあっという間に感じますが、やはり遠いと感じる人も多いでしょう。でも、このお店はそんな距離を感じさせないくらいの銘店なのです。
地元の方にはお馴染み「川名」。
焼鳥屋で、焼き台は道路に面してテイクアウト利用も多い人気店。商店街でお買い物をする人たちには、持ち帰り焼鳥のお店として認知されているようですが、飲兵衛が間違いなく心地良いと感じるムードたっぷりの飲み屋です。
暖簾を潜ろうとすると焼き台の大将が「いらっしゃい、どうぞ」と迎えてくれます。
大衆酒場なのですが、ここはなんと敷き紙があります。この一枚だけでもちょっぴり贅沢気分。
まずはここの定番サッポロラガー大びん(500円台)をもらってはじめましょう。乾杯!
お通しは果物で今の季節はみかん。お通しで果物が出るのは、「飲み過ぎないで」と「ビタミン摂取」のような優しさが込められているように感じます。
焼鳥が焼けるまで、おひたしやお刺身を注文して待ちましょう。焼鳥屋ですが、日替わりの大将のおすすめはぶりの刺身やさんま塩焼、天ぷらまであります。麻婆豆腐やナス味噌など炒めものも充実していて、焼鳥が看板なのですが普通に大衆割烹として楽しむこともできるのが魅力。
それでも、やはりここは看板の焼鳥は実に美味。タレも塩も川名のオリジナルというこだわりで、味付けはおまかせで注文するのが間違いないです。
ピーマンがネギマのように刺さっているのも川名の特長で、苦味と旨味の組み合わせは癖になります。
焼鳥もお刺身などのオススメ料理は4時の開店から次々と”ヤマ”になっていくので、お気に入りのものが残っていると嬉しいです。ここの鶏手羽(210円)はプリプリで皮はカリっと。気取ってオシャレに行くよりも、常連に愛される大衆酒場で手羽を肴にビールを飲むほうが幸せになれるはずでしょ?
さて、ビールのあとは常連さんたちのお気に入り、私も大好きなグレープフルーツサワー(400円)。酒豪の飲兵衛も納得させる焼酎たっぷりの酎ハイとグレープフルーツが半分ついてこの価格。お店には「お酒は4杯まで」と書かれていますが、これを4杯飲んだら阿佐ヶ谷で道に迷いそう。
親の敵のようにグリグリと絞りとったグレープフルーツを全部流し込むと溢れてしまいます。果実たっぷりのサワー、お通しのみかんと合わせて、なんだかビタミンCは十分食べた気がしてきます。
酸味で口がさっぱりするので焼鳥が進みます。1本串も108円だから、今日は梯子せずに川名で〆てしまおうか。そんな気分になる楽しい心地よさがお店を包んでいます。焼鳥セットかニュートンセット(焼きとん)を頼んで軽く2・3杯飲んでお刺身などを摘む。駅から離れていることなんてどうでも良くなってきます。
阿佐ヶ谷に来たら川名に立ち寄らずしてどこで飲む?
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
川名
03-3339-3079
東京都杉並区阿佐谷北3-11-20
16:00-23:30(月火定休)
予算2,000円