新潟県村上市「大洋酒造」 銘酒の蔵訪問

2013年1月18日

こんにち

日本酒の好きな銘柄は何ですか?
なかなか絞り込めないものです。

たとえば、おでん屋や蕎麦屋で飲む「キクマサ」。あれはイイ
100年の歴史を持つ居酒屋で飲む「褒紋正宗」「櫻正宗」「白鷹」。これも間違いない。[いい気分(温泉)]

ですがこれは東京での話。
地方に行けば地酒がもっとも美味しく感じます。

新潟県はお米とお酒の県です。八海山に久保田に越の寒梅、雪中梅、菊水、麒麟山…
いろいろあります。どのお酒も好きですが、ひとつ特別な思い入れのある蔵元があります。

それが「大洋盛」を作る村上の「大洋酒造」さんです。

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(鳳麟蔵)

村上には2つの酒蔵があります。ココと〆張鶴で有名な宮尾酒造さんです。

大洋盛のお酒の特長は、「調和」です。

都会向けに媚びて飲みやすくしているというものではなく、風味、酸味、旨味、辛味の均衡が非常に優れているというところ。

そんな銘酒をつくる大洋酒造さんに訪問して来ました

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わぁー五百万石ですね!

新潟を代表する酒米です。お酒好きの皆さまにはお馴染みでしょうか。
吟醸酒に向いているお米です。フルーティーな味になるのが特長、、、って解説いらずでしょう(笑

ちなみに由来は、人気になって新潟県での取れ高が500万石になったことから。これはトリビアでしょ。

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こちらはたかね錦。長野生まれの万能酒米で、昔はだいぶ幅広く使われていました。
今は酒米も種類が増えて、どれもこれもがたかね錦ではなくなってきましたが、麒麟山はいまもコレ。

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こちらが期待の新鋭、新潟酒72号!あ、越淡麗という名前もあります
平成生まれの酒米です。

これまで、新潟県でも大吟醸をつくるには五百万石だと精米に耐えられないため、県外産の山田錦を使ってきていました。
いつかは県内のお米で大吟醸を!そんな思いで皆津された越淡麗。

山田錦と五百万石の交配から誕生しました。

さー、このお米を精米して、
あ、精米歩合について、おさらい。

一般の食用白米は90%くらい。普通酒・本醸造・純米酒は70~60%。吟醸酒は60%以下。大吟醸は50%以下。
磨けば磨くほどお高くなりますが、それが美味しいかは好みの問題。

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蔵に住む清酒酵母のお邪魔にならないよう対策をばっちりとって、さぁー中へ
一般的な展示館や見学コースと違って、主力生産ラインの中に入るのはドキドキです

この大きな機会が蒸し器。食用ごはんと同じで酒米も蒸しているんですよ

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ここは禁断の領域。種麹と米をあわせて麹をつくる場所。ここで味が決まるといっても過言ではありません。

なかは良い香りー

麹はお米のでんふんをブドウ糖にかえる役割があります。

この麹に酵母と水、米をあわせたものが酒母になります。酵母はみんな大好き、世界のすべてのお酒は酵母サマサマなんですよぉー。酵母が入った酒母はブドウ糖をアルコールに変えてくれます。

でんぷん→ブドウ糖→アルコールと、2回の変化によってお酒は作られています。

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蒸したお米に酒母、お水を三回に分けてこのタンクへと入れていきます。これがもろみ。
そして、三回だから三段仕込み。

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かなり巨大なタンクで、高所恐怖症の私には背筋がゾクゾクしっぱし。足元は金網だしさ

タンクの中をのぞかせてもらいました、ひゃー深い

24日間発酵させられたもろみはしぼられて、貯蔵や火入れ、割り水で調整されて完成です。
あ、最後は瓶に栓を打つ作業。ベルトコンベアーを流れる清酒に飲みたい気分100%

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はい、おつかれさまでした。
まるで精密機器工場のクリーンルームに入っていたかのような気分で、わさーっと装備を脱いで…

ささ、お酒お酒ー♪

「なゆさん、これがどうせ目的だもんね。飲んでいってくださいな。」
あらぁー、お気づきになっていらしたのですね

生産者の皆さまの写真の上に並ぶ大洋盛たち。
普通酒→本醸造→特別本醸造の3つ。

普段酒部門でございます

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つづいて、吟醸・純米部門。ちょっと贅沢なお酒です。

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大吟醸、純米大吟醸は晴れの日のお酒。いやぁー、普段飲むことはあまりないし、ビジネスの席だと味に集中もできないから、、、うんうん、いい!

全国新酒鑑評会金賞のお酒たち。越淡麗を使用した新潟の夢が詰まったお酒です。

あ、いっぱい飲んじゃいました。あれこれ試飲していたからわかりにくいですが、試飲は大満足!

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左が玄米、右が40%まで磨いた越淡麗。もうまんまるです。これだけ磨いて作るのですから、雑味が消えてイイお酒になるわけです。

いろいろ飲み比べましたが、飲みっコの私にはやっぱり本醸造が一番だっかなぁー。ハレの日は大吟醸もいいけどね

はぁー!楽しい蔵見学でした。
村上まで新潟からJRで一時間。出向いたかいがありました。

ごちそうさま