長崎「とり福」 半世紀愛される唐揚げにはウスターソース

長崎「とり福」 半世紀愛される唐揚げにはウスターソース

2016年8月7日

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長崎の食文化にはウスターソースが外せない。皆さんはご存知でしたでしょうか。皿うどんにソース、炒めものにもソース、そして驚くのは唐揚げにもソース。地元生まれの金蝶ウスターソースというご当地ソースがありまして、中華・揚げものだけでなく、あらゆるものにかけているのです。チョーコーソースはまさに長崎の味、これがなくては長崎の日常食は語れないといえるほど。

そんなチョーコーソースをかけて食べられ続けて半世紀、長崎を代表する唐揚げを今に残すお店「とり福」は、観光地や卓袱(しっぽく)料理だけではない長崎庶民文化の奥行き、厚みを感じるのに不足のない酒場です。

 

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2014年9月、船大工町で歴史のある酒場「江戸善」という鶏専門の酒場が後継者がいないということで惜しまれつつも閉店し、一時は消えてしまった長崎で大人気の唐揚げ。その味を復活するべく、当時のシェフが厨房に立つ新たなお店として2015年、店名新たに始めたのが「とり福」です。

 

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長崎の地で貿易商をしていたトーマス・ブレーク・グラバーらによって誕生したビール、キリンを置いています。

 

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国産ハーブ鶏を一羽まるまる使って様々な部位を楽しめることが特長で、メニューはすっきり鶏料理だけで、サイドメニューは枝豆などわずかです。唐揚げ、素揚げ、塩・タレ焼きに砂肝の串と、歴史があるからこそできる究極の専科型酒場です。

 

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生ビールは一番搾り、瓶ビールはキリンクラシックラガー。長崎の酒場はキリン率が高く、さらに言えば瓶ビールはクラシックラガーを見かけることが多い。地元の人の飲酒の傾向と文化などを思いながら飲むのもまた楽しい。では乾杯!

 

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骨付きの素揚げはぜひとも食べて欲しい定番料理。ももの部位で、包丁を入れてもらうことも出来ます。下味はついているものの、メインの味は塩だけ。それなのに、複雑に絡み広がるふくよかな味わいが特長です。右手でスティックをもって、左手にビアタン。交互に口に運べば、長崎にきてよかったと思うに違いありません。

 

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唐揚げは骨あり、骨なしと選べ、どちらにするかは好みが別れるところです。小骨の周辺、リブやサイなどの部位がある旨味の強い部分が使われている骨ありのほうがビールやチューハイと合うように思いますが、いががでしょう。そして、この唐揚げにはチョーコーソースをたっぷりかけて食べるのがご当地の定番。醤油に近い、甘酸っぱくスパイシー感は抑えられた長崎独特の味で、この組み合わせは夢中になる美味しさです。

 

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ビールが人気ですが、レモンサワーも定番の味として愛されています。520円とサワーにしてはやや割高ながら、500mlもはいるジョッキにたっぷり入り、ガス圧も強く揚げものとの愛称はなかなかのもの。

 

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とり福の名物女将、気さくな方で楽しく盛り上げてくださいます。長崎のご当地の味、これからも盛り上げたいという強い想いを伺いました。いい酒場は、いい店主。そうすればいいお客さんが集まって、さらにいいお店になる。それを感じさせてくれる酒場です。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社 九州旅客鉄道株式会社)

 

とり福
095-822-3858
長崎県長崎市銅座町8-9
17:00~24:00(日定休)
予算1,800円

 長崎デスティネーションーキャンペーン 2016

krl