【建て替え後の新店舗】町屋「ときわ町屋」 古典食堂の未来の可能性。63年目の新店
東京には「ときわ食堂」がたくさんあります。その歴史は”食堂飲み”を愛するコアなファンには基礎知識となっているようですが、ここでおさらいを。
明治時代、常磐花壇という料亭が上野にありました。その食堂として誕生したのがそもそもの始まり。
その暖簾分けとして入谷、本所小梅町などに店が出来ました。これが、現存しているときわ食堂の最古。
本所小梅町の店は、戦火によって休業を止む無くされましたが、終戦の翌年、浅草で店を再開させます。
まだ食料も不足する中、そうとうな苦労とともに歩む店だったことでしょう。
浅草店の初代店主をはじめとしたときわ食堂の店主らによって昭和27年、東京ときわ会を復興させ、以後、現在まで「ときわ食堂」と名のつく店の多くがこの東京ときわ会の会員になっています。
浅草店は、現在のときわ食堂の中心的存在で、ここから合羽橋ときわ、巣鴨ときわ、錦糸町ときわという形で次々と暖簾分けされていきました。
町屋のときわも、そんな浅草からの暖簾分けの一軒です。下町食堂の代表的存在のときわ食堂は、現在は店主もお客さんも代替わりをしましたが、いまも私たちのお腹と飲みたい欲求を満たしてくれています。
町屋のときわ食堂は二軒あり、大元は路面店の「ときわ食堂」になります。もう一軒は駅ビル「サンポップマチヤ」にあり、両店ともに毎日大盛況です。
家族で使うのならば、サンポップマチヤのときわがオススメですが、渋く飲みたいならば京成線側の路面店に限ります。
ときわ食堂は数あれど、このお店が一番歴史を残しています。まるで、ドラマの1シーンのような空間が広がり、そこでは、やはり絵に描いたような飲兵衛のお客さんが焼酎を楽しんでいます。
ここも酎ハイはとにかく濃くて、どっしりと酔えるもの。とくにお茶割りが私の好み。はい、乾杯!
料理の種類は数あるときわの中でもトップクラス。
この日は真鯛、なまこ、牡蠣、ブリ、イワシ、サンマなど食堂の一般的なラインナップをはるかに上回る種類のお刺身が。
いまが旬のサンマも塩やき、煮付け、お刺身から楽しめます。
ビールはアサヒスーパードライ。ときわ食堂は本店が業平橋から始まっているので、ここに拠点を持つアサヒを置くことが多いです。巣鴨店でキリンラガーを見たときには驚いたくらい。
おそば、丼ぶり、揚げ物に煮物、なんでもござれ。
カキフライは食堂の定番グルメですね。「日々の暮らしをちょっと豊かに」が暖簾もとの浅草店のポリシーだそうですが、ときわ食堂はしっかりそれを守っているように感じます。
タラの煮付けは、甘さ控えめでちょうどいい味わい。
こうなると日本酒がいただきたくなりますね。大関が定番酒ですが、銀嶺立山も取り扱いあり。
ゴリの天ぷらなどの割烹系の食材がたくさん貼られた短冊メニューの中に混ざっているのもここの特長です。
穴子の天ぷらがここでは好物なのですが、珍しいものを見つけるとつい頼んでしまいますね。
サクサクしていて美味しい♪
豚汁は具だくさんで食べごたえたっぷり。
お酒が進む濃い味で、豚汁と緑茶割りの組み合わせならば何杯でも飲めてしまいそうです。ジョッキを置くコースター代わりに布巾が用意されるのは、さすが下町と思います。
小上がりで美味しそうに定食を頬張る若い夫婦、テレビ下に陣取って焼酎のキープボトルをお湯で割りながらたっぷりの時間を過ごす年配の男性、、、すべてがいい雰囲気をだしています。
女将さんも優しい方で女性だけでも安心して入れるでしょう。朝7時からやっているのでお昼酒だけでなく朝酒だって楽しめちゃう!
食堂飲みが、お好きでしょ?
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ
ときわ食堂
03-3805-2345
東京都荒川区荒川7-14-9
7:00~13:30 17:00~21:30(水定休)
予算2,000円