世界中どこの都市にも1軒はみつかる日本料理店。”トンデモ”創作料理から正統派まで様々。「わざわざ海外まで行って日本食?でも気になるなぁ」ということで、実際に食べてきました。遠すぎて旅の参考にならないかもですが、気軽にお楽しみください。
目次
世界トップクラスのビール消費地チェコ・プラハから
チェコの中央に位置するプラハにやってきました。13世紀に建てられた建物がいまも使われている、歴史ロマンあふれる街。旧市街とプラハ城の間にはモルダウ川が流れ、15世紀に完成したカレル橋が繋いでいます。おとぎの国というか、いま風に言えば「異世界転生」したような景色が広がっています。
チェコには、日本で最もポピュラーなビール「ピルスナー」発祥の街「ピルゼン」などがあり、ヨーロッパの中でもとくにビール産業が盛んな国でもあります。ですから、町中にはいたるところにビアホールがあり、飲む場所には困りません。
しかもビールの値段はEUの平均的ミネラルウォーター価格よりも安く、ビール好きにとって楽園のような街です。
プラハに来たら、ビアホールをはしごするのは当たり前。でも、ほら、なんだか日本食と日本のビールブランドが飲みたくなってくるではありませんか。
ということで、石畳の道をテクテクと歩いて、日本料理屋さんを探すことにしました。
RPGの城下町のような場所にある日本料理店
あれは、もしや日の丸!?
しかも、ローマ字で「miyabi」って書いてある!
ということで、中世の街並みがそのまま残るプラハの旧市街で、日本料理店を発見しました。さっそく入ってみましょう。
海外の日本料理店は、ハリウッド映画がつくる「不思議な日本」のような店がほとんどですが、『miyabi』は、金箔テイストの天井などが多少派手な程度で、それほど違和感がありません。「馴染みやすく、静かで、心休まる」がコンセプトだそう。奥には畳敷きの和室もありました。
品書き
「BIRU・PIVA・BEER」の項目がビールですね。BIRUが日本語のローマ字表記、PIVAはチェコ語でビールの意味。
サッポロ、キリン、アサヒと、なんと日本の定番3社が揃っています。ビールの本場でも日本のビールを!ということで一番上にかかれている「SAPPORO」を選択。あと、軽くお寿司でも。
店員さんはプラハの方のようで日本語は通じません。お互いに慣れない英語でなんとかオーダーができました。
ちなみに、料理は味噌汁が80CZK(チェココルナ)日本円で460円ほど。ビール300円程度。安い!
チェコで飲むサッポロビールも、いつもの美味しさ
SAPPORO PREMIUM BEER 小瓶(約300円)
すぐにビールがでてきました。キンキンに冷えています。パッと見たところ、日本のサッポロ生ビール黒ラベルの小瓶にそっくりですが、黒ラベルではなくSAPPORO PREMIUM BEERという海外展開用のブランドです。
専用の脚付きグラスも用意してくれるのは、さすがビールの国のこだわりと言いましょうか。
しっかりと星マークの肩の位置に泡の境界をつくって、それでは「ナードラジー!(乾杯)」
うん、いつもの美味しさです。チェコナンバー1のビール「ピルスナー・ウルケル」も美味しいですが、サッポロビールは落ち着きます。
GINZA SUSHI SET(約2,000円)
ビールに対して、寿司はしっかり海外価格です。お腹は空いていないので、一番量の少ない銀座セットを選びました。ずいぶん可愛い内容ですが、握りのクオリティはなかなかだと思いませんか。
マグロ、ヒラメ、イカ、海老、そして巻きずし。
考えてみれば、プラハはヨーロッパ大陸のほぼ中央とも言える内陸にあり、一番近いバルト海まで420キロ、アドリア海のヴェネツィアまで600キロも離れています。
そんな立地で、ちゃんとした魚介類を生食できるって、実はすごいことですよね!
酢めしの味付け、握りの具合は東京の寿司店と同レベル。かなりしっかりとした料理を提供しているようです。
聞けば、店主さん13年間日本で過ごし、日本の大学を卒業しているそうです。茶道好きで、裏千家で学んだとのこと。掛け軸、生花、そして日本庭園まであり、ここが東欧だということを忘れてしまいそうになります。
プラハの旧市街にある日本料理店「miyabi」は、小さな日本でした。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | miyabi |
住所 | Navrátilova 664/10, 110 00 Nové Město, チェコ |
営業時間 | 11:30~23:00 |
公式サイト | https://www.miyabi.cz/ |
開業 | 1995年 |